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西岡本店

代表銘柄:花の井

茨城県

IBARAKI

1782年創業

西岡本店の建物
西岡本店の建物(2023年撮影)「Nishioka Honten ac (1).jpg」 — 写真:Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

西岡本店は、天明2年(1782年)に近江商人出身の初代が茨城県桜川市(旧真壁郷)で創業した酒蔵です。代表銘柄「花の井」の名称は、創業地の井戸の傍らに桜の木があったことに由来しています。

関東の名峰・筑波山の麓に蔵を構え、花崗岩地帯を浸透して湧き出る筑波山水系の清らかな伏流水と茨城県産を中心とした良質な米を原料に用いています。米と水のみで醸す純米酒造りにこだわり、食事に合わせやすい熟成した酒造りを目指しています。

また、地元の真壁高校農業科の生徒が栽培したコシヒカリと地元の山桜酵母を使った純米吟醸「明笑輝」を手掛けるなど、地域に根ざした取り組みを展開しています。無農薬アヒル農法で育った古代米を使った酒の製造など、個性豊かな酒造りも特徴です。明治初期から末期に建てられた店舗や蔵は国の登録有形文化財に登録されており、ギャラリーやイベントスペースとしても活用されています。

西岡本店の歩み

西岡本店の創業は天明2年(1782年)です。近江国日野の出身で、近江商人だった初代の西岡半右衛門が、常陸国真壁郷に酒屋質蔵「近江屋」を開いたのが始まりで、当主は代々半右衛門の名を襲名してきました。創業の地は、現在の桜川市真壁町にあたります。筑波山のすぐ麓にあり、昔から良質な米が穫れ、御影石の名で知られる花崗岩地帯を通って湧き出る伏流水に恵まれた土地です。

銘柄の「花の井」は、蔵の敷地にある井戸のたもとに桜の木があり、見事な花を咲かせていたことに由来します。桜の木は今はありませんが、その面影は「花の井」のロゴに生きています。

昭和26年(1951年)に商号を株式会社西岡本店としました。平成13年(2001年)には、明治初期の店舗と脇蔵、明治末期の米蔵が国の登録有形文化財に登録されています。3,000坪の敷地に事務所蔵・製造蔵・ギャラリー&イベント蔵が並び、向かいには創業800年を数える関東唯一の梵鐘メーカー「小田部鋳造」があります。平成22年(2010年)には八代目の西岡勇一郎が代表取締役に就任しました。

2011年の田植えから、地元の茨城県立真壁高校農業科と組んだ酒づくり「明笑輝」が始まりました。銘柄名は真壁高校の生徒の考案で、「明るく笑いの絶えない輝ける町を目指して」という思いが込められています。折しも東日本大震災で真壁の町並みが大きな被害を受けた年で、「震災に負けず明るく笑って輝こう」という気持ちも重なりました。この取り組みは2013年度のグッドデザイン賞を受賞しています。

2017年には、フランスで初めて開かれた日本酒コンクール「Kura Master」で、花の井の純米酒が純米部門のプラチナ賞を受賞しました。2023年12月から翌年1月にはクラウドファンディングを実施し、目標の150万円を達成して支援総額は約203万円に達しました。東日本大震災の傷が残る蔵の屋根などの修繕と、数年後に世に出す熟成酒用の原料米の仕入れに充てる計画でした。2025年からは、山一つ隔てた石岡市八郷地区で育った古代米を醸す「EIGHT-GOU」にも取り組んでいます。

酒造りの特徴

花の井の原料は米と水だけです。醸造アルコールを否定するのではなく、「米だけのチカラで酒の味を表現したい」「自社の井戸水の発酵力を信じたい」という考えから、蔵は全量を純米酒で造っています。筑波山水系の伏流水を仕込みに使い、米は、ひたち錦や日本晴、真壁高校産の山田錦など茨城県産の米を中心に、地元のコシヒカリも銘柄ごとに使い分けます。

蔵にはコンピュータ制御のような最新の醸造設備はなく、昔ながらの設備で気候の変化に向き合いながら造っています。設備の近代化を考えたこともあったものの、無理な設備導入はせず、創業時からの姿を守る方針です。杜氏は社長が兼ねる「オーナー杜氏制」で、越後杜氏のもとで見習いを続けた経験を土台にしています。麹も自社で造っています。

花の井の特徴は熟成です。出荷までに数年の熟成を経るものがほとんどで、年を重ねて味に深みが増す日本酒を目指しています。「鳥獣戯画ラベル」の熟成純米酒シリーズは1年以上熟成させ、お燗で楽しむ食中酒に仕立てています。純米大吟醸の五年古酒のほか、フランス・ブルターニュの海底で1年熟成させた純米酒も試みました。蔵には20年以上前に導入した蒸留設備もあり、減圧蒸留の本格焼酎は、米焼酎を10年、麦焼酎を15年熟成させたものを世に出しました。

地元の素材を生かした酒も造っています。「明笑輝」には桜川市磯部の山桜から採取した桜酵母を使い、米も水も酵母も桜川市産にこだわります。古代米の酒は、五所駒瀧神社の御神米をアヒル農法で無農薬栽培したものが原料です。ほかに、麹から手がける「食べるあまざけ」や蔵元梅酒も造っています。

代表銘柄

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花の井

蔵の看板銘柄です。酒米の山田錦を磨いた大吟醸、五年古酒の純米大吟醸、原酒の純米吟醸、茨城県産酒米を55%まで磨いた特別純米酒の桜川、辛口で食事に合わせやすい純米酒などが並びます。鳥獣戯画のラベルの熟成シリーズは、1年以上寝かせたお燗向けの食中酒です。純米酒は2017年のKura Masterで純米部門のプラチナ賞を受けました。

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見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵の入口脇にある蔵元直販の売店で、登録有形文化財の蔵を活用しています。蔵の全商品を試飲でき、蔵でしか買えないコラボ商品や季節限定品もあります。
補足
蔵見学は事前予約制で所要約30分です。予約がなくても受けられる場合があります。仕込みの時期の11月から3月は断られることがあります。土日祝日に訪ねるときは電話で確認すると安心です。脇蔵と米蔵のギャラリーでは、真壁のひなまつりの時期の展示や、5月の「屋根より低い鯉のぼり」などが催されます。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
茨城県桜川市真壁町田6-1
創業
1782年
公式サイト
hananoi.jp

出典

ibarakiguide.jp / hananoi.jp / wikipedia.org / pref.ibaraki.jp / kankou-sakuragawa.jp / sakemeguri.com / readyfor.jp / bunka.nii.ac.jp / ja.wikipedia.org / sakagura-press.com / blog81.fc2.com / ibaraki08.com / jidp.or.jp

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