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吉岡酒造場

代表銘柄:吉野山

京都府

KYOTO

1789年創業

吉岡酒造場の建物
吉岡酒造場の建物(2022年撮影)「Yoshioka Shuzojo 2022-12 ac (1).jpg」 — 写真:Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

京都府京丹後市弥栄町に所在する吉岡酒造場は、江戸時代の寛政元年(1789年)に創業した酒蔵です。代表銘柄「吉野山」は、熊野山系の南東にかつてあった吉野山の名にちなんで名付けられました。

使う米はほとんどが地元・丹後産で、仕込み水には蔵の裏手にそびえる金剛童子山の伏流水(やや硬水)を使用しています。自動圧搾機を使わず、全量の搾りを「木槽(きぶね)」という古い道具を用いて行う「全量槽しぼり」を徹底している点が大きな特徴で、袋詰めから積み重ねまで蔵人の手作業です。1,000kg前後の小仕込みで、2002年からは8代目蔵元の吉岡直昭氏が杜氏を務め、今はいなくなった丹後杜氏の造りと味を残すことを目指しています。

日本酒度は+3〜+6で、硬水で仕込むため辛口で、その中にほんのり甘みが感じられ、ずっしりとした日本酒らしい味わいです。海の幸をはじめとする食事に合う食中酒として親しまれています。

吉岡酒造場の歩み

吉岡酒造場は、日本海に面した丹後半島のほぼ中央、現在の京丹後市弥栄町溝谷にある酒蔵です。寛政元年(1789年)に初代の吉岡直七が酒造りの免許を取得して創業しました。丹後半島には三つの山系があり、蔵の裏手にそびえる金剛童子山(613.4m)は、その一つ熊野山系の主峰です。役行者が修行したと伝えられ、細川ガラシャが隠棲した旧竹野郡で最も高い山でもあります。

銘柄の「吉野山」は、熊野山系の南東にかつてあった吉野山の名にちなんでいます。蔵の敷地には清らかな小川が流れ込んでおり、昔は水車で精米していたなごりかと考えられています。夏には河鹿が鳴き、秋には柿が実る、江戸時代のなごりを留めた酒蔵です。

平成14年(2002年)、長く酒造りを担ってきた杜氏が病で引退したことをきっかけに、現在の8代目・吉岡直昭さんが杜氏として造りを担うことになりました。吉岡さんは幼いころから蔵の敷地を遊び場にして育ち、蔵人になってからは、ずっと蔵に来てくれている先輩の蔵人に教わりながら、杜氏として満足のいく仕事ができるようになりました。

この地域は丹後随一の米どころで、昔は酒蔵がたくさんあり、それぞれに個性豊かな酒を造っていました。現在の京丹後市に酒蔵は数軒が残り、吉岡酒造場はその一つです。丹後の杜氏の組合である丹後杜氏は明治41年に結成され、平成17年に消滅しました。2022年時点で吉岡さんは、新しいものが悪いとは思わないが味を変えないことに重きを置いて造っており、今はいなくなってしまった丹後杜氏の造りと味を残したいと語っています。目指すのは、杜氏が受け継いできた、ずっしりとした日本酒らしい味を目指しています。

令和3年(2021年)3月には、蔵のオンラインショップを開設しました。

酒造りの特徴

仕込み水は、蔵に引いている金剛童子山の伏流水です。やや硬水ながら甘みがあってやわらかい水で、使う米はほとんどが地元・丹後産です。吉岡さんは、この硬水で仕込むと酒は辛口になるものの、水自体は甘く感じると語っています。銘柄によって山田錦、祝、五百万石、京の輝きなどを使い分けています。

造りの体制は、蔵元の家族と地元の蔵人二人だけの小さな蔵です。早生米は使わず、厳しい丹後の冬が本格化して酒造りに適した環境が整う年明けから、自分たちの目が十分に行き届く量だけを仕込みます。仕込みは1,000kg前後の小仕込みです。洗米して浸漬した米は甑で蒸し上げ、温度管理を大切にしながら発酵させます。昔は積もった雪で冷やしていたものです。

蔵のこだわりは、全量を槽(ふね)でしぼる槽しぼりです。出来上がった醪を酒袋に詰め、槽という木枠に積み重ねて、上からゆっくり圧力をかけて酒をしぼります。袋詰めから積み重ねまで、すべて蔵人の手作業です。現代の主流である、縦型のヤブタに入れて機械で圧力をかけてしぼりきる方法と違い、蔵は、強い圧力をかけないため雑味がなく上質な味わいの酒がとれると説明しています。しぼった後の酒粕にも旨みが残り、粕汁や甘酒に向いています。

味わいについては、吉岡さんは辛口の中にほんのり甘みが感じられるのが個性だと話します。銘柄ごとの日本酒度は+3から+6、アルコール度数は15度台から17度台です。弥栄町は間人や浅茂川などの漁港に近く、蔵は超特撰 大吟醸に白身の刺身や蟹などの海の幸を合わせるよう勧めています。冷酒から熱燗まで、銘柄ごとにおすすめの温度帯が示されています。

代表銘柄

吉野山

蔵の銘柄が吉野山で、公式ショップには超特撰 大吟醸、大吟醸、特別純米酒、上撰、丹後の5品が並びます。超特撰 大吟醸は山田錦100%、精米歩合50%で、吟醸香は控えめ、旨みを大切にした酒です。特別純米酒は京都府産の五百万石と京の輝きを使い、精米歩合は60%です。上撰は産土神の祭りの献酒にも使われる地元の定番酒、丹後は地元で燗酒として愛飲される普段着の酒です。

見学・購入

直売所
蔵元(京丹後市弥栄町溝谷1139)で購入できるほか、公式のオンラインショップでも販売しています。2019年時点では、弥栄町内の酒店や道の駅てんきてんき丹後、アミティ丹後でも販売されていました。
補足
小仕込みのため、他府県ではあまり見かけることのない京丹後の地酒です。定休日は不定休ですので、訪問の前に電話(0772-65-2020)で確認すると安心です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
京都府京丹後市弥栄町溝谷1139
創業
1789年
公式サイト
yoshinoyama-tango.com

出典

sakura.ne.jp / kyotango.gr.jp / uminokyoto.jp / note.com / kyoto-kankou.or.jp / tango-kingdom-onlineshop.com / wikipedia.org / yoshinoyama-tango.com / web.archive.org / tango-kingdom.com / saketime.jp

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