大門酒造
代表銘柄:利休梅・DAIMON(大門)・杜氏シリーズ
大阪府
OSAKA
1826年創業
文政9年(1826年)創業、大阪府交野市に位置する老舗酒蔵。生駒山系の麓に広がる自然環境のもと、摂津や生駒の山系からもたらされる清澄な軟水を仕込み水に使用し、近郷の良質米を用いた高品質な酒造りを行っている。全規格の酒において低温でじっくり発酵させる吟醸造りを徹底しているのが特徴で、「濃淳辛口」をキーワードに、米の旨みと爽快な酸味、しっかりとしたボディを持つ味わいを追求している。代表銘柄には、地元で長年愛された「菊養老」や吟醸酒ブランド「利休梅」、グローバル展開を見据えた「DAIMON」「MUKUNE」などがある。
受賞歴としては、全国新酒鑑評会の平成15酒造年度金賞(利休梅)、ロンドン酒チャレンジにおける2016年金賞(純米大吟醸 DAIMON35)、Tasting Trendies Sake Awardsでの2020年チャンピオン(純米吟醸 利休梅 静香)、IWC SAKE部門での2021年金賞(純米大吟醸部門 DAIMON35)などが挙げられる。
大門酒造の歩み
大門酒造があるのは、大阪府北東部、奈良との府県境に横たわる生駒山系の麓に広がる交野が原です。清少納言が枕草子で「野はかた野」とその風情を讃えた土地で、古くから稲作を中心とした農耕文化が栄えてきました。創業は文政9年(1826年)で、創業の地は「むくね村」、蔵は現在の交野市森南にあります。創業者は半左衛門喜之といい、裏山から湧き出る清冽な仕込水と、交野が原の沃野で収穫された良質な米で酒を仕込み、近在の人々に飲んでもらって一家を成したいという志を抱いて酒造りに踏み出しました。屋号は酒半と称しました。
創業から六代、190年余りにわたって酒造りを続けてきました。地元の人々に長く愛された「菊養老」の時代を経て、吟醸酒の時代を迎えると「利休梅」を新たに立ち上げています。1998年からは日本酒の輸出に取り組み、その試みは「MUKUNE」から「DAIMON」ブランドへと発展しました。六代目の蔵元は、1969年から約6年をかけて65か国を旅した経験をもち、日本酒と日本文化を世界に伝えたいという思いを持ち続けてきた人物です。蔵元は、外国人の醸造家を早い時期に迎え入れ、日本酒輸出協会の共同設立にも加わったとしています。
日本酒離れが進む中で経営が厳しくなり、蔵の建物を失いかねない状況に陥った時期もありました。その蔵を支えたのは、香港を中心とする個人投資家たちです。2017年には、ニューヨーク出身で金融の経歴をもつマーカス・コンソリーニ氏が経営に加わり、業界では異例の外国人CEOが誕生しました。同年10月1日の日本酒の日には蔵で大門フェスティバルを開き、新たな出発を発表しています。2018年には利休梅とDAIMONの両シリーズのラベルを一新しました。
2018年の時点で、醸造のスタッフは2人から6人に、営業のスタッフは1人から多言語に対応する10人に増えています。現在の代表者はマーカス・コンソリーニ氏です。
酒蔵の屋根裏にある酒蔵ダイニング「無垢根亭」は、2018年1月下旬に再オープンしました。春と秋の年2回開かれる「大門サケフェスティバル」では、蔵の雰囲気とお酒、無垢根亭の季節の酒肴、ライブ音楽を楽しめます。2024年には、ブロックチェーン技術を手がけるDualMint社と提携し、限定の杜氏シリーズをトークン化した「杜氏NFTスペシャルエディション」を発表しました。保有者には3年間、年に1本ずつ杜氏シリーズが届けられます。
2026年には新商品「花影」が加わり、発売を記念した夜のイベントが6月に企画されるなど、伝統の蔵を舞台にした新しい試みが続いています。
受賞歴は次のとおりです。全国新酒鑑評会では、平成15酒造年度に商標「利休梅」で金賞を受賞し、翌平成16酒造年度にも同じ商標で入賞しています。ロンドン酒チャレンジでは、2016年にDAIMON35(純米大吟醸 原酒)が純米大吟醸部門で金賞に選ばれ、2018年にはDAIMON45が純米大吟醸部門で金賞、DAIMON55とDAIMON35が銀賞に選ばれました。
2020年に香港で開かれたTasting Trendies Sake Awardsでは、利休梅シリーズの純米吟醸「静香」がチャンピオンとなり、純米吟醸部門の最高賞(Best of Category)にも選ばれています。インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のSAKE部門では、蔵の発表によると2020年に初めてメダルを受け、DAIMON45が銀賞、DAIMON35が銅賞でした。2021年にはDAIMON35が純米大吟醸部門で金賞を受賞しています。
蔵によると、この年のSAKE部門には全国の蔵元から1499点が出品され、純米大吟醸部門の金賞は7%にとどまる狭き門でした。
酒造りの特徴
大門酒造は、すべての規格・グレードの酒を、よく磨いた米で突破精麹(つきはぜこうじ)と呼ばれる麹を造り、低温でゆっくり発酵させる吟醸造りで仕込んでいます。杜氏と蔵人の手による伝統的な酒造りが時代とともに変わる中で、経験と勘に頼る造りから、分析を通した発酵制御へと舵を切りました。それでも手造りの心は忘れず、一つひとつの工程を丁寧に仕上げることを大切にしています。麹菌と酵母菌が織りなす発酵に心をときめかせながら醸しているのが、この蔵の姿勢です。
原料処理から細かく管理しています。正確な吸水歩合の蒸米を得るために、洗米は10キログラム単位で行い、吸水を限定した厳格な処理をしています。麹造りでは温度と湿度を安定してコントロールし、穏やかな軟水で育む低温長期発酵によるもろみを目指します。各工程の温度や湿度の操作には無数の選択肢があるため、あらゆる情報を数値化して分析・管理し、酵母菌と麹菌の力を最大限に生かせるよう最適な糖化と溶解を進めています。
蔵が酒造りのキーワードに掲げるのは「濃淳辛口」です。洗米と浸漬における吸水歩合や麹の破精(はぜ)具合を見直し、仕込み配合やもろみの品温経過に至るまで、細部の操作を新しい取り組み方で仕上げました。目指すのは、米の旨みをたっぷり感じられ、爽快な酸味に裏打ちされたボディのある酒です。日本食だけでなく、世界の料理との相性を存分に楽しめるしっかりした味わいを提案しています。
仕込みには、近郷の良質米と、摂津や生駒の山系からもたらされる清澄な水を使っています。酒造りは、先代の杜氏であった蔵元と現在の杜氏が担っています。大門と半左衛門、静香には兵庫県産の山田錦を100%使い、青山緑水と磐船には一般米を使うなど、銘柄ごとに米を使い分けています。
代表銘柄
利休梅
吟醸酒の時代を迎えて新たに立ち上げた、地域に根ざした伝統の日本酒です。現行の大門利休梅シリーズは、純米大吟醸の半左衛門、純米吟醸の静香、特別純米の青山緑水、特別本醸造の磐船の4種類で、日々の暮らしの中で楽しめるお酒です。平成15酒造年度の全国新酒鑑評会では、この商標で金賞を受賞しました。静香は2020年のTasting Trendies Sake Awardsでチャンピオンに選ばれています。
DAIMON(大門)
輸出への取り組みから生まれた「MUKUNE」から、「DAIMON」ブランドとして世界を見据えて展開する銘柄です。純米大吟醸の35と45、純米吟醸の55をそろえ、いずれも兵庫県産山田錦を100%使い、国境を超えた料理とのマリアージュを目指しています。ロンドン酒チャレンジでは、2016年にDAIMON35、2018年にDAIMON45が金賞を受賞しました。
杜氏シリーズ
代々の杜氏が醸した酒と当代の杜氏の酒をブレンドした、限定の「時を結ぶ日本酒」です。蔵内で熟成させた古酒と、IWCで金賞を受賞した純米大吟醸を合わせ、現在と過去の世代を超える試みとして生まれました。きのこのような香気が旨みとともに広がり、長く尾を引く後味が特徴です。アルコール度数は18度、容量は720ミリリットルで、和風の料理との相性が良いお酒です。
見学・購入
- 直売所
- 蔵元のオンラインショップのほか、大阪・京都・兵庫・和歌山の百貨店やスーパー、酒販店で購入できます。
- 補足
- 酒蔵見学は要予約で、木曜日の午後12時15分から、蔵人による案内と特別酒蔵オードブル、5種類のセルフ飲み比べ、お土産が付きます。所要は見学で約45分で、英語と中国語にも対応できます(事前相談が必要)。現在は新規の予約受付を一旦停止しています。蔵は平日9時から17時、土日が定休日です。酒蔵ダイニング「無垢根亭」は店内改装のため当面の間臨時休業しています。最寄りはJR河内磐船駅から徒歩約7分です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 大阪府交野市森南3丁目12番1号
- 創業
- 1826年
- 公式サイト
- daimonbrewery.com
出典
japansake.or.jp / daimonbrewery.jp / wikipedia.org / sakagura-press.com / sakenomy.jp / daimonbrewery.com / openers.jp / kansaiscene.com / nihonmono.jp / nrib.go.jp / web.archive.org
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