旭酒造
代表銘柄:伊勢旭・神都の祈り・兄弟酒
三重県
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1875年創業
旭酒造株式会社は、明治8年(1875年)に初代・西山利平治により三重県多気郡明和町山大淀で創業された酒蔵です。伊勢神宮にゆかりの深い地で、櫛田川の伏流水や三重県産の酒造好適米「神の穂」、山田錦などを用い、仕込みの工程を杜氏や蔵人の手作業で進める伝統的な酒造りを守り続けています。
代表銘柄の「伊勢旭」のうち「上撰 伊勢旭」は、五穀豊穣を祈り毎年伊勢神宮へ奉納されているお酒です。また、伊勢志摩出身の演歌歌手・鳥羽一郎の楽曲にちなんだ「兄弟酒」などの酒銘も展開しています。平成28年に始まった明和町・皇學館大学や地元農家等との産学官連携により誕生した純米大吟醸「神都の祈り 斎王」は、ロンドン酒チャレンジ2020でプラチナ賞を受賞しました。
さらに、大吟醸酒を使ったアイスや酒まんじゅうなどの菓子(2013年ごろには大吟醸ケーキも)の開発や、電話で予約を受け付ける団体向けの酒蔵見学など、新たな試みにも取り組んでいます。
旭酒造の歩み
旭酒造は、現在の三重県多気郡明和町山大淀にあたる地で、明治8年(1875年)に初代の西山利平治が創業した蔵元です。創業以来、伝統とのれんを守りながら地酒を造り続けています。
この蔵のある大淀は、伊勢神宮にゆかりの深い土地です。天皇に代わって天照大神に仕えた斎王の住まいがあった斎宮のある明和町にあり、斎王と在原業平の恋を描いた伊勢物語の舞台としても知られます。伊勢神宮が現在の地に鎮座する前に、都からの使者として訪れた大和姫が最初に仮住まいした場所とも伝えられ、蔵はこうした歴史と風土を酒造りの背景としています。
現在の蔵は大正12年の建築です。昼でも薄暗く、窓が少なく日光を入れない造りの木造の蔵で、巨大な木桶を吊り上げ下げする阿弥陀車や、もろみを搾る槽(ふね)が残ります。
平成28年には、明和町と皇學館大学を中心に産学官連携の日本酒プロジェクトが始まりました。学生と地元の農業生産法人が地元の田んぼで酒米を育て、旭酒造が醸す日本酒「神都の祈り」が生まれ、田植え、稲刈り、酒の完成の節目には、神道を学ぶ学生たちによる神事が行われています。このプロジェクトの純米大吟醸「斎王」は、令和2年(2020年)のロンドン酒チャレンジで、純米大吟醸部門のプラチナ賞に選ばれました。
また、令和7年度(第12回)の農林水産省「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」では、このプロジェクトがビジネス・イノベーション部門の全国選定地区に選ばれています。
酒造りの特徴
仕込みに使うのは、三重県産の酒造好適米「神の穂」と山田錦、そして伊勢平野を潤す櫛田川の伏流水です。山田錦の麹と櫛田川の伏流水を用い、長期低温発酵でじっくり醸します。蔵の横の自家水田では、酒造好適米の北錦も栽培しています。
近代化や機械化が進んだ今も、仕込みの工程は杜氏と蔵人が手作業で進めます。蒸したての熱い酒米を手で広げて仕込みに適した温度まで冷ます「放冷」や、仕込みタンクの中を櫂で混ぜる「櫂入れ」といった作業が、人の手で受け継がれています。
蔵では冬季限定で、火入れをせずに出荷するしぼりたて原酒と、昔のどぶろくのように味にふくらみを持たせたにごり原酒(アルコール分18度)も造ります。大吟醸を使ったアイスや、地元産の伊勢芋と酒、酒粕を生地に使った酒まんじゅうといった菓子もあります。2013年ごろには、パティスリー・パパとの協同で大吟醸と酒粕を使った予約制の「大吟醸ケーキ[斎]」も案内していました。そのほか、伊勢志摩のホテルや旅館向けのオリジナル清酒も造っています。
もろみを搾る場所は「槽場(ふなば)」、搾る機械は「槽」と呼びます。圧力をかけずに自然に流れ出る最初の酒を「荒走り」、続く部分を「中垂れ」、最後に搾られる部分を「責め」といいます。酒造りは秋に収穫した新米を使い、11月から翌年3月ごろまでの寒造りで行います。神都の祈りでは、田植えや稲刈りに参加できる行事があり、醸造祭の一環として蔵での日本酒仕込み体験も毎年開かれています。令和8年1月の仕込み体験は、各日5名の少人数で、放冷や櫂入れを体験し、春に完成した新酒が自宅に届く内容でした。
代表銘柄
伊勢旭
伊勢旭の銘柄で、大吟醸、純米酒、上撰などを造っています。杜氏の手作りによる大吟醸は山田錦と神の穂を50%まで精米し、特殊酵母で長期低温発酵させた酒で、フルーティな香りと華やかな味わいが特徴です。ふくよかな味と香りの「上撰 伊勢旭」は、五穀豊穣を祈って毎年伊勢神宮に奉納されています。
神都の祈り
明和町と皇學館大学の産学官連携プロジェクトから生まれた日本酒で、旭酒造が醸すのは純米大吟醸「斎王」です。三重ブランド米の神の穂だけを原料に、地元の伏流水で仕込んだ地元100%の酒で、日本酒度は+5、アルコール分は15〜16度です。令和2年のロンドン酒チャレンジで純米大吟醸部門のプラチナ賞に選ばれました。
兄弟酒
伊勢志摩出身の歌手・鳥羽一郎さんの曲「兄弟酒」を記念し、本人からの依頼を受けて特別に造られた酒です。山田錦と神の穂を50%まで精米した原料で、芳醇な香りを持ち、さらっとした喉越しの中にコクのある味わいに仕上げています。720ml詰でアルコール分は15度で、鳥羽展望台には曲の歌碑があります。
見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 補足
- 酒蔵見学は各種団体向けで、電話での事前予約が必要です。見学料は1人1,000円(税込)で、ビデオ鑑賞や利き酒も用意されます。搾りの時期には、見学者だけが搾りたての酒を味わえることもあります。1〜2月は繁忙期のため休止し、11〜12月と3月は仕込み中のため見学時間が短くなります。そのほかの月も対応できない場合があるため、事前に問い合わせてください。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 三重県多気郡明和町山大淀1767
- 創業
- 1875年
- 公式サイト
- asahisyuzou.jp
出典
japansake.or.jp / asahisyuzou.jp / meiwa-qu.com / asoview.com / the-kansai-guide.com / londonsakechallenge.com / kankomie.or.jp / kogakkan-u.ac.jp
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