SAKE BREWERY — SHIZUOKA

富士高砂酒造

静岡県富士宮市宝町9-25 1830年創業

紹介

静岡県富士宮市、富士山本宮浅間大社の西側に位置する富士高砂酒造は、1830年(天保元年)に初代・山中正吉によって創業された酒蔵です(当時の屋号は「中屋」)。仕込み水には、100年の歳月をかけて自然濾過された富士山の伏流水(超軟水)を使用しており、口当たりが優しく、ほのかに甘みと旨みを感じるまろやかな酒質が特徴です。

代々能登杜氏の技術を継承した伝統的な「山廃仕込み」を得意としており、自蔵に自生する微生物(乳酸菌等)の働きを活かした風味豊かな酒造りを行っています。代表銘柄には「高砂」や「駿州中屋」があります。

受賞歴としては、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)純米酒部門での金賞およびリージョナルトロフィー(静岡純米トロフィー)の獲得や、Kura Masterでのプラチナ賞・金賞受賞など、国内外の品評会で高い評価を得ています。

歴史

富士高砂酒造の始まりは天保元年(1830年)にさかのぼります。近江国日野(現・滋賀県日野町)出身の日野商人であった初代・山中正吉が、富士郡大宮町(現在の静岡県富士宮市)、富士山本宮浅間大社の西側の地で酒蔵を興しました。屋号は「中屋」と名乗り、これが現在の代表銘柄「駿州中屋」の由来となっています。創業に先立つ文政年間には、東海道を行商中に吉原宿で助けた病人が能登杜氏であったことから意気投合し、天間村(現・富士市)で酒造業を興したという言い伝えが伝わっています。天間の店は失敗して閉じましたが、能登杜氏との縁はその後も続きました。以来、山中正吉商店は代々能登杜氏によって酒造りが受け継がれてきました。

昭和期には、後に石川県の菊姫で杜氏を務め「酒造りの神様」とも呼ばれるようになった農口尚彦氏が、1949年、16歳の頃にこの蔵(当時の山中正吉商店)で蔵人として奉公し、修業を始めたという経歴が伝えられています。同氏はその後、三重県の造り酒屋などで研鑽を積み、後年に杜氏として大成しました。

その後、1955年に株式会社化し、1997年には社名を現在の「富士高砂酒造株式会社」へと改めました。もう一つの代表銘柄「高砂」は、婚礼などでよく謡われる謡曲「高砂」にちなんで名づけられたもので、清めや和合を願う想いが込められているとされています。

蔵の店舗兼事務所は地域の景観資産としても評価されており、2010年度の富士宮市景観賞で最優秀賞を受賞したのち、2015年3月には富士宮市景観重要建造物の第1号に指定されました。2017年11月には新蔵も景観重要建造物として追加指定されています。

酒造り

仕込み水には、富士山に降った雪や雨がおよそ100年の歳月をかけて溶岩層を通り自然濾過された伏流水を使用しています。発酵力の弱い超軟水で、この水質が高砂の酒に共通する「口当たりの優しい、ほのかに甘さを感じる」酒質を生み出しています。

醸造の中心となるのは、能登杜氏から代々伝承されてきた「山廃仕込み」です。人工の乳酸を添加せず、自蔵に生息する乳酸菌の働きを利用して長い時間をかけて酒母を育てる手法で、蔵独自の風味と原料米の旨味を引き出します。東北・北陸地方の山廃酒がしっかりとした酸味や骨格を持つのに対し、富士高砂酒造の山廃酒は同じ仕込み水由来の軟らかさを保ち、大人しく優しい口当たりでほのかな甘さを感じる酒質に仕上がるとされています。仕込みには静岡酵母も用いられています。

杜氏は「迷った時は手のかかる方を選べ」「手をかければかけるほど酒は応えてくれる」という考え方を大切にしていると紹介されており、大量生産を志向せず、造り続けながら味を磨いていく姿勢を掲げています。

蔵データ

所在地

静岡県富士宮市宝町9-25

創業

1830年(静岡県)

公式サイト

fuji-takasago.com

代表銘柄

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駿州中屋:創業時の屋号「中屋」に由来する銘柄で、富士山の超軟水を仕込み水とし、山廃仕込みの本醸造もラインナップされています。ラインナップは辛口が中心で、純米辛口は日本酒度+10ながら軟水由来のやわらかい口当たりで、米の旨味と心地よい苦味がバランスする旨辛口です。燗でも冷やでも楽しめる、蔵の原点を伝える食中酒です。

高砂:謡曲「高砂」にちなんで名づけられた蔵の主力銘柄です。看板商品「山廃純米辛口」はインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)純米酒部門で2019年・2022年・2024年に金賞を受賞し、2022年には静岡・純米トロフィーも獲得しました。Kura Masterでも「山廃大吟醸」がクラシック酛部門でプラチナ賞、「特別純米辛口」「純米 超旨辛」が純米酒部門で金賞を受賞するなど、国内外の品評会で高く評価されています。

見学・購入

蔵見学

あり(要事前確認)

直売所

蔵に直売店を併設しており、平日9時〜17時、土日祝10時〜17時30分に営業しています(1月1日〜3日は休業)。直売店限定のグッズを取り揃えるほか、新酒シーズンには搾りたての生酒も販売されます。

補足

蔵見学は事前予約制で見学料は無料、所要時間は約45分で試飲も含まれます。駐車場は自家用車5台・大型バス2台・マイクロバス2台分を用意しており、JR西富士宮駅から徒歩約9分の立地です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

at-s.com / japansake.or.jp / gurutto-fujinomiya.com / sakenomy.jp / shizuoka-sake.jp / wikipedia.org / fuji-takasago.com / sakemuseum.com / homarefuji.com / fujinomiya-foodvalley.jp / kuramaster.com / ja.wikipedia.org / fujinomiya.gr.jp / jp.sake-times.com / saketime.jp

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