SAKE BREWERY — YAMAGATA

鯉川酒造

山形県東田川郡庄内町余目字興野42 1725年創業

紹介

1725年(享保10年)創業、山形県東田川郡庄内町に蔵を構える老舗酒蔵です。代表銘柄には「鯉川」「亀治好日」「別嬪」「侍士の門」などがあります。

地元・庄内(旧余目町)が発祥である伝説の酒米「亀の尾」を1980年代に復活栽培させ、酒造りを再開した蔵として知られています。地元の米と水を用い、醸造アルコールを使用しない全量純米酒体制で酒造りを行っています。料理に寄り添う食中酒を重視し、熟成させた芳醇でキレのある辛口純米酒や、温めることで旨味が引き立つ純米燗酒を追求しています。

受賞歴も豊富で、全国新酒鑑評会において「純米大吟醸 山田錦」「純米大吟醸 雪女神」「純米大吟醸 亀の尾」などで金賞を受賞しているほか、東北清酒鑑評会でも亀の尾100%の純米酒で優等賞を獲得するなど、高い技術力を誇っています。

歴史

鯉川酒造は享保10年(1725年)、山形県庄内地方の庄内町余目(旧余目町)で創業した老舗蔵です。蔵の名は、女山として知られる湯殿山が「恋の山」と呼ばれ、そこに連なる川が「恋の川」から転じて「鯉川」と呼ばれるようになったという言い伝えに由来するとされています。

創業後の歩みとしては、昭和2年(1927年)に鶴岡市の長沢醸造場を合併し、この際に商標「別嬪」を取得しました。以後「別嬪」は「鯉川」と並ぶ鯉川酒造の看板ブランドの一つとして受け継がれています。戦後の昭和30年(1955年)には法人に改組され、現在は11代目にあたる佐藤一良氏が代表取締役社長を務めています。

蔵の歴史を語るうえで欠かせないのが、酒米「亀の尾」との関わりです。「亀の尾」は明治時代、現在の庄内町にあたる地域の篤農家・阿部亀治によって育成された品種です。冷害に見舞われた年、神社に隣接する田で寒さに耐えて実った3本の稲穂を見出したことが選抜育種の始まりとされ、後には「西の雄町、東の亀の尾」と並び称されるほど日本を代表する酒米へと広まりました。しかし昭和期にコシヒカリなど他品種の普及によって栽培が絶え、「幻の米」と呼ばれる存在になっていました。

昭和55年(1980年)、佐藤一良氏は阿部亀治の遺言に従って種籾を守り続けてきた阿部家から譲り受け、復活栽培に着手しました。翌昭和56年(1981年)には同蔵で初めて「亀の尾」を原料とする日本酒が完成し、以後、地元産の「亀の尾」を用いた酒造りが鯉川酒造の柱の一つとなっています。近年では2016年より全量純米酒蔵となり、醸造アルコールを添加しない酒造りを行っています。麹室は令和3年(2021年)に改装し、設備の更新も進めています。また平成20年(2008年)の東北清酒鑑評会純米酒の部では、「亀の尾」を原料とした純米大吟醸が優等賞を受賞し、「亀の尾」100%の酒としては初の受賞として注目されました。

酒造り

鯉川酒造は醸造アルコールを一切使用しない全量純米酒蔵です。原料は米・米麹・水のみで、「酒は純米、燗ならなお良し」という言葉を大切にし、燗をつけることで真価を発揮する食中酒としての純米酒を追求しています。仕込んだ酒はワインセラーのような涼温倉庫でじっくりと熟成させ、辛口でありながら米由来の旨味とふくらみを備えた「キレのある熟成純米酒」に仕上げています。

使用米は蔵発祥の地である庄内町産の「亀の尾」を中心に、「雪女神」「つや姫」など山形県産米が主体です。自社でも「亀の尾」を栽培するほか、信頼できる地元の契約農家からも米を仕入れています。酵母もほぼすべて山形県工業技術センターが開発した山形県産酵母を用いており、柔らかく濃淡のある味わいに仕立てています。

酒造りを担う杜氏は他地域から招くのではなく、地元出身者を蔵で育成してきました。現在の杜氏は鈴木義浩氏です。地元の米・水・杜氏という三つの要素にこだわる姿勢は、蔵が掲げる「地酒」の理念を体現しています。

蔵データ

所在地

山形県東田川郡庄内町余目字興野42

創業

1725年(山形県)

公式サイト

sake-koikawa.jp

代表銘柄

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鯉川:鯉川酒造の看板銘柄です。「米の旨味、ただそれだけを信じて」を掲げ、醸造アルコールを使わない全量純米造りで醸されています。辛口でキレのある味わいながら米の旨味を残し、燗をつけることで真価を発揮するのが特徴です。蔵発祥の地の米「亀の尾」を使った純米大吟醸から、日常に寄り添う純米酒まで幅広く展開しています。

亀治好日:純米吟醸で、精米歩合55%、アルコール度数15度、原料米には「亀の尾」を使用しています。穏やかな吟醸香とすっきりした飲み口、キレのある辛口が特徴で、冷や・常温・燗のいずれでも楽しめます。銘柄名は「亀の尾」を育成した阿部亀治にちなみ、1.8L・720mL・300mLの3規格で展開されています。

別嬪:昭和2年(1927年)に合併した鶴岡市の長沢醸造場から引き継いだ商標で、「鯉川」と並ぶ鯉川酒造のもう一つの看板ブランドです。うすにごりを含む複数の純米酒がラインアップされ、精米歩合40%の純米大吟醸「Beppin雪女神」はマスカットやバナナを思わせる香りとすっと伸びる長い余韻が特徴で、ワイングラスで冷やして楽しむタイプの酒です。

見学・購入

蔵見学

なし

補足

所在地の最寄り駅はJR余目駅で、蔵までは車で約10分の距離です。現在、一般の酒蔵見学は受け付けていません。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

yamagata-sake.or.jp / sake-koikawa.jp / saketime.jp / umaisake.ne.jp / sakeworld.jp / shonai-nandemoya.net / kigawaya.com / sakenomy.jp / navishonai.jp / tohoku-sakurakaido.jp

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