SAKE BREWERY — KANAGAWA

大矢孝酒造

神奈川県愛甲郡愛川町田代521 1830年創業

紹介

神奈川県愛甲郡愛川町に位置し、1830年(文政13年)に創業した歴史ある酒蔵です。丹沢水系の伏流水を仕込み水に使用し、醸造アルコールを添加しない「全量純米蔵」として酒造りを行っています。

代表銘柄には、天然の乳酸菌を活用する昔ながらの「生酛(きもと)仕込み」でふくよかな味わいが特徴の「昇龍蓬莱」、速醸仕込みで新酒や低アルコールなど多様な味わいを提案する「残草蓬莱」、北海道の生産者が育てる米を用いて醸す「俊也」などがあります。主に7号酵母を使用し、食事と共に日常的に楽しめるお酒を目指しています。

現在は8代目蔵元の大矢俊介氏が酒造りを牽引しており、第93回南部杜氏自醸清酒鑑評会では「残草蓬莱 純米大吟醸」が最高位である首席に選出されるなど、高い評価を受けています。

歴史

大矢孝酒造の家系は戦国時代にまで遡ります。永禄十二年(1569年)、甲斐の武田信玄と小田原の北条氏康が、現在の蔵の所在地である愛川町一帯で激突した「三増峠の戦い」において、大矢家の初代は北条方の騎馬隊長を務めていました。合戦後、初代は武士の身分を離れてこの地に土着し、以後何代にもわたって名主を務める家柄となりました。

酒造業への転身は、現在の大磯町にあたる地域の醸造家から酒造株を譲り受けたことがきっかけとされています。こうして文政十三年(西暦1830年)に大矢孝酒造は創業しました。初代が家の繁栄を願って家の周りに植えたと伝わる欅が、樹齢400年を超えて今も蔵を見守っています。

現在の8代目蔵元・大矢俊介氏(昭和51年生まれ)は、平成12年(2000年)に蔵へ戻りました。当時の製造比率は普通酒が65%を占め、本醸造酒25%、大吟醸・吟醸酒5%、純米酒はわずか5%にすぎませんでした。しかし地元の酒販店や飲食店の減少とパック酒の普及により普通酒の売上が急減し、大矢氏は「替えようとしたのではなく替わっちゃったんです」と振り返るように、蔵は市場の変化に応じて舵を切っていきました。平成21年(2009年)の造りから全量を純米酒に切り替えました。

平成17年(2005年)に埼玉の蔵元「神亀」の燗酒と出会ったことも、大矢氏の酒造りへの姿勢を大きく変える転機になったといいます。平成23年(2011年)には、天然の乳酸菌を培養して酒母を育てる昔ながらの生酛造りに挑戦し、新ブランド「昇龍蓬莱」を立ち上げました。生酛の実現にあたっては蔵内の設備を更新し、オゾン水による洗浄なども取り入れています。翌2012年4月、看板銘柄「残草蓬莱」(純米酒)が第93回南部杜氏自醸清酒鑑評会の純米酒の部で最高位にあたる首席に選ばれ、5月25日に岩手県花巻市で表彰されました。初出品での受賞という快挙で、蔵の名を広く知らしめる出来事となりました。

酒造り

仕込み水には、蔵内の井戸から汲み上げる丹沢水系の伏流水を用いています。この地域の伏流水は、豊富な湧水量ときれいな水質で古くから知られています。使用米は徳島県産山田錦、長野県産美山錦、山形県美山錦の3種類を主に用いています。年に3回ほど圃場に出向き、生育状況を地元のJAや全農と話し合っています。このほか、無農薬無化学肥料で栽培された岡山県産雄町を用いた酒も手がけています。

酵母は泡なし7号酵母をほぼ一種類のみ使用する方針を貫いています。その一方で、蒸米の水分量や種麹の菌量を仕込みごとに変え、麹の育成温度を0.5度単位で細かく管理することで、同じ酵母を用いながらも、華やかで軽快なタイプから円熟して深みのあるタイプまで幅広い酒質を生み出しています。

仕込みの手法は銘柄によって明確に使い分けられています。「昇龍蓬莱」は天然の乳酸菌を手作業で培養して酒母を育てる生酛造りで醸し、熟成させたのちにリリースする銘柄です。一方「残草蓬莱」は一般的な速醸酛で仕込み、新酒として若いうちにリリースする銘柄で、白麹仕込みや低アルコール、スパークリングなど現代の多様な嗜好に応じたバラエティに富んだ商品を展開しています。製造規模は年間200〜300石で、平均年齢30代の若い蔵人たちがチームで酒造りにあたっています。

蔵データ

所在地

神奈川県愛甲郡愛川町田代521

創業

1830年(神奈川県)

公式サイト

oyatakashi-shuzo.com

代表銘柄

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昇龍蓬莱:天然の乳酸菌を手作業で培養する生酛造りで醸す銘柄です。平成23年(2011年)、蔵の設備を更新し生酛に挑戦する形で立ち上げられました。名前は蔵元が辰年生まれで酒造りの世界に入ったのも辰年だったことにちなみ、龍にあやかった「威勢の良い酒」の意味が込められています。冷や・常温でも楽しめますが、お燗をつけるといっそうふくよかで複雑な味わいが引き立ちます。

残草蓬莱:速醸酛で仕込み、新酒として若いうちにリリースする、大矢孝酒造の中核を担う銘柄です。さわやかで軽快な飲み口が特徴で、白麹仕込みや低アルコール、スパークリングなど現代の多様な嗜好に応じたバラエティに富んだ商品を展開しています。2012年4月には残草蓬莱(純米酒)が第93回南部杜氏自醸清酒鑑評会の純米酒の部で最高位の首席に選ばれ、高い評価を受けました。

見学・購入

蔵見学

なし

補足

公式サイトによると、蔵見学は通常「蔵見学予約フォーム」からの前々日までの事前予約制(当日の予約は対応できない場合あり)で、開催日は毎週火・木・土曜の14時と15時30分の2回(所要約40分、料金1,000円、20歳未満は無料)。ただし2026年8月時点では蔵見学を中止しており、毎年10〜3月の酒造り期間中も見学は実施していません。見学時には試飲後、気に入った酒をその場で購入でき全国配送も可能とされています。所在地は神奈川県愛甲郡愛川町田代521です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

kanagawa-jizake.or.jp / pref.kanagawa.jp / oyatakashi-shuzo.com / sakemoto.org / actnow.jp / tajima-ya.com / town.aikawa.kanagawa.jp / jizake.com / sakestreet.com / goo-bit.com / townnews.co.jp

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