瀬戸酒造店
代表銘柄:セトイチ・あしがり郷・酒田錦
神奈川県
KANAGAWA
1865年創業
慶応元年(1865年)に神奈川県開成町で創業した酒蔵です。地元で長年愛されていましたが、1980年に自家醸造を一時中断。開成町の豊かな自然や地域活性化への想いから2018年に施設を一新し、醸造を再開しました。
酒造りでは「全量小仕込み」での丁寧な造りを徹底し、仕込み水には、丹沢の伏流水と富士山の水が混ざる地下約80mの深層地下水を使用しています。蒸米には和釜の蒸気理論に基づく甑(こしき)を用い、醸造再開当初から箱麹法による製麹もこだわりの手法に掲げてきました。代表銘柄には「セトイチ」「あしがり郷」「酒田錦」があります。
醸造再開直後の2019年にはフランスの「Kura Master」や「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」で複数受賞を果たすなど国内外で高い評価を得ています。敷地内には直売所や庭園を眺めながら試飲が楽しめるスペースも併設されています。
瀬戸酒造店の歩み
瀬戸酒造店は、慶応元年(1865年)に創業した足柄平野の酒蔵で、現在の所在地は神奈川県開成町です。一帯はかつて酒米づくりが盛んだったことから酒田村と呼ばれ、蔵は代表銘柄だった『酒田錦』などで人気を集め、最盛期には600石(約10万リットル)を醸造していました。
しかし、杜氏をはじめとする蔵人の確保が難しくなったため、1980年から自家醸造を中断しました。それから38年を経た2018年、開成町の水のおいしさを伝えたい、酒蔵を町の活力にしたいという思いから醸造を再開しています。古い蔵は解体し、新しい蔵を建てる、ゼロからの再出発でした。
再開時の杜氏は小林幸雄氏で、2017年の夏から準備に関わりました。蔵は新たな酒造りの軸を「伝統」「革新」「開成町らしさ」の三つに定め、伝統を象徴する復刻銘柄として『酒田錦』、革新を担うシリーズとして『セトイチ』、開成町らしさを表す銘柄として『あしがり郷』を打ち出しました。現在は代表の森隆信氏のもと、「酔狂」を合い言葉に挑戦を続けています。
目標に掲げるのは、日本酒をワインと同じステージに上げることです。そのために世界各地のコンテストに挑むほか、2023年と2024年にはフランスを訪ね、現地のトップシェフたちの料理と瀬戸酒造店の日本酒を合わせるマリアージュの旅を行いました。コンテストの入賞実績をもとに酒蔵を格付けする世界酒蔵ランキングでは、蔵の発表によると2024年に8位、2025年に9位(5つ星)となり、2年連続でトップ10入りしています。
受賞は国内外で数多くあり、蔵は市販する酒しか出品しない方針です。東京国税局酒類鑑評会では、酒田錦が令和2・4・5・7年度に清酒燗酒部門で優等賞に選ばれ、セトイチ『ぴいひゃら』が令和3年度と4年度に清酒純米燗酒部門、令和7年度にはセトイチ『Setoichi ※Omachi』が清酒純米吟醸部門、『月が綺麗ですね』が清酒純米燗酒部門で優等賞となっています。
蔵の発表では、パリの「Kura Master」で2019年から2025年まで毎年ゴールド賞以上を受賞し、うち2019年、2020年、2021年、2024年、2025年にプラチナ賞を得ており、2020年には雄町部門で審査員賞も受けています。「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」のSAKE部門でも2019年から2025年まで毎年メダルを獲得し、2021年と2024年に純米吟醸酒部門でゴールドメダルを受けました。
2025年には『セトイチ かくかくしかじか』が、神奈川県の純米吟醸酒を対象とするトロフィー(Kanagawa Junmai Ginjo Trophy)を受けています。このほか、全国燗酒コンテストでは2021年と2023年にセトイチ『風が吹いたら』が最高金賞、ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは2024年にプレミアム大吟醸部門とプレミアム純米部門で最高金賞を受賞したとしています。
酒造りの特徴
瀬戸酒造店は、静岡県から神奈川県西部へ流れる酒匂川の流域でも最も西側に位置する酒蔵です。この土地の水には、中硬水の丹沢の伏流水と、軟水の富士山の水が混ざっています。仕込みには、地下約80メートルから汲み上げる深層地下水を使っています。
仕込みは全量小仕込みで行い、2026年時点では4種の米と10種の酵母を使い分けて22種の酒を醸造しています。『酒田錦』では足柄平野の米を使います。蔵は、地元農家と協力して酒米の栽培を進めることが、昔から変わらない田園風景を守ることにつながると考えています。
工程では、洗米を3人一組で時間を管理しながら進めます。蒸米は、和釜を用いる昔ながらの蒸米方法を再現した最新式の甑で行います。麹づくりでは杜氏が蔵に泊まり込み、3日にわたって3時間おきに手入れをします。醸造再開後の2020年ごろには、箱麹法による丁寧な製麹を酒造りのこだわりの一つに掲げていました。もろみは酒母に水、蒸米、麹を3回に分けて加えて仕込み、サーマルタンクを導入して杜氏が1度単位で温度を調整しています。
酵母にも特色があります。『酒田錦』には、古い蔵に住み着いていた蔵付き酵母を受け継いで使います。『あしがり郷』には、開成町の町花であるあじさいの花から採取した酵母を使い、森代表は、あじさいの花酵母で日本酒を醸造しているのは日本でここだけだと思うと話し、この酵母を使った酒は一度の試作で完成したと説明しています。
代表銘柄
[PR] 本セクションは楽天アフィリエイトのリンクを含みます。画像は銘柄に関連する販売商品の一例です。
セトイチ
蔵の革新を担うシリーズです。「誰と、いつ、どんな肴で飲みたい酒か」を思い描き、さまざまな酵母と醸造技術を組み合わせて、味わいの異なる銘柄を全量小仕込みで造り分けています。「はるばる」「かくかくしかじか」「風が吹いたら」など個性的な名前の銘柄が並び、それぞれの個性を表現したラベルも魅力で、国内外の品評会での受賞も数多くあります。
楽天で商品を見るあしがり郷
開成町の町花であるあじさいの花から採取した酵母で醸す、この町ならではの日本酒です。田園や広い空、箱根連山を望む開成町の季節風景をイメージし、白ワインのような爽やかな酸味と綺麗な味わいに仕上げています。「月の歌」「風の道」「零号∞」などの銘柄があり、蔵は2023年にフランスで「零号∞」を現地の料理と合わせました。
酒田錦
幕末から続く瀬戸酒造店の代表銘柄を、伝統の象徴として復刻した酒です。足柄平野の米と、古い蔵に住み着いていた蔵付き酵母を使い、普段の食事に合わせる食中酒として造られています。純米と本醸造があり、2021年にはワイングラスでおいしい日本酒アワードで金賞も受けました。東京国税局酒類鑑評会の清酒燗酒部門で優等賞に選ばれるなど、燗酒としての評価も得ています。
見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 敷地内に直売所があり、営業は木曜から日曜と祝日の10時から18時です。庭園や蔵の前の広場、花畑を「Sake Terrace」として開放し、日本酒を味わうことができます。
- 補足
- 蔵見学は2024年10月にリニューアルして再開しており、体験予約サイト「Otonami」から申し込みます。醸造所の見学と日本酒3種の飲み比べ、酒粕や麹を使った発酵料理がつく約180分のプランです。Sake Terraceは入場無料ですが予約による占用はできず、キッチンカー「Sake Bar」は土日の不定期営業です。最寄りは小田急の開成駅・新松田駅で、いずれも徒歩約40分、新松田駅からはバスも利用できます。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 神奈川県足柄上郡開成町金井島17
- 創業
- 1865年
出典
japansake.or.jp / sakedata.jp / ashigarigo.com / thebase.in / otonami.jp / sakenomy.jp / kanagawa-kankou.or.jp / kanagawa-sake-tourism.com / setosyuzo.ashigarigo.com / nta.go.jp
本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。