古澤酒造
代表銘柄:澤正宗
山形県
YAMAGATA
1836年創業
天保7年(1836年)、創業者の古澤四郎治が山形県寒河江にて紅花商人の傍ら酒造業を開始しました。東に蔵王、西に月山を望む寒河江川沿いの風土のもと、月山の伏流水(軟水)を生かし、「品質第一」の酒造りを続けています。旧酒蔵を活用した敷地内の「古澤酒造資料館」には、昭和初期に共同開発された「澤式精米機」など当時の道具が展示されています。代表銘柄の「澤正宗」や「紅花屋重兵衛」などを手がけ、「出羽燦々」や「雪女神」といった山形県産酒造好適米を用いた酒造りに力を入れています。
近年も「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」での最高金賞やフランスの「Kura Master」、国際品評会「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」での受賞など、国内外で高い評価を得ています。敷地内には蕎麦打ち体験ができる「紅葉庵」も併設されています。
古澤酒造の歩み
古澤酒造は天保7年(1836年)、紅花商人を営んでいた古澤四郎治が、現在の山形県寒河江市にあたる地で酒造業を興したことに始まります。東に奥羽山脈の蔵王、西に朝日山系の月山を望む寒河江川のほとりという気候風土のもと、190年近くにわたって酒造りを継承してきました。現在の所在地は山形県寒河江市丸内三丁目で、代表取締役は古澤康太郎氏が務めています。
創業から時を経た明治40年代には、二代目・古澤徳治が吟味を重ねた末に代表銘柄「澤正宗」を世に送り出しました。その前身は「澤之鶴」という銘でしたが、商標登録の申請で灘の蔵元がすでに同名を取得していたため、あらためて「澤正宗」を登録した経緯があります。創業時から続く上撰クラスの銘柄「紅葉盛」も、四郎治の代から現在まで受け継がれています。大正6年(1917年)には、のちに酒造資料館として活用される仕込み蔵が完成しました。
三代目・古澤徳治は昭和5年(1930年)、機械メーカーと共同で縦型の「澤式精米機」を開発し、従来の横型精米機では難しかった高精米を可能にしました。同じころ、昭和3年から5年にかけては仙台国税局管内清酒品評会で3回連続の優等賞と名誉賞を受賞しています。昭和23年(1948年)10月には株式会社へ改組し、昭和37年(1962年)にはリキュールの製造免許を取得、昭和40年(1965年)には醸造倉「徳之倉」を落成しました。
昭和45年(1970年)には輸出貢献企業として通商産業大臣賞を受け、昭和50年(1975年)に吟醸造りを再開、昭和55年(1980年)には純米酒の製造を開始しています。昭和58年(1983年)には生酒の発売を始めるとともに、大正6年(1917年)に建てられた蔵を活用して「古澤酒造資料館」を開設し、館内には2000リットル入りの大かめや白米を蒸す甑、麹室、槽(ふね)、そして澤式精米機など実際に使われてきた酒造りの道具を展示しています。
昭和60年(1985年)には東北新酒鑑評会で金賞を受賞したほか、麦焼酎の発売と直接貿易を開始しました。
平成12年(2000年)には寒河江酒造組合が解散して山形県酒造組合が発足し、同年「澤正宗 大吟醸 芳醇」を新たに発売しています。平成24年(2012年)には中国向け輸出を本格化させ、令和4年(2022年)には海外向け出荷体制をさらに強化し、令和7年(2025年)には山形県酒造組合を代表して「山形讃香」の製造を開始しました。全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限っても、平成15酒造年度と平成20酒造年度に商標「紅花屋重兵衛」で金賞を受賞し、平成16・平成17・平成26酒造年度にも同じ商標で入賞しています。
それ以前についても、平成期を通じて金賞を受けてきたと蔵元自身が振り返っています。
酒造りの特徴
仕込み水には、月山の雪解け水に由来する伏流水の軟水を用いており、蔵内の3本の井戸はいずれも同等の水質です。やわらかな水質が発酵を穏やかに進め、雑味の少ない透明感のある味わいを生み出しています。酒米には、山形県が開発した酒造好適米「出羽燦々」「雪女神」「出羽の里」などを用いており、寒暖差の大きい内陸性の気候とあわせて、香り高くクリアな酒質を支えています。精米は三代目・古澤徳治が開発した「澤式精米機」の系譜を受け継ぎ、精米所に4台の新鋭機を備えて全量を自家精米しているのも特徴です。
代表銘柄「澤正宗」をはじめ、「紅花屋重兵衛」「美田美酒」、創業時から続く「紅葉盛」といった大吟醸・純米大吟醸のほか、そば焼酎や米焼酎「雪原」、梅酒などのリキュール類も手がけています。
インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)では、「純米大吟醸 紅花屋重兵衛 雪女神」が令和4年(2022年)・令和7年(2025年)・令和8年(2026年)にシルバー賞を受賞しているほか、「大吟醸 紅花屋重兵衛」も平成25年(2013年)にブロンズ賞、平成26年(2014年)・平成27年(2015年)・令和3年(2021年)・令和4年(2022年)にコモンデッド賞を受けています。
別枠の国際コンクール「IWSC(インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンクール)」では、焼酎「雪原 極上米焼酎」が令和4年(2022年)から令和7年(2025年)にかけて4年連続でシルバー賞を、令和元年(2019年)には銅賞を受賞しています。
「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」では、令和5年(2023年)にプレミアム大吟醸部門の「澤正宗 純米大吟醸 雪女神48」とプレミアム純米部門の「澤正宗 純米大吟醸 美田美酒」がそれぞれ最高金賞を受賞し、令和8年(2026年)にも「澤正宗 大吟醸 酔吟」と「澤正宗 純米大吟醸 雪女神48」が最高金賞を受賞しています。
このほか令和2年(2020年)から令和7年(2025年)にかけて、「紅花屋重兵衛 雪女神」や「澤正宗 大吟醸 紅花屋重兵衛」「澤正宗 酔吟 純米吟醸生酒」「澤正宗 純米吟醸 大辛 出羽の里」などが金賞を受けています。パリで開催される「Kura Master」では、令和4年(2022年)にそば焼酎「雪原 本格焼酎 山形そば焼酎」が金賞を、令和7年(2025年)には「純米大吟醸 紅花屋重兵衛 雪女神」がプラチナ賞と優秀賞を受賞しました。
米国の全米日本酒歓評会では、平成30年(2018年)と令和7年(2025年)に「純米大吟醸 美田美酒」が金賞を、令和2年(2020年)には「紅花屋重兵衛 純米大吟醸 雪女神」が金賞を、令和3年(2021年)には大吟醸部門Aの「大吟醸 紅花屋重兵衛」が金賞より上位の準グランプリを、令和5年(2023年)には「純米大吟醸 雪女神48」と「澤正宗 純米吟醸 出羽の里」が金賞を受けています。
令和8年(2026年)には市販酒のブラインド審査「SAKE COMPETITION 2026」の純米大吟醸部門で「紅花屋重兵衛 雪女神」がGOLD受賞酒第6位に選ばれ、「Australian Sake Awards 2026」でも「澤正宗 純米大吟醸 美田美酒」がフルーティ部門でゴールド賞を受賞しています。
国内のコンクールでも評価されており、「全国酒類コンクール」では平成26年(2014年)・平成30年(2018年)・令和3年(2021年)に「雪原 極上米焼酎」が第一位を受賞し、平成28年(2016年)には同コンクールで「雪原 吟醸米焼酎」が第一位となりました。令和3年(2021年)の秋季大会では「雪原 極上米焼酎」が第一位に加えて特賞も受け、平成29年(2017年)の秋季大会では「雪原 極上米焼酎 出羽燦々」が第一位・特別賞、「純米大吟醸 紅花屋重兵衛 雪女神」が第二位となっています。
平成26年(2014年)・平成27年(2015年)にはそば焼酎「尾花沢そば焼酎」が第一位を受賞し、令和2年(2020年)には全日本国際酒類振興会で「雪原 極上米焼酎 雪若丸」が第一位・特賞を受賞しました。平成30年(2018年)には全国酒類コンクールの日本酒・焼酎部門で優秀蔵元賞を受け、「全国燗酒コンテスト2018」では創業以来の銘柄「紅葉盛」の「紅葉盛 本醸造」が金賞を受賞しました。
代表銘柄
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澤正宗
「澤正宗」は明治40年代に二代目・古澤徳治が完成させた古澤酒造の代表銘柄で、前身の銘「澤之鶴」から商標を改めて誕生しました。月山の伏流水である軟水を用い、やわらかな旨味と透明感を兼ね備えた食中酒として親しまれています。令和元年(2019年)の全国酒類コンクール春季では「やまがたの銘酒 澤正宗」が第一位を受賞し、令和6年(2024年)の「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」では「澤正宗 純米吟醸 大辛 出羽の里」が金賞を受賞しました。
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- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 敷地内の古澤酒造資料館の売店で日本酒や酒粕、お猪口などを直売しているほか、公式のオンラインショップでも購入できます。
- 補足
- 資料館の見学は入館無料で、事前に電話予約をすると案内がスムーズです。敷地内には蕎麦打ち体験ができる「紅葉庵」も併設されています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 山形県寒河江市丸内3-5-7
- 創業
- 1836年
- 公式サイト
- furusawa.co.jp
出典
ynet.or.jp / yamagata-sake.or.jp / furusawa.co.jp / japansake.or.jp / kuramotokai.com / yamagatakanko.com / next-level.biz / nrib.go.jp / finesakeawards.jp / kuramaster.com
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