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林酒造

代表銘柄:三谷春

広島県

HIROSHIMA

1806年創業

広島県最南端の倉橋島に位置し、江戸時代の文化3年(1806年)に創業した酒蔵です。代表銘柄「三谷春(みたにはる)」の名は、島の花崗岩質の土壌をくぐり三つの谷から湧き出る水を用いて醸造したことに由来し、江戸後期の儒学者・坂井虎山によって命名されました。ラベルの文字は頼山陽の長男である儒学者・頼聿庵が揮毫したものが現在も使われています。

酒造りは一人の杜氏が少量を手仕込みで醸しており、一升瓶にしてわずか5,000本ほどの貴重な酒とされています。

主な受賞歴としては、明治時代に開催された「第1回全国清酒品評会」での優等賞第2位をはじめ、全国新酒鑑評会での金賞受賞や、広島県清酒品評会(大吟醸千本錦の部)での3連覇などがあり、長年にわたり高い技術と酒質が評価されています。

林酒造の歩み

林酒造は、文化3年(1806年)の創業と伝わる、広島県呉市倉橋町の酒蔵です。倉橋島は広島県の最南端に位置する瀬戸内海の島で、創業の地は現在の呉市倉橋町にあたります。代表銘柄「三谷春(みたにはる)」は、倉橋島の花崗岩質の土壌をくぐって三つの谷から湧き出る水で仕込んだことにちなみ、当代随一の漢学者として知られた坂井虎山が名付けたと蔵は伝えています。ラベルの文字は、頼山陽の長男である聿庵がほろ酔い加減で書いたものが、現在も使われています。

明治40年(1907年)の第1回全国清酒品評会では、三谷春が全国第2位(優等賞第2位)に入りました。灘の酒を抑えて竹原の藤井酒造の「龍勢」に次ぐ成績だったと蔵は伝えています。初代森蔵、2代目恭蔵、3代目森蔵と続き、4代目森蔵は医師として大正12年(1923年)に蔵の裏手で林医院を開きました。蔵の経営と地域医療を並行して担う家で、2018年時点の会社概要では、6代目の林英紀氏が社長を務めています。

蔵には、明治期の酒造りを伝える展示室や、明治・大正の花嫁衣装を展示する博物館が併設されています。2022年時点では、改装により靴を履き替えずに見学できるようになり、映画「吟ずる者たち」の撮影に使われた明治期の搾り機(舟)も蔵内に残っています。2024年10月のだんじり祭りに合わせて、蔵元による茶会が催されました。

酒造りの特徴

蔵は三谷春を、一人の杜氏が200年前とほぼ同じ製法で1か月半かけ、一升瓶にして5,000本ほどしか造らない貴重な酒と説明しています。大吟醸と純米大吟醸は低温でじっくり発酵させ、蔵の酒に共通する華やかな香りと、しっかりした味わいを持つ酒に仕上げます。2018年時点では、生産量は50石(約9,000リットル)、従業員は3名です。杜氏は広島県立の食品工業技術センターでの試験醸造の仕事も担い、2018年時点では10月21日から12月25日までセンターの業務、12月26日から翌10月20日までを蔵での酒造りに充てています。

八反錦や萌えいぶきを使う製品では、「真吟」と呼ばれる全量原形精米を採用しています。サタケが開発したこの方法は、米粒の形を保ったまま均一に削るもので、通常の精米のように両端が多く削れて球形に近づくことがありません。蔵は、雑味の部分が均一に削れるため、65%精米でも50%台の精米に匹敵すると説明しています。2023年には、昔の舟の現代版で純米酒を搾り始めたと蔵は伝えています。使う米は、純米大吟醸が兵庫県産山田錦(精米歩合35%)、大吟醸が広島県産千本錦(35%)、純米酒や本醸造などが広島県産八反錦(65%)です。

2024年には、広島県が約10年かけて開発した暑さに強い酒米「萌えいぶき」を55%に磨いた純米吟醸を、500本限定で発売しました。

食品工業技術センターとの共同開発も進めています。「カキフライに合う酒」を目指して麹と酵母の開発に携わった発泡性の日本酒「スパークリング三谷春」は、アルコール度数5%で、広島県産八反錦を65%に精米して仕込み、2023年にシンガポールの品評会で金賞を受けたと蔵は発表しています。リンゴ酸を多く生成する酵母を使った特別純米酒は、爽やかな酸味のある夏向けの酒として500本限定で出し、2024年にはシンガポールでプラチナ賞を受けたと蔵は伝えています。

このほか、生酛仕込みの純米大吟醸「六代目」や、アルコール度数21%の吟醸酒「剛吉」があります。酒蔵として梅酒も手がけており、倉橋産の梅と和三盆で仕込む「潤」プレミアムは、フランスの品評会での金賞が蔵から発表されています。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限ると、平成30酒造年度、令和3酒造年度、令和4酒造年度、令和5酒造年度、令和6酒造年度、令和7酒造年度の6回入賞し、このうち平成30・令和4・令和5・令和7の4酒造年度が金賞です。令和4酒造年度と令和5酒造年度は金賞が続きました。広島国税局清酒鑑評会では、令和元年、令和2年、令和3年、令和5年、令和6年、令和7年に優等賞を受け、令和6年と令和7年はいずれも吟醸酒・純米酒・燗酒の3部門で選ばれました。

全国新酒鑑評会の金賞に加え、広島県清酒品評会の千本錦の部で2023年から2025年まで3年連続の第1位(蔵の発表)で、2025年の同品評会では純米大吟醸が全体の1位にもなったと蔵は伝えています。広島杜氏組合の自醸酒品評会では、2019年の第65回で平田英二杜氏の酒が、2024年の第70回で平田杜氏の三谷春 大吟醸が、それぞれ第1位となりました。2025年も第1位で2連覇だったと蔵は発表しています。2024年のKura Master純米大吟醸酒部門では、三谷春 純米大吟醸が金賞に選ばれました。

2026年のインターナショナル・ワイン・チャレンジでは、三谷春 梅酒 潤がフレーバー酒の部でトロフィーを受賞し、純米吟醸もブロンズ賞を受けたと蔵は発表しています。

代表銘柄

三谷春

三谷春は、倉橋島で文化3年(1806年)創業の林酒造の代表銘柄です。大吟醸は広島県産千本錦、純米大吟醸は兵庫県産山田錦を35%まで磨き、低温でじっくり発酵させて華やかな香りに仕上げます。純米酒や本醸造は八反錦を65%に磨いた全量原形精米で、純米吟醸には広島県育成の萌えいぶきも使います。広島県清酒品評会の千本錦の部では、2023年から2025年まで3年続けて第1位だったと蔵は伝えています。

見学・購入

直売所
広島市内では福屋とそごうの地下の酒売り場で扱われています(2025年4月時点)。本社に電話で注文すれば、1本から冷蔵で発送すると蔵は案内しています。
補足
明治・大正の花嫁衣装を展示する博物館と明治の酒造り展示室が併設されています。2024年5月時点では、林医院前の駐車場に車を止めて矢印に従って進み、チケットを買って入る順路が案内されていました。明治の酒造り展示室を通って、明治と大正昭和の花嫁衣装展示室からなる着物博物館①②、着物と帯150点を並べる現代の名工館(着物博物館③)、本画7点と版画40点を見られるカフェ「上村松園」があり、頼家書の広間では要予約で立席のお茶も楽しめます。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
広島県呉市倉橋町11777
創業
1806年
公式サイト
hayashi-shuzo.com

出典

japansake.or.jp / hayashi-shuzo.com / hiroshima-shokudo.com / countrynavi.com / sakagura-press.com / nta.go.jp / nrib.go.jp / pref.hiroshima.lg.jp / saketimes.jp

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