御殿場石川酒造
代表銘柄:榮・雪解
静岡県
SHIZUOKA
1882年創業
現在の静岡県御前崎市にあたる地で1882年に創業し休眠していた石川酒造の事業を引き継ぎ、2025年1月に静岡県御殿場市印野にて「御厨榮蔵(みくりやさかえぐら)」として新たに開業した酒蔵です。富士山の雪解け水が数十年かけてろ過された伏流水(軟水)を仕込み水とし、最新鋭の設備のもとで醸造を行っています。代表銘柄には、地元ブランド米「御殿場コシヒカリ」を100%使用した「雪解(ゆきげ)」と、静岡県産の酒米「令和誉富士」などを用いた「榮(さかえ)」があります。
「雪解」は「全国燗酒コンテスト2025」プレミアム熱燗部門での金賞や「ふじのくに新商品セレクション2025」金賞、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2026」プレミアム純米部門金賞などを獲得しており、地元の米と水を生かした「オール御殿場産」の地酒造りに取り組んでいます。
御殿場石川酒造の歩み
御殿場石川酒造は、静岡県東部で飲食店や仕出し宅配などを展開するつぼぐちグループが興した酒蔵です。グループの発祥は、1955年に坪口榮二代表の母が御殿場市内で始めた「坪口商店」で、1983年の「つぼぐち本店」で飲食事業に進み、2000年にとんかつの「かつ榮」を出店しました。2015年には自社農場の「つぼぐちファーム」を設立し、コシヒカリなどの栽培を始めています。
地元の米で地酒を造りたいという思いから、坪口代表は当時御殿場に唯一残っていた酒蔵にプライベートブランドの日本酒造りを打診しましたが、話はまとまりませんでした。そこで取引先の提案を受け、酒造りをやめても清酒製造免許を持ち続けている蔵を承継し、免許を御殿場へ移す道を探りました。最初に会ったのが、現在の御前崎市にあたる地で1882年に創業した石川酒造です。長年「鷹松」の銘柄で酒造りをしていましたが、オイルショック後の需要低迷期に自醸をやめ、その後は販売も休んで事実上の休眠状態にありました。
創業家は、免許を返上すれば完全に消えてしまうと考えて保持してきたといい、静岡県内で酒造りを始めるなら喜んで承継したいと応じ、2019年に石川酒造はグループの傘下に入りました。社名には創業家の思いを受け継ぐ意味を込め、「御殿場石川酒造」と名づけています。
当初は2021年の新蔵完成を見込んでいましたが、新型コロナウイルス感染症の影響でグループの飲食店が休業や営業短縮を迫られ、酒造りの開始は大きく遅れました。その間に全国の新設の酒蔵を見て回り、納得のいく品質のために必要な設備はすべて入れる方針を固めています。地元の農家や経営者にも趣旨を説明して回った結果、有志が用地を購入して蔵を建て、御殿場石川酒造は土地と建物を賃借して酒造りに専念する体制ができました。
新蔵は御殿場市印野に完成し、2024年12月16日に最初の仕込みの上槽を迎え、2025年1月中旬の蔵開きで「雪解」と「榮」が披露されました。蔵が建つ一帯は、かつて伊勢神宮の荘園で、神饌を調理する建物を意味する「御厨(みくりや)」と呼ばれた土地で、蔵名の「御厨榮蔵」にもその名が入っています。
全国新酒鑑評会では、酒造りを始めた令和6酒造年度と令和7酒造年度のいずれも「榮」が入賞しています。全国燗酒コンテスト2025には939点が出品され、「榮 ひとごこち 純米吟醸」がプレミアム熱燗部門、「榮 美山錦 純米吟醸」がプレミアムぬる燗部門でそれぞれ最高金賞に選ばれました。蔵の発表では、いずれも初出品での最高金賞のダブル受賞です。同じコンテストでは、「雪解 純米吟醸」と「榮 令和誉富士 純米吟醸」がプレミアム熱燗部門、「雪解 CA-50 純米吟醸」がプレミアムぬる燗部門で金賞を受けました。
2026年の同コンテストでは、「雪解 純米吟醸」が極上お値打ち熱燗部門で最高金賞に選ばれています。2025年度の名古屋国税局酒類鑑評会(第74回)では、燗酒の部の優等賞に「榮 美山錦 純米吟醸」と「雪解 CA-50 純米吟醸」の2銘柄が選ばれました。
ワイングラスでおいしい日本酒アワード2026では、「雪解 純米吟醸」がプレミアム純米部門で、「榮 ひとごこち 純米吟醸」がメイン部門2000で、「榮 令和誉富士 純米大吟醸」と「榮 来光 純米大吟醸」がプレミアム大吟醸部門で、それぞれ金賞を受賞しました。また静岡県の「ふじのくに新商品セレクション」2025でも、「雪解 純米吟醸」が金賞に選ばれています。
酒造りの特徴
仕込み水は、富士山に降った雪解け水が数十年という歳月をかけて地中でろ過され、湧き出した伏流水です。蔵はこれを地下約150メートルからくみ上げており、軟水でまろやかな味わいが特徴です。
米は御殿場産と静岡県産を軸にしています。「雪解」には御殿場コシヒカリを100%使い、「榮」には、令和5年産から静岡県内に登場した酒造好適米「令和誉富士」のほか、美山錦、ひとごこち、五百万石、山恵錦、山田錦を使った商品もあります。蔵は酒米づくりにも着手しており、ゆくゆくは静岡県内産・御殿場産の酒米だけでの酒造りを目指しています。
醸造場には、10キログラム単位で洗米できる最新式の機器、温度管理のできるサーマルタンク9基、パネル式の麹室2部屋がそろい、搾り機は0度まで下げられる冷蔵庫の中に置かれています。仕込みは小仕込みで、2025年時点では純米吟醸と純米大吟醸の2種類を造っています。酵母は静岡酵母を中心に、商品によっては小川酵母も使っています。
酒造りは、大阪、石川、岐阜、群馬の蔵で経験を積んだ杜氏の植村正彦さんを含む3人で始まりました。最初の仕込みは酒造好適米ではなく食用の御殿場産コシヒカリで、この酒に「雪解」の名が付けられ、それ以外の米の酒は「榮」となりました。「雪解 純米吟醸」は静岡酵母を使い、精米歩合は60%、アルコール分は16度です。
代表銘柄
榮
「榮」は、御厨榮蔵が御殿場産コシヒカリ以外の米で醸す銘柄です。令和誉富士の純米吟醸と純米大吟醸のほか、美山錦、ひとごこち、五百万石、山恵錦の純米吟醸や純米大吟醸、山田錦を精米歩合40%まで磨いた純米大吟醸「来光」などがあります。全国燗酒コンテスト2025ではひとごこちと美山錦の純米吟醸が最高金賞に選ばれました。
雪解
「雪解(ゆきげ)」は、御殿場コシヒカリを100%使った純米吟醸で、御厨榮蔵で最初に仕込まれた酒です。静岡酵母を用い、精米歩合は60%、アルコール分は16度です。富士山の雪解けをイメージした銘柄で、やわらかな口当たりとすっきりした味わいが持ち味です。ふじのくに新商品セレクション2025で金賞を受賞しました。
見学・購入
- 直売所
- 蔵に併設の販売所で、蔵の酒を購入できます。公式オンラインショップでも販売しています。
- 補足
- 販売所の営業時間は10時から16時、定休日は不定休です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 静岡県御殿場市印野1388-37
- 創業
- 1882年
出典
pref.shizuoka.jp / hanakoubo.jp / homarefuji.com / gotembaishikawashuzo.com / odschool.jp / sakestreet.com / shizuoka-sake.jp / at-s.com / jal.co.jp / shop.gotembaishikawashuzo.com / look.satv.co.jp / kansake.jp / tsuboguchi.co.jp / finesakeawards.jp / jp.sake-times.com / furusato.jal.co.jp / nrib.go.jp
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