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浅舞酒造

代表銘柄:天の戸・じゃごたろ

秋田県

AKITA

1917年創業

浅舞酒造の建物
浅舞酒造の建物(2021年撮影)「Asamai Shuzo.jpg」 — 写真:掬茶 / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

1917年(大正6年)に柿崎宗光が創業した酒蔵です。銘柄名「天の戸」は「天の戸は静かに明けて神路山 杉の青葉に日影さすみゆ」という古歌に由来します。1943年に戦時下の企業整備により一時廃業となりましたが、地域住民の存続を求める声を受け、翌1944年に醸造を再開しました。

「酒は田んぼから生れる」を信条とし、仕込み水には湧水「琵琶沼寒泉」を使用しています。2011年から全量純米酒とし、原料米も全量を横手盆地産としています。近年では自社田での酒米生産にも取り組んでいます。伝統的な「古式槽しぼり」で雑味のない味わいを追求しています。

受賞歴としては、1934年の全国品評会での特選・優秀賞受賞や、全国新酒鑑評会での複数回の金賞受賞などを誇ります。代表銘柄「天の戸」をはじめ、地元の言葉で田舎者を意味する「じゃごたろ」、「美稲」「夏田冬蔵」などを手掛けています。

浅舞酒造の歩み

浅舞酒造は1917年(大正6年)、現在の秋田県横手市平鹿町浅舞にあたる地(当時の平鹿郡浅舞町)で創業しました。地元に酒蔵がないことを残念に思っていた柿崎宗光が地域の協力者を募り、資本金2万円で浅舞酒造株式会社を設立しました。銘柄名「天の戸」は、柿崎宗光が「天の戸は静かに明けて神路山 杉の青葉に日影さすみゆ」という古歌から引用して名付けたもので、新しい未来への扉が開かれる様子を表しています。

1934年(昭和9年)には全国品評会で特選に選ばれ、4年連続で優秀賞も受賞しています。しかし戦時下の1943年(昭和18年)、企業整備によって浅舞酒造は廃業に追い込まれました。地域の人々から「天の戸を残してほしい」という声が大蔵省まで届き、翌1944年12月6日、特例として新たな酒造免許が交付されて醸造を再開しました。

1968年(昭和43年)には特級規格の純米酒製造にいち早く取り組み、秋田県で初めてとなる特級純米酒の発売を始めました。2010年(平成22年)には全量純米酒仕込みへの転換に着手し、2011年からは醸造するお酒のすべてを純米酒としています。この転換を進めた杜氏が森谷康市です。

森谷康市は1957年(昭和32年)に横手市で生まれ、1980年に山形大学農学部を卒業したのち、昭和56酒造年度から浅舞酒造に釜屋として入蔵し、平成2酒造年度から杜氏を務めました。自らも米づくりに携わる杜氏として知られ、その酒米づくりと酒造りの記録をつづった著書『夏田冬蔵』は、後に同名の商品名としても使われています。森谷は2019年7月に61歳で逝去するまで、38年にわたって浅舞酒造の酒造りを担いました。

同年(令和元年度)の秋田県清酒品評会では、天の戸が秋田県産米の部で秋田県知事賞を受け、同部門の首席にあたる秋田県総合食品研究センター醸造試験場長賞も受賞し、受賞杜氏として森谷の名が記されています。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降の入賞酒目録で確認できる範囲だけでも18回入賞し、うち平成16・17・18・20・21・23・28・30の各酒造年度に金賞を受賞しています。浅舞酒造ではこのうち平成21酒造年度の金賞を通算10回目としており、平成23酒造年度には純米酒での挑戦2年目で金賞を受け、以降通算13回の金賞を重ねたとしています。東北清酒鑑評会でも純米酒の部の優等賞を平成29年・平成30年・令和元年・令和3年・令和4年・令和5年と重ねて受けています。

出品酒仕様の純米大吟醸35は、2016年にインターナショナル・ワイン・チャレンジの日本酒部門・純米大吟醸の部でゴールドメダルとトロフィーを受賞し、Kura Masterでも2019年度と2020年度に純米大吟醸酒部門のプラチナ賞、2020年度には全部門の上位18銘柄に選ばれたほか、2021年度・2023年度・2026年度にも金賞を受賞しています。

黒麹仕込みの純米原酒「天黒」もKura Masterで高く評価されており、純米酒部門で2021年度・2023年度・2024年度にプラチナ賞を受け、部門名が細分された2026年度の純米酒(51-65%)部門でもプラチナ賞と優秀賞を得ています。2024年からは認定農業者として自社田での酒米づくりを始め、ドメーヌ化を目指す取り組みを進めています。

酒造りの特徴

浅舞酒造がある横手盆地は、奥羽山脈に端を発する皆瀬川・成瀬川がつくる沃野に位置し、酒米の育つ田んぼを潤す川の一部が伏流水となって蔵の近くに湧水群をつくっています。仕込み水に使われている湧水は「琵琶沼寒泉」と呼ばれています。

浅舞酒造は「酒は田んぼから生れる」をモットーに、横手盆地内の生産者の協力を得て酒米を全量横手盆地産とし、休耕田の再生や生活排水の入りにくい地域での栽培にも取り組んでいます。洗米は全量を限定吸水で行い、それぞれの品種の個性が最大限に生きるよう量りながら洗米し、蒸米は今も古式の和釜で蒸し上げています。

搾りは「全量古式槽しぼり」で行われ、通称「袋降り」と呼ばれる氷点下の体感温度で行う手作業です。一つ一つ腰を折りながら行う重労働ですが、時間をかけて搾ることで米の旨みを大切にした純粋な味わいの酒に仕上げています。

「夏田冬蔵」シリーズは、純米大吟醸では生酛仕込みのほか、星あかり・吟の精・秋田酒こまちといった原料米ごとに仕込み分けられ、純米吟醸の「こま美」も加わっています。季節にはにごり酒「じゃごたろ」を出すほか、定番の特別純米酒「美稲」も手がけています。

代表銘柄

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天の戸

銘柄名は創業者が古歌から引用して名付けました。純米大吟醸35は秋田酒こまちを35%まで磨いた、鑑評会に挑戦する出品酒仕様の酒で、2016年にインターナショナル・ワイン・チャレンジの日本酒部門・純米大吟醸の部でゴールドメダルとトロフィーを、Kura Masterでは2019年度・2020年度に純米大吟醸酒部門のプラチナ賞を受賞しています。

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じゃごたろ

地元の方言で田舎者を意味する銘柄名です。精米歩合80%の秋田県産酒造好適米を使った純米酒で、その年最初に瓶詰めされる季節限定のにごり酒として毎年発売されています。瓶内二次発酵による炭酸を含み、米の旨みが詰まった懐かしいような味わいで、後味はさっぱりとしています。複数の酒をブレンドしたおり酒仕立てのものもあります。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
浅舞酒造株式会社(秋田県横手市平鹿町浅舞字浅舞388番地)に蔵元直売所があります。
補足
蔵見学は要予約です。直売所の営業時間は8時から17時までで、土曜・日曜・祝日は休業です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
秋田県横手市平鹿町浅舞字浅舞388
創業
1917年
公式サイト
amanoto.co.jp

出典

japansake.or.jp / sakenomy.jp / wikipedia.org / amanoto.co.jp / sakagura-press.com / jizake.or.jp / osake.or.jp / sakedata.jp / ttcn.ne.jp / nrib.go.jp / internationalwinechallenge.com / kuramaster.com / jozo.or.jp / akimotosaketen.jp

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