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石岡酒造

代表銘柄:歳壽・酔鶴・筑波

茨城県

IBARAKI

1972年創業

茨城県石岡市にあった石岡酒造株式会社は、江戸時代から続く地元の蔵元が合同し、1959年(昭和34年)に設立した販売会社「石岡銘醸株式会社」を前身とし、1972年(昭和47年)に各蔵が合併して設立されました。筑波山系の清冽な地下水(伏流水)と筑波山麓の良質米に恵まれた環境のもと、「醸造300年の技、日々これ吟味」をモットーに、全量検査合格米の使用や全量自家精米による製造から販売までの一貫体制で酒造りを行ってきました。主力銘柄の「白鹿」のほか、高級酒専用ブランド「筑波」、こだわりの「酔鶴」、「寿山(壽山)」などを展開。

全国新酒鑑評会で入賞・金賞を重ね、関東信越国税局の酒類品評会でも吟醸酒部門の最優秀賞を受けるなど、高い品質と技術で知られた酒蔵でした。2022年6月17日に水戸地方裁判所土浦支部から破産手続きの開始決定を受けて廃業し、土地と建物は木内酒造に売却されました。

石岡酒造の歩み

石岡酒造は、茨城県石岡市東大橋にあった清酒蔵です。石岡は筑波山と霞ヶ浦に接した常陸台地にあり、古くは常陸国分寺や国府が置かれた常陸国の中心地で、「常陸府中」とも呼ばれた町です。筑波山水系の伏流水と筑波山麓の良質米に恵まれ、関東有数の銘醸地として知られてきました。

起源は江戸時代にさかのぼります。昭和34年(1959年)、石岡市内の数軒の酒蔵が共同で石岡銘醸株式会社を設立し、共同瓶詰・共同販売を始めました。その後、清酒需要の増大と品質向上を目指して、昭和47年(1972年)8月に「白鹿」「長寿」「都志ら菊」「大徳」の4つの蔵が合併し、石岡酒造株式会社が発足しました。合併後は製造から販売までを一貫して行う体制を整えました。

設立以来の主力ブランドは「白鹿」で、1985年に高級酒専用の「筑波」、1993年に「酔鶴」、1997年に「寿山」が加わりました。2019年には12年ぶりの新銘柄として「米音(こめおと)」が誕生しています。モットーは「醸造300年之技、日々これ吟味」でした。「白鹿」は合併した蔵の一つが受け継いだ銘柄で、兵庫県の同名の銘柄とは別の、石岡の地酒でした。

酒質は外部の鑑評会でも評価されました。全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限っても、「筑波」で平成16・17・18・19・20・25・30、令和元の各酒造年度に入賞しており、うち金賞は平成17・18・25酒造年度の3回です。平成25酒造年度(第102回)の金賞について、蔵は12回目の受賞と掲げていました。関東信越国税局酒類品評会では、2014年の第85回で吟醸酒部門の最優秀賞を受け、蔵はこれを31回目の受賞としています。第82回の純米の部でも入賞しました。

このほか、2011年のインターナショナル・ワイン・チャレンジで大吟醸「筑波 紫の峰」が金メダルを獲得し、純米吟醸「筑波 翔雲の峰」はモンドセレクションで2011・2012・2013年と金賞が続き、2015年には6年連続、通算11回目の金賞となりました。「純米酒 寿山 ささのしずく」はワイングラスでおいしい日本酒アワードのメイン部門で、2015年と2016年に金賞を受けています。

日本酒の需要が盛んだった昭和40年代には年間約10,000石を醸した時期がありましたが、日本酒の消費減少で2019年ごろには約1,500石になっていました。新型コロナウイルスの影響も重なり、令和2酒造年度は高濃度アルコールの製造に注力して全国新酒鑑評会への出品を見送りました。2022年6月17日に水戸地方裁判所土浦支部から破産手続きの開始決定を受け、蔵は幕を下ろしました。土地と建物は那珂市の木内酒造に売却され、跡地には製麦工場が新設されて2023年7月下旬から本格稼働しました。

現在、石岡酒造としての酒造りは行われていません。

酒造りの特徴

酒造りの基盤は水と米でした。仕込み水は筑波山系の地下水(伏流水)で、井戸は約40メートルの深さで伏流水に当たり、それより深く掘ると霞ヶ浦の水とぶつかるため、深さは約40メートル程度にとどまりました。蔵を現在地に設けたのは、それまで各蔵があった場所よりやや柔らかな水が豊富に得られる地を探した結果でした。

原料米は全量検査合格米を使い、履歴のはっきりした農家の顔が見える酒米を少しでも多く使うことにこだわって契約栽培を行い、全国の有名酒造好適米も数多く用いました。特定名称酒の約半数は山田錦で、ほかに雄町、美山錦、五百万石を使っていました。自主栽培にも取り組み、2010年には旧八郷地区の借り田でコシヒカリの栽培を始め、のちには城里町で美山錦を育ててもらっていました。

米は全量を自家精米し、仕込みは品質に影響のないところに機械を導入しつつ、酒造りそのものは昔ながらの手作りを守っていました。蒸しは一度に600キログラムで、製麹室は3室のうち実際に使うのは1室、ほかは殺菌用に回していました。貯蔵から出荷までは冷蔵庫で最適な温度を保ち、生酒はマイナス7度の大型冷蔵庫、普通酒は7度の冷蔵庫、高級酒の瓶貯蔵はマイナス2度の冷蔵庫と、用途ごとに使い分けていました。

生産は普通酒が全体の半数近くを占め、出荷の95パーセント以上は県内の日本酒専門店やスーパーで消費され、残りが県外と海外に向けられていました。海外の主な販売先はアメリカとオーストラリアでした。敷地は24,400平方メートルと広く、贈答用の和紙包装はベテラン社員の手作業で行っていました。

代表銘柄

歳壽

大吟醸「歳寿」は、鑑評会出品用に斗瓶取りした山田錦35%精米の原酒を、10年以上低温で熟成させた秘蔵の古酒です。アルコール分は17度で、味の濃い料理にも負けない腰の強さが持ち味でした。長寿の祝いの贈答用としても人気があり、年間の販売本数が限られる希少な商品でした。

酔鶴

1993年に発表した、蔵のこだわりのブランドです。茨城県産の酒造好適米「美山錦」を契約栽培で用いた純米吟醸(精米歩合50%)は爽やかな味とコクのあるのど越しが持ち味で、特別純米(同58%)は穏やかな香りと深い旨味があり、燗にしても楽しめる味わいでした。特別純米はイベントで毎回完売になるほどの人気でした。

筑波

1985年に生まれた高級酒専用ブランドで、平成14酒造年度以降の全国新酒鑑評会での入賞はすべてこの名義です。大吟醸の「紫の峰」「天平の峰」、雄町100%の純米吟醸「翔雲の峰」、吟醸「薫風の峰」などがあり、山田錦・雄町・五百万石を使った特別純米(精米歩合58%)は蔵の代表的な定番酒でした。

白鹿

設立以来の主力ブランドで、石岡市内では定番商品として販売されていました。「佳撰 白鹿」は普通酒で、チヨニシキをはじめ全量茨城県産米を使い、精米歩合は73.7%、アルコール分は15度でした。香味のバランスがよく日々の晩酌向けで、蔵のベストセラーでした。兵庫県の同名の銘柄とは別の石岡の地酒でした。

寿山

1997年に「21世紀を目指すブランド」として発表されました。茨城県産の契約栽培美山錦を使う「純米酒 寿山 ささのしずく」(精米歩合65%)は、ワイングラスでおいしい日本酒アワードで2015年と2016年に金賞を受けました。季節・本数限定の本醸造「ふな口の酒」は、搾りたてをそのまま詰めた無濾過の生原酒でした。

見学・購入

蔵見学
なし
補足
2022年6月に破産手続きの開始決定を受け、酒造りは終了しています。蔵見学や購入はできません。跡地の土地と建物は木内酒造に売却され、製麦工場として使われています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
茨城県石岡市東大橋字深久保2972
創業
1972年
公式サイト
www.ishiokashuzo.co.jp

出典

ginjyoshu.jp / nakamurasaketen.com / ameblo.jp / ishiokashuzo.co.jp / sakemeguri.com / sakeno.com / mahoranokaze.com / finesakeawards.jp / nrib.go.jp

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