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北村醸造場

代表銘柄:菊文明

広島県

HIROSHIMA

1830年創業

北村醸造場の建物
北村醸造場の建物(2018年撮影)「Kitamura jouzoujou.jpg」 — 写真:KASEI / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

北村醸造場は、広島県庄原市東城町で天保年間(1830〜1844年)に創業した酒蔵です。江戸時代から造られていた銘柄「文明」に、明治初期に皇室の紋章である「菊」を合わせ、代表銘柄「菊文明」が誕生しました。

酒造りの大きな特徴は、軟水仕込みが多い広島県において、石灰岩を含む帝釈カルスト台地の硬水を仕込み水に使用している点です。また、地元の農家が合鴨農法で育てた米(中生新千本など)を原料米に用いた独自の酒造りに取り組んでいます。仕上がるお酒は、キリッとした辛さの中にまろやかな旨味が広がる「旨辛口」の味わいが特徴です。

受賞歴として、広島国税局清酒鑑評会で令和2年(2020年)から令和5年(2023年)まで4年続けて優等賞を受賞しています(純米酒部門で「菊文明 合鴨純米原酒」が2回、燗酒部門で2回)。現在は家族3人で伝統的な手作業による酒造りを守り続けています。

北村醸造場の歩み

広島県北東部、庄原市東城町にある北村醸造場は、江戸時代後期の天保年間(1830〜1844年)に創業した蔵です。北村家は約400年前に現在の大阪府和泉市から東城に移り住んだ家で、東城の町並みとともに歴史を重ねてきました。約600坪という広い敷地に蔵を構え、現在の蔵元は6代目の北村芳幸さんです。

酒名の「菊文明」は明治の初期に生まれました。それ以前から「文明」という銘柄があり、そこに皇室の紋章である「菊」を合わせたものです。以来、東城の地酒として地元の人々に長く愛されてきました。

芳幸さんは約20年前、30年勤めたベテラン杜氏の引退を機に、蔵の味を守るため自ら杜氏を継ぎました。奥様の裕子さんが麹造りを受け持ち、現在は息子の峻一さんも加わって、家族3人で酒造りを続けています。先代の時代には液化仕込みの設備を導入していましたが、後口にクセが出るとして、2004年からは全量を手作業の造りに切り替えました。

広島国税局清酒鑑評会では、令和2年(2020年)から令和5年(2023年)まで4年続けて優等賞を受けています。令和2年と令和5年は純米酒部門で「菊文明 合鴨純米原酒」が、令和3年は燗酒部門で「菊文明 純米 八反錦」が、令和4年は燗酒部門で「菊文明 本醸造辛口」が選ばれました。令和5年の鑑評会には73者から198点が出品されました。

酒造りの特徴

広島県は軟水の酒で知られますが、東城町は石灰岩を含む帝釈カルスト台地の土地で、北村醸造場はこの地域の硬水を仕込み水に使います。ミネラル分が多い水で醸した酒は、同じく硬水で醸す灘の酒のように、秋に味がのるという声も多いそうです。

蔵の看板である合鴨純米原酒には、同じ東城町の藤本農園が合鴨農法で育てた米を使います。藤本農園は県内で最初に合鴨農法を始めた米専門農家で、育てているのは食用の飯米です。品種は「中生新千本」で、酒造好適米ではありません。飯米だけで酒を仕込むのは難しく、米が溶けすぎてもろみがまとまらないこともありました。そこで水を少なめにして麹を硬めに仕上げるなどの工夫を重ね、ここ数年でようやく味が安定してきたそうです。試行錯誤は18年に及び、現在の味にたどり着きました。

かつては食用米の「どんとこい」を使っていましたが、2000年代半ばに中生新千本へ替えたことで、香りと味がよく出るようになりました。

蔵のお酒は約10種類で、濃いめでまろやかな旨みと、キリッとした辛さが特徴です。酒によって酵母や精米歩合を変えており、試飲では蔵元の家族がその違いを細かく説明してくれます。本醸造の原酒はアルコール度数が19度余りあり、氷を入れてロックで飲むのがおすすめだそうです。米や気候によって毎年変わる味わいも、小さな蔵ならではの個性として楽しめます。

2026年3月には「純米八反錦しぼりたて原酒」が新酒として発売され、春まつりの時期には合鴨農法米の純米原酒と並んでいました。

代表銘柄

菊文明

蔵の代表銘柄で、石灰岩を含む帝釈カルスト台地の硬水と、地元の合鴨農法米を主に使って醸します。辛さの中にまろやかな旨みが広がる味わいで、約10種類のラインナップがあります。合鴨純米原酒は中生新千本を原料米とし、令和2年と令和5年に広島国税局清酒鑑評会の純米酒部門で優等賞を受けました。純米八反錦は令和3年、本醸造辛口は令和4年に、それぞれ燗酒部門で優等賞に選ばれています。純米吟醸(精米歩合60%)などもあります。

見学・購入

直売所
蔵の店頭で販売しています。ガラス戸を開けると試飲ができる広間があり、蔵元の家族が酒の違いを丁寧に説明してくれます。庄原観光推進機構の通販サイト「里山・庄原セレクトショップ」で、合鴨純米原酒を含むセット商品が販売されていたこともあります。
補足
小さな蔵のため、東城町の外にはあまり出回らない酒です。営業日時や蔵見学の可否は変わることがあるため、訪問前に電話(08477-2-0009)でご確認ください。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
広島県庄原市東城町東城356
創業
1830年

出典

japansake.or.jp / shobara-info.com / shinise.tv / pon.sh / miyage-guide.jp / satoyamaselect.jp / nta.go.jp / yamatoya-e.com / tojo-hibaya.jp / osake-style.com / wahei.or.jp

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