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松尾酒造

代表銘柄:松翁

高知県

KOCHI

1873年創業

高知県香美市土佐山田町に位置する松尾酒造は、1873年(明治6年)創業の蔵元です。地下から湧出する物部川水系の伏流水を仕込み水に使用し、高知県産の酒造好適米「吟の夢」や「土佐麗」、高知酵母を用いて酒造りを行っています。代表銘柄「松翁(まつおきな)」は、戦後に醸造の祖神である松尾神社の守護のもと、長寿延命の酒として名付けられた銘柄で、高知の食文化に寄り添うキレの良い淡麗辛口な味わいが特徴です。毎年8月下旬から県内の早場米を用いた酒造りを開始し、9月中旬頃に出荷される日本一早い新米新酒「松翁の蔵酒」でも知られています。

また、明治時代に建てられた同酒蔵の「西酒蔵」は、国の登録有形文化財に登録されています。

松尾酒造の歩み

松尾酒造は、1873年(明治6年)に高知県香美市土佐山田町にあたる地で、初代の松尾庄吉が創業した酒蔵です。土佐山田は交易の要所として栄えた町で、土佐打ち刃物、フラフ(旗)、和紙、山田傘などの名産で知られました。創業当初は敷地内に掘った井戸にちなみ、銘柄を「松の井」と名づけていました。

1892年(明治25年)には、板垣退助らの自由党の機関紙であった土陽新聞にちなみ、銘柄を「土陽正宗」に改めました。明治の末には「翁味醂」の名で味醂の醸造にも進み、大正の初めには焼酎も商品に加えて事業を広げましたが、大正末期から昭和初期の大不況で事業を縮小し、日本酒に特化しました。

戦後は、醸造の祖神である松尾神社の守護のもと、長寿延命の酒という願いを込めて酒銘に「松翁」を加えました。現在の代表銘柄「松翁」の由来です。「土陽正宗」や「山田太鼓」の銘柄でも酒を醸してきました。蔵の西酒蔵と北酒蔵は明治期に建てられた建物で、国の登録有形文化財になっています。

現当主は初代から数えて7代目の松尾禎之氏で、宝酒造を経て平成4年(1992年)に入蔵し、蔵元杜氏として酒造りに携わってきました。土佐で飲む酒を目指し、県外への出荷は多くありません。外資系コンサルティング会社やベンチャーキャピタルで経営に携わった経歴を持つ共同経営者も加わり、2025年9月には公式サイトを開設しました。蔵は創業から150年を超え、「地域の風土が凝縮されたお酒を造り続けること」を使命に掲げています。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限っても入賞が7回あります。平成16・17・18酒造年度は3年続けて「松翁」で入賞し、その後も平成20・23・26酒造年度に「松翁」で、令和4酒造年度には「山田太鼓 大吟醸」で入賞しました。高松国税局の平成18年四国清酒鑑評会では、純米酒の部で成績上位と評価された10場に、「松翁」を出品した松尾酒造が入りました。

酒造りの特徴

松尾酒造のお酒は、高知の気候・風土・文化に寄り添い、しっかりとした酸とボディを持つ、高知の食文化に合った味わいです。海の幸も山の幸も豊富な高知で、さまざまな味や食感に合う飲み飽きしない酒質を目指しています。造りにはできるだけ高知の素材を使い、仕込み水には土佐山田の軟らかな水を用います。主に高知県香美市の白髪山を水源とする物部川水系の伏流水で、地下から湧き出る清水です。酒質は淡麗辛口を指向しています。

使う米はすべて高知県産です。主力は高知県農業技術センターが開発した酒造好適米で、山田錦とヒノヒカリを掛け合わせた「吟の夢」と、風鳴子とひとめぼれを掛け合わせた早生の「土佐麗」です。純米酒には高知県産米「たちはるか」も使い、純米系の銘柄の精米歩合は、純米大吟醸の40%から純米の60%まで銘柄ごとに変えています。

酵母は、全国でも種類が多い高知酵母(20種類以上)の中から、CEL-19、AA-41、AC-26を主に使っています。CEL-19とAA-41は2005年に国際宇宙ステーションへ運ばれ、宇宙空間で10日間増殖して帰ってきた宇宙酵母で、AC-26は2021年に茨城県沖の水深約6,000mの深海で4か月を過ごした深海酵母です。純米大吟醸にはCEL-19、宇宙酒にはAA-41、深海酒にはAC-26を使っています。

毎年8月下旬から県内の早場米を使った新酒の早仕込みを行い、9月中旬には日本一早い新米新酒「松翁の蔵酒」を出荷しています。深海酒と蔵酒の仕込みには、室戸岬沖の水深374mから取水した室戸海洋深層水も使っています。

代表銘柄

松翁

松尾酒造の主力銘柄で、ラインナップは純米大吟醸、純米吟醸、純米のほか、宇宙酵母を使った「FAR SPACE TRAVELER」、深海酵母を使った「DEEP OCEAN TRAVELER」、先代の6代目当主が開発した甘味のある濁り酒などがあります。フラッグシップの純米大吟醸は吟の夢を40%まで磨き、宇宙酵母CEL-19で仕込みます。青りんごを思わせる香りと、爽やかな酸とほのかな甘さの調和が特徴で、日本酒度は-4です。純米は日本酒度+7の辛口で、柑橘の香りがあり食中酒に向きます。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
オンラインショップ(BASE)で購入できます。
補足
蔵見学と試飲は、繁忙期や製造・出荷の状況によってはご遠慮いただくことがあります。最寄りはJR山田西町駅から徒歩5分、JR土佐山田駅から徒歩10分で、高知龍馬空港から車で16分です。2026年11月7日には、蔵見学と天然アユ、地元居酒屋の弁当を楽しむイベントが予定されています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
高知県香美市土佐山田町西本町5-1-1
創業
1873年
公式サイト
matsuokina.com

出典

jr-shikoku-treasure.jp / kochi-tabi.jp / japansake.or.jp / matsuokina.com / tosa-sake.jp / nabunken.go.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / bunka.go.jp

本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。