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花の舞酒造

代表銘柄:花の舞

静岡県

SHIZUOKA

1864年創業

花の舞酒造の建物
花の舞酒造の建物(2013年撮影)「花の舞酒造 - panoramio.jpg」 — 写真:Sato S / CC BY-SA 3.0縮小・WebP変換

江戸末期の1864年(元治元年)に創業。銘柄および社名の「花の舞」は、天竜川水系に古くから伝わる奉納踊りに由来し、五穀豊穣を祈願する稲の花を意味しています。

酒造りにおいては静岡県産の原料米(山田錦など)と南アルプス赤石系の地下水を使用し、100%静岡県産の素材にこだわった地酒を醸しています。普通酒の製造を取りやめて特定名称酒のみを手掛けるほか、四季醸造設備を活かした酒造りや、微発泡清酒「ちょびっと乾杯」、ワイン酵母を用いた「Abysse(アビス)」など、伝統を守りつつ新しい日本酒の価値を創出する商品展開を行っています。

受賞歴も豊富で、全国新酒鑑評会での金賞受賞をはじめ、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)やKura Masterなど国内外の品評会で多数の賞を獲得しています。

花の舞酒造の歩み

花の舞酒造の創業は、江戸末期の元治元年、1864年です。創業者の高田市三郎が、遠江国あらたま村宮口で清酒醸造業を始めました。創業の地は、いまの浜松市浜名区宮口にあたります。秋葉街道の宿場町にあたる土地で、蔵は庚申寺の門前、石畳の道沿いにあります。社名であり銘柄でもある「花の舞」は、天竜川水系に古くから伝わる奉納踊りの名に由来します。「花」は命の糧となる稲の花を表し、五穀豊穣への祈りが込められています。

1949年(昭和24年)に、花の舞酒造の前身にあたる引佐酒造株式会社が設立され、社長に高田利一が就任しました。この年に清酒製造免許を取得し、清酒「花の舞」の醸造を始めています。1956年(昭和31年)に花の舞酒造株式会社と改称し、1973年(昭和48年)には高田和夫が27歳で社長に就きました。1978年(昭和53年)に本醸造「つう」、1985年(昭和60年)に「秘造り大吟醸」と純米生酒を発売し、1983年には焼酎乙類、1986年にはリキュール類の製造免許も取得しました。

1988年(昭和63年)には新酒味見会「酒蔵開放」を始め、この催しは今も10月の蔵開放として続いています。

1989年(平成元年)に地元の契約農家で酒造好適米の栽培を始め、翌1990年(平成2年)には新しい酒造蔵が完成しました。この年に普通酒の製造をやめ、特定名称酒だけを造る蔵になっています。1991年(平成3年)には社員から初めて土田杜氏が誕生し、1996年(平成8年)には、静岡県新酒鑑評会の県知事賞、名古屋国税局新酒鑑評会の局長賞、全国新酒鑑評会の金賞をそろえて三冠を達成しました。

2002年(平成14年)には使用する米のすべてが静岡県産米になり、2003年(平成15年)に大吟醸専用の仕込蔵を設け、2004年(平成16年)には洗びんから瓶詰め、瓶火入れ、検品、ラベル貼りまでを担う製品工場を新築しました。2013年(平成25年)には産業用ロボットを導入した新工場が完成しています。

全国新酒鑑評会では、1986年(昭和61年)に初めて金賞を受け、1992年、1994年、1996年、2000年、2002年、2014年、2017年から2019年までの3年連続、2021年と2022年の2年連続と、これまでに12回の金賞を受けています。入賞は2003年、2005年、2012年、2013年、2023年です。2021年の金賞は、杜氏が交代して鎌江杜氏の新体制になって最初の金賞でした。

名古屋国税局酒類鑑評会では、2002年に吟醸酒の部、2003年に吟醸酒の部と純米酒の部で入賞し、2006年には市販酒の評価で本醸造「つう」が本醸造酒の部の優等賞に選ばれました。その後、2013年から2019年まで毎年優等賞を受けており、2016年は吟醸酒・純米酒・本醸造酒の3部門すべてで、2017年は吟醸酒の部と本醸造酒の部で受賞しています。2021年は吟醸酒の部、2022年は吟醸酒の部と純米吟醸酒の部でも優等賞でした。

静岡県新酒鑑評会では、県知事賞を1998年に4年連続で受け、2006年(純米吟醸酒の部)と2014年(吟醸酒の部)にも受賞しました。2000年代以降は、吟醸酒の部で毎年のように会長賞以上の評価を受けています。

海外や、さまざまな分野のコンクールでも評価されています。インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)では、2016年と2017年に純米吟醸の熟成酒が金賞を受賞し、2016年には「純米吟醸 今宵は燗だね」が静岡トロフィーも受賞しました。ほかに2015年の純米大吟醸が銀賞、2025年の至福の極み 大吟醸が銅賞、2026年の小仕込み純米大吟醸 花の舞18が銀賞です。

フランスのKura Masterでは、2022年に至福の極み 純米大吟醸が純米大吟醸酒部門でプラチナ賞(上位5位)、Abysse Sparklingがサケ スパークリング部門で金賞を受賞しました。2024年にはAbysse Sparklingがプラチナ賞、2025年には花の舞スパークリングと至福の極み 大吟醸が金賞を受けています。微発泡の「ちょびっと乾杯」は、モンドセレクションで2010年から2019年まで毎年金賞を受賞し、2021年にはワイングラスでおいしい日本酒アワードで最高金賞を受賞しました。

2019年に発売したワイン酵母の「Abysse」はグッドデザインしずおかの特別賞に選ばれ、2025年にはフランス・ブルゴーニュ地方のドメーヌ、シモンビーズと業務提携を結んで、hananomai bizeと花の舞スパークリングを発売しています。

酒造りの特徴

花の舞酒造が掲げる酒造りの軸は、静岡県産の米と南アルプスの水です。米はもともと地元農家と契約して酒造好適米を確保してきました。静岡県西部の気候風土が山田錦の栽培に適すると確かめられ、いまでは本場兵庫産にも劣らない山田錦が収穫されています。蔵が呼びかけて地元の酒米農家が挑戦を始めた取り組みは、のちに花の舞を事務局とする静岡山田錦研究会になりました。5月の育苗検査、7月から9月の現地調査(杜氏が会員とともにすべての圃場を回ります)、11月の成分検査と5段階評価と、年間を通じて栽培を見守っています。

仕込み水には、蔵の背後にそびえる南アルプス赤石系の山々から湧き出る地下水を使います。山々が天然のダムの役割を果たし、酒造りに適した軟水が得られます。蔵ではほぼ1年を通して仕込む四季醸造を行っています。冷却技術を使うことで、設備を大型化せずに仕込みを小分けにでき、きめ細かな酒造りができます。杜氏は外部に頼らず、社内で育てた蔵人が務めます。土田一仁名誉杜氏から鎌江杜氏へと、技術が引き継がれています。

大吟醸造りは、年が明けた早朝に始まります。低温でじっくり発酵させるには、寒さの厳しいこの時期がもっとも適しているためで、技術を伝えていくため、機械に頼らず全工程を手造りで行います。米は山田錦研究会から買い取った地元産の山田錦で、精米歩合40%まで磨きます。浸漬はストップウォッチを手に秒単位で管理し、蒸米は外側が硬く内側が軟らかい状態に仕上げます。麹室は温度30度以上、湿度60%の環境で、麹蓋に分けた麹を数時間おきに手入れし、蓋を積み替えて酸素を送ります。

酵母は静岡県産酵母のみを使い、醪は1か月ほど低温で発酵させ、酒袋に詰めて槽で搾ります。

2022年には小仕込み設備を備えた吟醸蔵を設けました。出荷量は静岡県内でもトップクラスで、静岡県産の山田錦は自家精米しています。新しい挑戦として、フランス・ブルゴーニュ地方シャブリの白ワイン酵母で醸す「Abysse」は、静岡県産米と赤石山系の地下水で醸し、精米歩合60%、アルコール度数12%です。洋食に合う日本酒をめざして2019年に生まれました。2026年発売の「花の舞18」は、特別栽培の山田錦を精米歩合18%まで約90時間かけて磨き、一人の杜氏が小仕込みで仕込む純米大吟醸です。

代表銘柄

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花の舞

花の舞は、蔵の名を冠した看板銘柄で、特定名称酒だけを造る蔵の中心です。最高峰の「大吟醸」は静岡県産山田錦を精米歩合40%まで磨き、静岡酵母New-5で醸します。ほかに吟醸酒、本醸造「つう」、純米酒、夏の「スターマイン」、微発泡の「ちょびっと乾杯」、ワイン酵母の「Abysse」まで幅広い品ぞろえがあり、酒蔵でも直営店でも買えます。

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見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
本店(浜松市浜名区宮口)では期間限定酒などを除く全種類を常時販売し、酒粕、前掛け、手ぬぐいなども扱っています。浜松駅構内のエキマチ店と、静岡駅ビルのパルシェ店(2025年3月開業、スタンディングバー併設)にも直営店があります。
補足
酒蔵見学は10:00〜16:30、所要60分前後で無料です。予約なしでも最大10人まで案内でき、試飲のみの立ち寄りは約30分です。団体は50人まで受け付けます。酒造りの紹介動画、貯蔵タンク、仕込み水、精米機、搾りの順に巡り、最後に本店で試飲できます。仕込みは朝早くに行うため、当日説明できない工程もあります。もろみを自分で搾って720mlを持ち帰る「しぼり体験」(3,300円、1日2回、約30分、完全予約制で3日前までに予約)もあります。最寄りは天竜浜名湖鉄道の宮口駅で、新東名の浜松SAスマートICからは車で約5分です。年始の1月1日と2日は休みです。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
静岡県浜松市浜名区宮口632
創業
1864年
公式サイト
hananomai.co.jp

出典

sakenomy.jp / hananomai.co.jp / japansake.or.jp / hamamatsu-daisuki.net / waterserver-mizu.com / shizuoka-sake.jp / pref.shizuoka.jp / city.hamamatsu.shizuoka.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / kuramaster.com

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