久保田酒造
代表銘柄:相模灘
神奈川県
KANAGAWA
1844年創業
創業1844年(弘化元年)、神奈川県相模原市緑区に位置する酒蔵です。丹沢山系の清冽な湧水を仕込み水とし、代表銘柄「相模灘」を醸しています。
酒造りでは「米の旨味を生かしたバランスの良い食中酒」を目指し、基本に忠実な吟醸造りをベースに据えています。穏やかな含み香と米本来の旨味、透明感のある味わいを追求しており、冷酒から燗酒まで幅広い温度帯で料理と一緒に楽しめるのが特徴です。また、生み出された自然な姿を味わえるよう「無濾過瓶囲い」を採用しています。
創業当初からの木造蔵を使用し、10月から3月にかけて冷涼な地元の気候を活かした昔ながらの「寒造り」で丁寧に仕込みを行っています。伝統的な酒造りを守りながら、高い次元での美味しさを追求し続けています。
久保田酒造の歩み
久保田酒造は、1844年(弘化元年)創業の酒蔵で、現在の相模原市緑区根小屋で酒を醸しています。2024年には創業180年、会社設立から100年を迎えました。江戸時代から続く蔵元で、丹沢山系の湧水を用いて日本酒「相模灘」を醸しています。蔵があるのは相模原市の中心部から約10キロメートル山奥に入った、相模川の支流沿いです。蔵の周囲には創業当初と変わらない自然が残り、春は筍や山菜に恵まれ、夏には蛍が飛び交います。映画の撮影地としても使われてきました。
蔵は創業当初の木造の蔵を使っており、貯蔵蔵も創業当時から同じ場所にあって、補修しながら使い続けています。貯蔵蔵のタンクは昭和初期から使われている琺瑯タンクで、柱には防腐のために柿渋が塗られています。蔵に併設された母屋は築160年の古民家で、江戸時代からの姿のまま佇んでいます。久保田家の住居でありながら、その一区画が直売所になっています。部屋数が多いため、撮影や会議、お茶会などに貸し出す古民家レンタルも行っています。
代表取締役社長は久保田徹氏です。年間の生産量は300石ほどの小さな蔵で、洗米から製麹、酛立て、仕込み、搾り、瓶詰、販売まで、蔵人が幅広い作業を受け持っています。酒造りは10月から3月までの寒造りで、蔵人は10月から3月の季節雇用で募集しており、パートやアルバイトも募集しています。
地元との結びつきも、この蔵の大きな特徴です。津久井在来大豆の会の代表が「津久井で収穫された米を使って、津久井の酒造で仕込んだ日本酒が飲めたらどんなに素晴らしいだろう」と考えて蔵に打診したことから、相模原産の酒米を使う取り組みが始まりました。2020年に緑区の農家の水田で山田錦の栽培を始め、2022年に初めての純相模原産の「相模灘 相模原×山田錦」が720ミリリットル瓶で1,000本誕生しました。精米歩合60パーセントの純米酒でした。
その後も造り続けられ、2026年5月22日には、相模原市緑区で栽培した山田錦を65パーセントまで磨いた純米酒が発売されました。相模女子大学の構内で収穫した梅を使う梅酒「翠想」の仕込みにも協力しています。また2025年から、相模原市出身のメンバーがいるバンド[Alexandros]が主催する野外音楽フェスとのコラボレーション酒を造っており、2026年の限定ラベルは精米歩合55パーセントの純米吟醸です。
全国新酒鑑評会では、平成15酒造年度に「相模灘」が入賞しています。平成27年以降の東京国税局酒類鑑評会では、清酒純米燗酒部門で平成30年、令和元年、令和7年に、銘柄「相模灘」が優等賞に選ばれています。2026年9月13日には、母屋を会場に八王子車人形の公演と地酒を楽しむ宴が催される予定で、申し込みは開催前に満席となりました。
酒造りの特徴
相模灘の酒造りは、基本に忠実な吟醸造りをベースにしています。吟醸香は穏やかに香る程度の自然なもので、あくまで「米の旨味を生かしたバランスの良い食中酒」を目指して仕込んでいます。蔵は関東の中では山間部にあり、比較的冷涼です。最盛期の12月から2月は例年氷点下まで冷え込み、吟醸造りに欠かせない低温長期発酵を促します。蔵の南側に茂る森が直射日光から蔵を守るため、昼夜の気温変化が安定していることも特徴です。仕込み水は、蔵の裏山から湧き出る丹沢山系の湧水で、適度なミネラル分を含む中硬水です。
原料米は、長野産の美山錦を中心に、岡山産の雄町、兵庫産の山田錦の3種類の酒造好適米を使います。美山錦はやや硬めの米質で、上品で口あたりの優しい酒になり、雄町は軟らかい米質でよく溶けて味にふくらみが出ます。山田錦は両者の中間のような米質で、しっかりした旨味と切れの良さを併せ持ちます。平成21年度の仕込みでは精米歩合が平均53パーセントで、吟醸仕込みの比率は年々高まっていました。米を磨くのは淡麗にするためではなく、米の旨味を十分に引き出しても雑味が出ないようにするためだと位置づけています。
洗米から浸漬、蒸米までの原料処理は、酒造りで最も重要な工程と位置づけ、すべての仕込みで大吟醸と同じレベルの処理を行っています。麹は完全手造りの箱麹法で、厳密に温度管理して造ります。雑味を抑えた突きハゼ麹を目指しつつ、通常よりかなり長めに製麹時間をとり、旨味のしっかり乗った麹に仕上げます。酵母は、純米吟醸、特別純米、辛口、特別本醸造などの定番酒ではオーソドックスな9号酵母を使い、純米大吟醸は18号酵母で醸します。
もろみは吟醸造りの定法どおり低温長期発酵で、約30日の日数を経て、最も好ましい香味バランスに達した時点で上槽します。純米大吟醸は、兵庫産山田錦を35パーセントまで磨き、上槽時にはバランスの良い中取りの部分だけを瓶詰めします。出荷までは氷点下5度の氷温冷蔵庫でじっくり熟成させます。酒は生まれたままの自然な姿を楽しめるよう、無濾過の瓶囲いで提供されます。生酒は冷蔵保管が必要ですが、火入れの酒は冷暗所での保管でも問題のない耐久性があります。冷酒から燗酒まで幅広い温度帯で楽しめます。
代表銘柄
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相模灘
相模灘は、丹沢山系の湧水と美山錦、雄町、山田錦を使い、米の旨味を生かしたバランスの良い食中酒を目指す久保田酒造の銘柄です。香りは穏やかで、含み香に自然な吟醸香が漂い、旨味と透明感が共存します。定番は純米大吟醸、純米吟醸の美山錦・雄町・山田錦、特別純米、辛口、特別本醸造で、冬には無濾過生酒も出ます。冷酒から燗酒まで幅広い温度帯で楽しめます。
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- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 母屋にある直売所です。年中無休で、営業時間は10:00から17:00までです。支払いは現金のみです。蔵元オリジナルのジェラートも販売しています。
- 補足
- 見学は事前予約制で、1日2回(10:40から、14:40から)、蔵内と試飲で合計1時間ほどです。費用は1人1,000円(20歳未満は無料)で、2名から30名ほどまで受け付けています。酒造りに専念する2026年10月から2027年3月は見学を中止します。夏は酒造りをしていませんが、蔵内を案内してもらえます。見学当日は納豆を控えてください。橋本駅北口からバス(橋07系統)で約30分、無料庵下車徒歩1分です。バスは本数がとても少ないため、時間は事前に確認してください。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 神奈川県相模原市緑区根小屋702
- 創業
- 1844年
- 公式サイト
- www.tsukui.ne.jp
出典
tsukui.ne.jp / pref.kanagawa.jp / sakenomy.jp / kanagawa-jizake.or.jp / ssz.or.jp / nta.go.jp / townnews.co.jp / sagamihara-journey.com / ja.wikipedia.org
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