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金鳳酒造

代表銘柄:金鳳・へるん

島根県

SHIMANE

1869年創業

島根県安来市に位置する金鳳酒造有限会社は、1869年(明治2年)に初代・山本喜三衛門が酒造座を購入して創業した酒蔵です。創業当初は「しら鹿」や「緑山」といった酒銘でしたが、宇治平等院の鳳凰にちなんで代表銘柄となる「金鳳」へ改称されました。地元では「山は大山、お酒はキンポー」のキャッチフレーズで長年愛されています。

同蔵の酒は旨みが際立っているのが特徴で、米の旨みを活かしつつ、すっきりとした後味を目指した酒造りを行っています。代表銘柄「金鳳」のほか、島根にゆかりのある小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)にちなんだ銘柄「へるん」なども手掛けています。

受賞歴としては、1937年(昭和12年)の全国清酒鑑評会で全国第1位を獲得した歴史を持ちます。近年においても「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2026」のメイン部門で純米酒が金賞を受賞したほか、「全国燗酒コンテスト2024」で金賞を受賞するなどの実績があります。

金鳳酒造の歩み

金鳳酒造は、現在の安来市清井町にあたる地で1869年(明治2年)に創業した酒蔵です。初代の山本喜三衛門が、菅井屋という酒造座を購入して酒造りを始めました。当時は現在のような免許制ではなく、酒造座として許可を得て酒を造る時代でした。蔵のある一帯は、冬にコハクチョウが飛来する田園地帯です。代表の山本剛士さんは、元は百姓だった初代が余剰米を活用して酒造りを始めたのではないかと考えています。

創業当時の酒銘は「緑山」や「しら鹿」でしたが、三代目の山本嘉四郎が宇治の平等院に感銘を受け、鳳凰にちなんだ「金鳳」の名を付けました。鳳は雄、凰は雌を指す縁起のよい鳥で、酒が多くの人に幸せをもたらすようにという願いが込められています。

昭和12年(1937年)には全国清酒鑑評会で全国第一位を獲得しました。当時は灘から宮水を樽に詰めて貨車で取り寄せるなど、よりよい酒を求めて工夫を重ねていました。昭和26年(1951年)には五代目の山本士郎が会社組織とし、昭和40年頃には「山は大山、お酒は金鳳」のキャッチフレーズとコマーシャルソングを決めてテレビコマーシャルを始めました。現在も地元では「山は大山、お酒はキンポー」の言葉で親しまれています。

平成2年(1990年)には、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の来日100年を記念して「へるん」を発売しました。名前はハーンをローマ字読みしたものです。平成11年(1999年)には焼酎「たたら」を、平成19年(2007年)には松江開府400年を記念した純米吟醸「松江城」を発売しています。

全国新酒鑑評会では、平成17酒造年度と平成18酒造年度に「金鳳」で入賞しています。ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは、令和3年(2021年)に純米酒がメイン部門で最高金賞を受賞しました。令和4年(2022年)から令和7年(2025年)までは毎年金賞に選ばれており、令和4年は大吟醸(プレミアム大吟醸部門)と純米吟醸(プレミアム純米部門)、令和5年は純米酒(メイン部門)、令和6年と令和7年は大吟醸(プレミアム大吟醸部門)が対象です。

令和8年(2026年)はメイン部門1500で純米酒が、生酒部門で純米吟醸無濾過生原酒「Pure Heart」が金賞に入り、メイン部門2000では純米吟醸が推奨を受けました。同年の第4回美酒コンクール宮城大会では、「Pure Heart」がフルーティー部門、「Pure Soul」がリッチ&ウマミ部門で金賞に選ばれています。全国燗酒コンテストでは、令和元年(2019年)・令和4年(2022年)・令和6年(2024年)・令和7年(2025年)に金賞を受賞しています。

部門は、令和元年がお値打ちぬる燗(純米酒)、令和4年がお値打ち熱燗(上撰)、令和6年がお値打ち熱燗(上撰)とプレミアム熱燗(純米酒)、令和7年がお値打ちぬる燗(本醸造)です。

酒造りの特徴

仕込みに使う水は、酒造りに向いた軟水です。蔵では、軟水が穏やかな発酵を促し、まろやかな味わいの酒に仕上がると説明しています。酒造りに鉄分は禁物のため、鉄分を含みやすい川の水ではなく、井戸を掘って湧水を使っています。中国山地では古くからたたら製鉄が行われてきましたが、「清井」の地名のとおり、この地には良質な井戸水があります。

酒米は、新潟生まれの五百万石を中心に使っています。五百万石は寒さに強く、すっきりとした味わいが特徴です。大吟醸には兵庫県産の山田錦を用い、40%まで精米した白米で吟醸造りをします。

蔵では特定名称酒を中心に、さまざまな種類の日本酒を造っています。主力の「金鳳」は、米と米麹だけで造る純米吟醸や純米酒のほか、香りを引き立てるために少量のアルコールを添加した大吟醸や吟醸酒などをそろえています。搾りたての酒はアルコール度数が17度ほどあるものもあり、出荷の際に15度5分程度に調整するものと、加水せず原酒のまま出荷するものがあります。

大吟醸の雫酒斗瓶採りは、兵庫県産の山田錦を40%まで精米して吟醸造りをし、その酒を自然に滴下させて集め、1年以上低温で熟成させた酒です。「大吟醸たたら」は上槽後に約1年間冷蔵庫で熟成させ、原酒のまま瓶詰めしています。令和8年(2026年)4月には、純米吟醸と特別純米の無濾過生原酒「Pure Heart」「Pure Soul」を発売しました。

代表銘柄

金鳳

蔵の主力銘柄で、米の旨みがきわだち、すっきりとした後味を目指した味わいです。純米酒はリンゴを連想させるフルーティな香りと爽やかな酸味、中程度の余韻があり、ぬる燗にすると旨みが広がります。大吟醸、純米吟醸、純米酒、本醸造、上撰とそろい、山田錦を40%精米した大吟醸の雫酒斗瓶採りも造っています。

へるん

平成2年(1990年)に小泉八雲の来日100年を記念して発売した銘柄で、ご子孫の許可を得て名付けられました。純米吟醸、特別純米酒、本醸造の3種があります。純米吟醸は香りが控えめで飲み口がしっかりとしており、切れのよい味わいです。オンザロックでもぬるめの燗でも楽しめ、さまざまな料理に合う食中酒です。

見学・購入

直売所
オンラインストア(Yahoo!ショッピング)で日本酒と焼酎を販売しています。
補足
お問い合わせの受付は平日の8時15分から17時まで、土日祝日は定休日です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
島根県安来市清井町343
創業
1869年
公式サイト
www.kinpo.jp

出典

nihonshu.com / kinpo.jp / iimono-shimane.jp / saketime.jp / finesakeawards.jp / kansake.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp

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