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桜川酒造

代表銘柄:小国桜川

山形県

YAMAGATA

1706年創業

桜川酒造は、山形県西置賜郡小国町に唯一残る酒蔵で、江戸時代中期の1706年(宝永3年)に創業しました。2021年に株式会社野沢酒造店から現在の社名に改めています。県内有数の豪雪地帯である小国町の自然環境のもと、飯豊連峰から流れる伏流水(口当たりの良い軟水)を仕込み水に使用し、昔ながらの手間ひまかけた酒造りを受け継いでいます。小国町酒米研究会など地元の酒米農家が育てる「出羽の里」や「雪女神」といった山形県生まれの酒米を活かした酒造りを行っている点が特徴で、きめ細やかでまろやかな味わいを目指しています。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に旧銘柄の「羽前桜川」と現銘柄の「小国桜川」で計5回入賞しており、令和5(2023)酒造年度にも入賞を果たすなど、伝統を守りながら酒造りを続けています。

桜川酒造の歩み

山形県の南西部、新潟県との県境に位置する小国町は、飯豊連峰の麓に開けた全国屈指の豪雪地帯です。降雪は冬になると町の中心部で3メートル、山間部では5メートルにも及びます。桜川酒造は、この小国町に唯一残る酒蔵です。創業は1706年(宝永3年)で、大火で古文書が焼失したため、創業の詳しい経緯は伝わっていません。

かつての蔵名は「野沢酒造店」で、2016年に株式会社野沢酒造店として法人化しました。当時の主銘柄は「羽前桜川」でした。2021年に社名を桜川酒造株式会社へ改め、銘柄も現在は「小国桜川」としています。全国新酒鑑評会では、蔵の発表によると平成3年・4年・5年・8年・10年に優等賞を受けています。平成14酒造年度以降では、平成15・18・21・23の各酒造年度に「羽前桜川」が、令和5酒造年度に「小国桜川」が入賞し、入賞は計5回です。

また蔵の発表では、2022年のミラノ酒チャレンジでベストフードペアリング賞を2部門で受けています。カプレーゼの部は小国米美山錦の純米大吟醸、パスタの部は小国米出羽の里の純米大吟醸です。

コロナ禍による売上の落ち込みや大雨による被害が重なり、2022年に蔵は経営破綻の危機に陥りました。再建を任されたのは、各地で地域資源を生かした事業の再建に携わってきた石井宏和さんです。石井さんは一般社団法人ヨカモスを立ち上げ、蔵に併設する建物をカフェ兼コワーキングスペース「カモスク」に改装するなど、蔵を中心とした地域づくりを進めました。蔵は2023年に経営体制を一新しています。2024年10月の時点では石井さんが代表取締役社長を務め、同年11月には経営を地元の人々に託して相談役に退く予定でした。

2023年には、地元の酒米を使った新ブランドをつくるためにクラウドファンディングを実施し、300万円以上の支援が集まりました。こうして生まれた純米大吟醸のシリーズが、飯豊連峰の梅花皮岳(かいらぎだけ)にちなむ「Kairagi」です。2024年5月に発表された令和5酒造年度の全国新酒鑑評会では、「Kairagi」の純米大吟醸(雪女神を35%まで磨いたもの)が入賞しました。

同年7月末から9月末までは、純米大吟醸を1タンクまるごとオーナーになって受け取れる「タンクオーナー制度」を、小国町と協力して1名限定のふるさと納税の返礼品として受け付けました。寄附金額は1,800万円で、約1,500本の酒が届く内容でした。

2024年9月からは、酒米農家の井上昌樹さんが蔵元杜氏を目指すためのクラウドファンディングを実施し、91人から1,573,878円の支援を集めて目標を達成しました。井上さんは小国町の出身で、雪女神と出羽の里を栽培する農家であり、祖父の代から3代にわたって桜川酒造に関わってきました。2023年から蔵人として酒造りに加わり、2024年9月の時点では醸造所所長も務めていました。2025年2月時点では、井上さんが代表取締役会長を務めています。夏は田んぼで米を、冬は蔵で酒を造る蔵人たちが、この蔵の酒造りを支えています。

酒造りの特徴

仕込みに使うのは、飯豊山の伏流水をくみ上げた井戸水です。やわらかくて癖がなく、口に含むと甘みを感じる軟水だと蔵は説明しています。米は、小国町の若手の酒米農家が立ち上げた酒米研究会が作付けする、雪女神・出羽の里・美山錦を中心に選んでいます。以前は小国町でも酒米が育てられていましたが、近年は誰も作っていませんでした。地元の農家が研鑽を重ねて町の酒米づくりを復活させ、その後に小国町酒米研究会が発足しました。

雪女神は山形県が開発した酒造好適米で、大吟醸に向きます。出羽の里は山形県が開発した酒造好適米で、吟吹雪と出羽燦々を掛け合わせて育成されました。美山錦は心白の発現率が高く、吟醸酒に向く米です。小国産の美山錦を使った純米吟醸や、小国米の出羽の里を使った純米大吟醸などを仕込んでいます。

造りで蔵が最もこだわるのは麹です。2024年時点で、麹室の担当者は2時間おきに足を運んで温度を管理し、夜間の手入れも続けています。麹は蓋麹で造り、洗米も仕込みの大半を手研ぎで行います。搾りは酒袋を吊るした自然な搾りを心がけ、機械化が進む中でも昔ながらの道具を大切に使っています。純米吟醸の小国産美山錦や純米酒の桜の音などには、酵母にNF-KAを使っています。「Kairagi」は、華やかな香りをより多く生む酵母を使った純米大吟醸のシリーズです。

「小国桜川」が目指すのは、適度な含み香を持ち、きめ細やかで上品な中にまろやかで豊かなふくらみのある味わいです。酵母と麹が生む自然な香りが食事の邪魔をせず、会話を弾ませるような香味のバランスを大切にしています。2024年時点では、小国桜川のある食卓風景を100年先にも残す取り組みとして「サクラガワカモスクエア構想」を進め、蔵の隣のカフェ「カモスク」や町内の宿泊施設と連携していました。

代表銘柄

小国桜川

蔵の主銘柄で、小国町の水と地元の酒米で醸します。代表商品は小国産の美山錦を50%まで磨いた純米吟醸で、程よい香りと酸のバランスがよく、味わいはシンプルでクリーンと蔵は説明しています。出羽の里の純米酒「桜の音」、美山錦の純米大吟醸「ぶな乃森」、超辛口の純米吟醸などもあり、画家のラベルを用いたシリーズも展開しています。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵のオンラインショップで購入できます。蔵の隣には、石蔵を改装した酒蔵バル兼コワーキングスペース「カモスク」があります。
補足
2024年時点の案内では、酒蔵見学は事前予約制です。造りの動画を見たあとに蔵の中を見学し、20歳以上で車でお越しでない方は試飲もできます。見学料は1人1,000円で、所要時間は30分から1時間ほどです。見学希望日の1週間前までに、電話かメールで日時と人数を伝えて申し込みます。11月から4月は酒の仕込みの時期のため、蔵の中の見学は受け付けていません。蔵は小国駅から徒歩9分です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
山形県西置賜郡小国町大字小国小坂町213
創業
1706年

出典

yamagata-sake.or.jp / sake-times.com / yamagatakanko.com / chokuso-keikaku.jp / sakedata.jp / sakuragawa-sake.co.jp / yamagata-oguni-shiroimori.jp / jp.sake-times.com / camp-fire.jp / nrib.go.jp / sakenomy.jp / saketime.jp

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