萬年亀酒造
代表銘柄:金将門・萬年亀・萬屋荒神
福岡県
FUKUOKA
1892年創業
福岡県久留米市に位置する萬年亀酒造は、1892年(明治25年)創業の歴史ある酒蔵です。銘柄には「萬年亀」「萬屋荒神」「金将門」があります。仕込み水には敷地内の井戸から汲み上げる天然水(久住水系)を用い、大吟醸、純米吟醸、純米、本醸造といった特定名称酒のほか、玄米をそのまま発酵させた独自の玄米日本酒「琥珀のつぶやき」などを展開してきました。過去には全国新酒鑑評会で金賞を受賞した実績も有しています。
2016年の熊本地震では蔵が壊滅的な打撃を受けるなどの困難に直面しながらも製造を継続してきましたが、近年は後継者不在などの課題を抱えていました。その後、2025年12月に伝統ある酒造りの灯を次世代に繋ぐため、同じ福岡県の「株式会社天郷醸造所」へ全株式が譲渡され、蔵としての営業を終えました。
萬年亀酒造の歩み
萬年亀酒造株式会社は、明治25年(1892年)に清酒製造業として創業しました。創業の地は、現在の福岡県久留米市三潴町草場にあたります。創業当時に建てられた木造の酒蔵を長く使い続けており、平成3年(1991年)の大型台風にも耐えて、その姿を保ってきました。
品評会でも着実に実績を重ねてきました。平成2年には福岡国税局主催の清酒鑑評会で優等賞を受賞し、平成9年には福岡国税局主催の新酒鑑評会での優等賞、国税庁主催の全国新酒鑑評会での金賞、福岡国税局主催の秋季清酒鑑評会での金賞と、一年のうちに三つの賞を受賞しています。その後も平成18年と平成20年の全国新酒鑑評会で入賞を重ねました。
平成28年(2016年)に発生した熊本地震では、酒蔵が壊滅的な被害を受けました。この打撃を乗り越えて醸造を続けてきたものの、近年は後継者が定まらないという課題を抱え、廃業の危機にありました。
こうした状況を受けて、2025年12月12日、株式会社天郷醸造所が萬年亀酒造の全株式を取得する株式譲渡契約を締結しました。天郷醸造所は2023年12月に設立された福岡県田川郡福智町の企業で、清酒以外の醸造酒であるクラフトサケの製造販売を手がけています。天郷醸造所の中山雄介代表は、同郷である福岡県の酒蔵の灯を絶やさないための事業承継であるとし、萬年亀酒造が長年培ってきた有形無形の資産を受け継いで次世代へつなぐ考えを語っています。
萬年亀酒造は1892年の創業以来130年以上にわたり、久留米市で地域に根差した清酒製造を続けてきました。天郷醸造所は、この製造の基盤を生かし、福岡県発の新しい酒蔵として日本酒文化の保存と発展に貢献していく考えを持っています。
2025年12月の株式譲渡に伴い、萬年亀酒造としての酒造りの現場は営業を終えました。
酒造りの特徴
仕込み水には敷地内の井戸から汲み上げる天然水を用いており、水源は久住水系に属しています。この水を使い、大吟醸、純米吟醸、純米、本醸造といった特定名称酒を造ってきました。全国新酒鑑評会での金賞受賞を機に、こうした特定名称酒の販売に一層力を注ぐようになりました。
看板商品のひとつに、玄米を精米せずにそのまま発酵させた玄米日本酒「琥珀のつぶやき」があります。原酒のまま瓶詰めして届けており、スペインのシェリー酒に似た風味を持ち、ストレートやロック、水割り、お湯割りなど多様な飲み方で楽しめる食中酒です。一度に50ミリリットルから100ミリリットル程度を目安に飲む健康酒として位置づけられており、精米せずに醸す玄米酒は全国でも4、5軒ほどの蔵でしか手がけられていない希少な造り方です。仕込みに使った酒粕は、味噌汁や炊き込みご飯、パン、パンケーキ、浅漬けなど幅広い料理に活用できます。
大吟醸には、酒袋をタンクの内側に下げてもろみを入れ、圧搾せずに滴り落ちるしずくだけを集める手法で仕上げた、精米歩合40%の大吟醸「大吟醸ふくろこし」があります。また、福岡県が育成した糖度の高いいちじく品種「とよみつひめ」を原料に、いちじくのリキュール「いちじくとよみつひめ」も手がけており、全国的にも珍しい商品として展開してきました。
代表銘柄
金将門
金将門は、萬年亀酒造が手がけていた銘柄です。商品「金将門純米」は特定名称が純米酒で、原料米には福岡県で育成された酒米「夢一献」を用いていました。仕込み水は、萬年亀や萬屋荒神と同じく、敷地内の井戸から汲み上げる久住水系の天然水です。萬年亀酒造は1892年の創業以来、この水と米で酒を醸してきました。
萬年亀
萬年亀酒造の看板銘柄で、蔵の名を冠した代表銘柄です。日本酒造組合中央会の酒蔵検索にも萬屋荒神とともに登録されています。仕込み水には敷地内の井戸から汲み上げる久住水系の天然水を用い、純米酒は高度に精白した福岡県産米で仕込んだまろやかな味わいに仕上げています。全国新酒鑑評会での金賞受賞をきっかけに、この銘柄をはじめとする特定名称酒の販売に力を入れるようになりました。
萬屋荒神
萬屋荒神は「よろすやこうじん」と読み、萬年亀とともに日本酒造組合中央会の酒蔵検索にも登録されている銘柄です。仕込み水には萬年亀と同じく、敷地内の井戸から汲み上げる久住水系の天然水を用いています。1892年の創業以来、萬年亀酒造がこの土地で酒造りを続けるなかで、萬年亀と並んで守られてきた銘柄のひとつです。
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 補足
- かつては4月から12月にかけて事前予約制の蔵見学を受け付け、春(3月)と秋(10月)には蔵開きを開催していました。入場は無料で、400円を支払うと数種類のお酒を好きなだけ試飲でき、大吟醸は一杯までとされていました。他に無料の甘酒やお酒のおつまみも楽しめました。2025年12月の事業譲渡に伴い、蔵としての営業を終えています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 福岡県久留米市三潴町草場68-4
- 創業
- 1892年
- 公式サイト
- www.mannengame.info
出典
japansake.or.jp / prtimes.jp / saketime.jp / biz-maps.com / crossroadfukuoka.jp / sakenomy.jp / amanosato-sake.com / mannengame.info / nishinippon.co.jp / welcome-kurume.com / sakenowa.com / nrib.go.jp / nipponsake.jp / sakeno.com
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