稲とアガベ醸造所
代表銘柄:稲とアガベ・交酒 花風・廻
秋田県
AKITA
2021年創業
2021年に秋田県男鹿市の旧男鹿駅舎に開かれたクラフトサケ醸造所です。運営する稲とアガベ株式会社は2021年3月に設立され、代表の岡住修兵氏が経営理念に「男鹿の風土を醸す」を掲げています。日本酒の製造技術をベースに、米と米麹をホップやフルーツ、ハーブなどの副原料とともに発酵させる「クラフトサケ」やどぶろくを自社で醸造するほか、国内では販売しない輸出用清酒も製造しています。国内向けの日本酒は、群馬県の土田酒造への委託醸造で造っています。
原料米には秋田県産の無肥料・無農薬による自然栽培米を中心に用い、精米歩合は基本的に90%で、仕込みには男鹿の水を使っています。酒造りにとどまらず、レストランや食品加工所、宿泊施設などを地域に展開し、お酒を通じた男鹿のまちづくりにも取り組んでいます。2024年には、全国の酒販店員が投票で酒蔵を選ぶ「酒屋大賞2024 supported by FERMEX」で3位(BRONZE)と特別協賛賞(FERMEX賞)を受賞しました。
稲とアガベ醸造所の歩み
稲とアガベは、秋田県男鹿市の旧駅舎に生まれたクラフトサケの醸造所です。運営する稲とアガベ株式会社は2021年3月1日に設立され、代表は岡住修兵です。醸造所としての創業は2021年の秋で、クラフトサケブリュワリー協会の会員醸造所としては同年9月の創立となっています。醸造所は、その他の醸造酒の製造免許と輸出用清酒の製造免許を取得して開かれました。2024年11月時点で、輸出用の清酒も自社で製造しており、国内では販売されていません。
国内向けの自社醸造品はクラフトサケとどぶろくで、国内向けの清酒(日本酒)は群馬県の土田酒造への委託醸造で造っています。
経営理念は「男鹿の風土を醸す」です。ひとつは、男鹿の風土をそのまま瓶に詰め込んだようなお酒を造ることです。そのために地域の方々と交流し、男鹿という土地への理解を深めています。もうひとつは、酒造りにとどまらず、多くの人々がわくわくするような事業を生み出し続けることです。新しい店やイベントが生まれ、人が行き交い、この地が未来に向けて豊かになっていくことも「男鹿の風土を醸す」ことだと考えています。
岡住は新政酒造で働いた経験を持ちます。土田酒造の杜氏の星野元希が新政酒造へ研修に出向いた際、そこで働いていた岡住と出会いました。岡住が土田酒造に秋田産のササニシキによる酒造りを依頼したのは2019年ごろで、麹造りやもろみの温度管理まで相談を重ねながら仕込み、その関係は醸造所の創業後も続いています。
稲とアガベは、お酒を地域メディアだと考えています。お酒を通じて男鹿に人を呼び込み、実際に訪れて楽しんでもらうために、創業後の3年間でレストラン、食品加工所、ラーメン店、ホテル、蒸留所、スナックを展開しました。醸造所に併設された「土と風」は日中カフェとして営業し、一風堂を運営する力の源ホールディングスとのコラボ店「おがや」ではラーメンを提供しています。2024年6月1日には宿「ひるね」が開業し、客室14室でレストランやサウナも備えるホテル「かぜまちみなと」とあわせて、男鹿に泊まる場所もつくりました。
2024年には、全国の酒販店員が投票で酒蔵を選ぶ「酒屋大賞2024 supported by FERMEX」で3位のBRONZEと特別協賛賞(FERMEX賞)を受賞しました。
クラフトサケブリュワリー協会は2022年6月27日に設立され、稲とアガベはその会員醸造所のひとつです。協会は「クラフトサケの醸造所を増やす」「クラフトサケの知名度を高める」「日本酒とクラフトサケが共存できる未来をつくる」ことを理念に掲げて活動しています。
酒造りの特徴
クラフトサケとは、日本酒の製造技術をベースに、米を原料としながら、従来の日本酒では法的に採用できないプロセスを取り入れた新しいジャンルのお酒です。この定義はクラフトサケブリュワリー協会によるものです。同社は、新たに清酒の製造免許を取得することが難しいという事情があり、日本酒ではないお酒を造るために米と麹以外の原料を混ぜる必要がありました。実際にフルーツやハーブを一緒に発酵させてみると、日本酒ともリキュールとも異なる個性を持つお酒ができることが分かりました。
稲とアガベのクラフトシリーズは、米と米麹をフルーツやハーブなどと一緒に発酵させたお酒で、果汁を混ぜたリキュールとは違い、リンゴやホップなどの素材そのものを発酵させている点が特徴です。ほかに、もろみを搾らず丸ごと瓶詰めするどぶろくのシリーズがあり、独自の製法でクリーミーで飲みやすい仕上がりを目指しています。企業などとのコラボで手に入れた素材を本数限定で醸す「試し桶」シリーズもあり、「稲とブドウ」や「稲と日本茶」のようにレギュラーのクラフトシリーズへ昇格した例もあります。
仕込みには男鹿の水を使っています。原料米は、大潟村の石山さんと能代市二ツ井の安井さんが育てる、無肥料・無農薬の自然栽培米が中心です。石山さんは自然栽培のパイオニア、安井さんは秋田県内の多くの酒蔵に酒米を提供してきた農家です。肥料を使わない自然栽培米はたんぱく質が少ないため、あまり磨かなくても雑味の少ない、きれいな味わいのお酒になると同社は考えており、精米歩合は基本的に90%です。男鹿の耕作放棄地を開墾して、自分たちでも自然栽培に挑戦しています。顔の見える農家とだけ付き合い、お米を高く買うことも大切にしています。
酒造りの副産物も無駄にしません。酒粕は食品加工所のSANABURI FACTORYで「発酵マヨ」などの食品に生まれ変わり、蒸留所でもスピリッツやジンの原料になります。クラフトサケ「廻」は、蒸留所で造るクラフトジンのボタニカルの残渣を中心に仕込むお酒で、廻の酒粕はまた蒸留所に戻ります。原料や副産物が巡り続けることから、この名が付けられました。
国内向けの清酒は自社では醸造していません。「SAKE」シリーズは、現在の法律では稲とアガベで造れない日本酒を、群馬県の土田酒造の協力により実現したもので、稲とアガベのレシピのもとに委託醸造という形式で共同開発しています。秋田県で自然栽培されたササニシキを使い、さまざまな酵母の使用や酵母無添加への挑戦、生酛造りや菩提酛造りといった特別な製法で、毎年醸しています。
代表銘柄
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稲とアガベ
蔵の名を冠したクラフトシリーズの銘柄で、内容量は500ml、精米歩合は90%です。製造者は稲とアガベ株式会社です。ラーメン好きの森本聡子氏がプロデュースした、ラーメンと調和するリッチな味わいの限定酒「ラーメン専用稲とアガベ」が2025年に同じ名を冠して醸されるなど、料理に寄り添うお酒としての広がりも持っています。
楽天で商品を見る交酒 花風
副原料にホップを使ったクラフトサケで、ホップ由来のライチやマスカットのような風味が特徴の人気銘柄です。原材料は米、米麹、ホップで、精米歩合は90%、内容量は720mlです。秋田の山に自生する和製ホップの唐花草を使った「寵深花風」や、白麹主体の「花風 -UNITED ARROWS-」など、派生の銘柄も醸されています。
廻
稲とアガベの新定番として登場したクラフトサケです。早苗饗蒸留所で造るクラフトジンのボタニカルの残渣を中心に、ワインやビールなど多様な酒類の要素を組み合わせています。酒粕が蒸留所に戻り、残渣がまた仕込みに使われる、原料と副産物が巡り続けるお酒です。ラベルの絵は杉山洋平氏、書は辻井樹氏が手がけ、内容量は720mlです。
DOBUROKU
米と米麹を発酵させた後、米粒を濾さずにもろみを丸ごと瓶詰めしたどぶろくです。独自の製法でクリーミーで飲みやすいのが特徴で、ホップを加えたものや6号酵母を使ったもの、レモンとホップを合わせたものなど、複数のバリエーションがあります。内容量は500ml、精米歩合は90%です。シリーズは、土や大地と縄文文化が広がる北東北の風土から連想した土面をモチーフにしています。
SAKE 稲とアガベ×土田酒造
群馬県の土田酒造への委託醸造で造る、稲とアガベのレシピによる日本酒です。自社醸造ではありません。秋田県で自然栽培されたササニシキを使い、酵母無添加の生酛造りで醸す年があるほか、協会4号酵母を使ったものも造られています。協会4号酵母のものは内容量720ml、精米歩合90%です。
見学・購入
- 直売所
- 醸造所に併設された「土と風」は日中カフェとして営業しています。SANABURI FACTORYの併設ショップでは、発酵マヨのほか、全国のクラフトメーカーによる生活雑貨も販売しています。お酒は公式オンラインショップでも購入できます。
- 補足
- オンラインショップでは売り切れになる商品が多く、抽選販売を不定期に実施しています。取り扱う酒販店や、稲とアガベのお酒を飲める飲食店の一覧も案内されています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 秋田県男鹿市船川港船川新浜町1-21
- 創業
- 2021年
- 公式サイト
- inetoagave.com
出典
sakedata.jp / inetoagave.com / akita-fun.jp / notosake.com / sakestreet.com / discoverjapan-web.com / jal.co.jp / prtimes.jp / shop.inetoagave.com / craftsakebreweries.com
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