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北善商店

代表銘柄:聖乃御代

福井県

FUKUI

1716年創業

北善商店の建物
北善商店の建物(2022年撮影)「Kitazen Shop ac (2).jpg」 — 写真:Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

福井県南越前町の旧北陸街道・今庄宿に位置する北善商店は、江戸時代の享保元年(1716年)に初代・北村善六が創業した歴史ある酒蔵です。代表銘柄には、京都の高僧から授かった名を持つ「聖乃御代(ひじりのみよ)」や、初代の名を冠した「善六」などがあります。

仕込み水には、今庄の周囲の山々の湧水が珪石岩盤層を潜り抜けた、県内随一とされる天然の軟水を使用しています。酒米には主に地元・福井県産の「五百万石」などを厳選。2024年時点では、10代目の北村啓泰氏が蔵元杜氏として酒造りを1人で担い、丁寧な手造りで醸しています。

すっきりと飲み飽きない味わいを目指しており、地元の食に合う酒造りを追求しています。伝統的建造物に指定された江戸時代からの面影を残す酒蔵で酒造りを続ける一方、今庄特産の「つるし柿」を使ったリキュール開発や酒蔵見学の実施など、地域に根ざした取り組みを行っています。

北善商店の歩み

北善商店は、福井県南越前町の今庄宿で享保元年(1716年)に創業した酒蔵です。初代の北村善六の名前をそのままブランド名としており、現在の蔵の名乗りにも「善六」が使われています。今庄宿は平安時代から交通の要所で、創業のころには北国街道の大宿場町として旅人や商人が行き交い、人々は通い徳利を持って酒を買い求めたといいます。

今庄宿は京と越前を結ぶ街道の宿場で、大伴家持や紫式部、西行、道元禅師らも通ったという言い伝えがあります。江戸時代の宿場には旅籠が55軒、茶屋が15軒並ぶほどの賑わいだったと伝えられています。蔵がある通りには今も往時の家並みが残り、近年は街道の風情を味わうツーリングや観光バスの客でも賑わっています。

享保15年(1730年)からは、北村善六家が福井藩の御札場を務めました。福井藩は寛文元年(1661年)に幕府から藩札の発行を認められており、藩内では藩札の使用が強制されたため、藩の南端の大宿場町だった今庄に、金銀と藩札を両替する御札場が置かれました。今庄宿では北村大平家、北村新平家、西尾茂左衛門家が順に務め、そのあとを北村善六家が引き継いだとされます。

会社としての株式会社北善商店は、昭和29年(1954年)9月6日の設立です。2024年時点の当主は10代目の北村啓泰さんで、サラリーマンとしてアルコール業界を経験したのち福井に戻り、酒造りを一から身につけました。2024年時点では、蔵元自身が杜氏を兼ねるオーナー杜氏として、酒造りを1人で担っています。「地酒は風土が醸しだす」を信条に、土地の材料で飲みやすく飽きない酒を、地元の肴に合わせて造ることを目指しています。

酒造りの特徴

仕込み水は、今庄の山々から湧き出る水です。福井県有数の豪雪地帯の山のけい石岩盤層をくぐり抜けた、県内随一の軟水とされ、純水に近く、吟醸酒に向く水です。蔵は雪がしんしんと降り積もる中で、手造りで一滴ずつ丁寧に醸す造りを続けています。

酒米は、この地で生産される米を厳選して使うのが蔵の方針です。2024年時点では、酒造りに適した福井県産の五百万石を使っています。吟吹雪も使い、蔵の販売ページには「純米吟醸 吟吹雪」が並びます。商品は20種類以上あり、長期低温熟成の大吟醸「聖乃御代」を筆頭に、純米吟醸、吟醸酒原酒、吟醸酒、純米酒、にごり酒、一番蔵出しの無濾過酒を揃えます。今庄特産のつるし柿を使ったリキュールも造り、地元ならではの味わいを加えています。

純米酒「北陸街道今庄宿」は、北陸流の低温発酵で時間をかけて仕込む酒で、少し酸味の利いた辛口で後味がすっきりしています。夏は冷やして、冬はお燗にして楽しめ、魚料理との相性がよい酒です。蔵ではこのほか、他社の酒米や果汁を持ち込んで造るオリジナルの日本酒やリキュール、蔵の酒を原料にしたプライベートブランドにも対応しています。

代表銘柄

聖乃御代

聖乃御代(ひじりのみよ)は北善商店の代表銘柄で、京都の高僧から授かった名です。清らかな水の里から世の中の平和を祈る意味が込められ、享保という年号が「享茲大命、保有万国」から取られた由来とも重なります。長期低温熟成の大吟醸が看板で、長熟成大吟醸酒は山田錦を50パーセントまで磨き、酵母は9号を使います。蔵の発表では、平成6年に金沢国税局の鑑評会で金賞を受けた酒を、地下貯蔵庫で30年間瓶貯蔵した熟成酒です。返礼品の純米大吟醸は、山田錦と自社林から湧き出た仕込み水で、低温長期発酵させた淡麗辛口です。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵の販売所で酒を購入できます。試飲は販売所や蔵の脇の庭のテーブルで楽しめ、庭には桜が植えられています(2024年時点)。
補足
酒蔵見学は事前予約制で、料金は1人500円、所要時間は30〜50分です。今庄宿と酒蔵の歴史、蔵内、日本酒の解説があり、善六の酒のお土産(350円相当)が付きます。車を運転しない方やバスツアーの客には利き酒もあります。蔵の建物には行政指定の伝統的建造物のプレートが掲げられ、煤で黒くなった天井など江戸時代からの面影を見られます。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
福井県南条郡南越前町今庄81-3
創業
1716年
公式サイト
www.zen-roku1716.com

出典

tabaki.jp / zen-roku1716.com / minamiechizen.com / sakeworld.jp / compalyze.co.jp / zen-roku.com / kotobank.jp / joho-ichiban.com

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