本文へ移動

杉井酒造

代表銘柄:杉錦・八百萬・ふじほの香

静岡県

SHIZUOKA

1838年創業

静岡県藤枝市に所在する天保9(1838)年創業の酒蔵です。酒銘は明治中期の「亀川」、大正期の「杉正宗」を経て、昭和初期より現在の代表銘柄である「杉錦」となりました。2000年からは6代目代表の杉井均乃介氏が自ら杜氏を務めています。酒造りの最大の特長は、生酛(きもと)・山廃・菩提酛(ぼだいもと)といった伝統的な酒母造りに特化している点です。華やかな吟醸香を重視する方向性とは異なり、原料米を磨きすぎない素朴さや伝統製法による酸味・コク・複雑な旨味を生かした辛口の酒質を追求しています。

食中酒として飲み飽きせず、熟成や燗酒で味わいが引き立つ日本酒造りを行っており、「杉錦」のほか山廃純米的「八百萬」などを展開しています。また清酒だけでなく、静岡県内唯一となる純米本みりん「飛鳥山」や、本格焼酎「才助」の製造も手がけています。

杉井酒造の歩み

杉井酒造は天保9年(1838年)、杉井本家から分家した杉井才助が、当時の高洲村(現在の藤枝市小石川町)で商いを始めたことに始まります。日本酒の酒銘は明治中期まで「亀川」、大正期までは「杉正宗」と名乗っており、現在まで続く「杉錦」となったのは昭和初期に入ってからのことです。

かつては能登杜氏や飛騨杜氏、南部杜氏など各地から職人を招いて酒造りを担ってもらう体制をとっていましたが、2000年に六代目の杉井均乃介氏が杜氏を兼任するようになってからは、年間を通じて雇用する従業員を中心とした酒造りに切り替えました。杉井氏は1957年生まれで、東京農業大学の醸造学科を卒業したのち1982年に杉井酒造へ入り、国税庁醸造試験所での研修などを経て1994年に代表取締役へ就任、2000年からは杜氏も兼ねています。

杉井酒造の酒造りを特徴づけているのが、生酛・山廃・菩提酛といった伝統的な酒母造りへのこだわりです。現在の日本酒の大半は乳酸を添加する速醸酛で造られていますが、杉井酒造では一度は廃れさせていたこれらの伝統製法を、杉井氏が杜氏を務めるようになった時期を境に改めて中心に据えました。なかでも菩提酛は室町時代に奈良県の菩提山のふもとで確立したと伝わる製法で、現在も手がける蔵は全国で十数蔵にとどまっています。

清酒以外にも、杉井酒造は静岡県内で唯一となる純米本みりん「飛鳥山」を造っています。みりんの製造を始めた時期ははっきりしませんが、明治43年の大洪水の際に重要資料をまとめた箱には、水害による損害で味醂の免税が行われた旨が記されており、焼津港周辺の水産練り物の原料としての需要に応える中で造られるようになったと伝わっています。焼酎については、かつて造っていた粕取り焼酎を昭和50年頃に一度取りやめたのち、平成13年(2001年)から芋や米を原料とするもろみ取りの焼酎「才助」の製造を再開しました。

酒造りの特徴

杉井酒造が力を入れているのは、華やかな吟醸香を主眼とする吟醸造りとは異なる方向性の酒質です。原料米を極端には磨き込まず、生酛・山廃・菩提酛によって育てた酒母を使うことで、酸味とコクのある複雑な味わいを引き出しています。搾りたてよりも夏を越して秋になってから味わいが乗る酒質や、燗をつけたときに旨みが広がる酒質を狙っており、食事に合わせて飲み飽きしない辛口の食中酒を目指しています。

純米大吟醸は、静岡県の吟醸造りの基礎を築いた河村伝兵衛氏の流れをくむ技術で仕込まれ、ほのかにメロンを思わせる香りに仕上げています。特別本醸造には静岡県の酵母「HD-1」を用い、麹はツキハゼ型、醪は低温でじっくり発酵させることで吟醸酒並みの粕歩合に仕上げるなど、規格を問わず吟醸的な香味を追求しています。大吟醸クラスの洗米は機械を使わず二人一組の手洗いで行い、浸漬時間を細かく調整することで高精白の米を割らずに仕込んでいます。

こうした酒造りは対外的な評価にもつながっています。全国新酒鑑評会では平成15年から17年にかけての発表で3年連続して金賞を受け、その後も入賞を重ねて令和7年発表分まで名を連ねています。静岡県清酒鑑評会でも、純米吟醸酒部門で平成19年と平成21年に県知事賞を、平成29年(28醸造年度)には純米吟醸酒部門と吟醸酒部門の2部門で県知事賞を受けています。

海外では、フランスの日本酒コンクール「Kura Master」で2018年度の純米大吟醸&純米吟醸酒部門において「杉錦 生酛純米大吟醸」と「杉錦 純米大吟醸」がそれぞれ金賞を受けたほか、純米酒部門では「杉錦 山廃純米 天保十三年」が2018年度と2019年度にプラチナ賞、2020年度に金賞を、「杉錦 菩提酛 純米」が2020年度にプラチナ賞を受けています。

国内では、全国燗酒コンテストで2021年に「杉錦 生酛特別純米酒」、2023年に「杉錦 特別本醸造」がそれぞれ金賞を受けたほか、名古屋国税局酒類鑑評会でも2023年に「杉錦 山廃純米 誉富士」が燗酒部門の優等賞を受けています。

代表銘柄

[PR] 本セクションは楽天アフィリエイトのリンクを含みます。画像は銘柄に関連する販売商品の一例です。

杉錦の関連商品画像関連商品・楽天市場

杉錦

「杉錦」は、亀川・杉正宗という酒銘を経て昭和初期に定着した杉井酒造の中心銘柄です。仕込みの多くを生酛・山廃・菩提酛といった伝統的な酒母で行い、原料米を磨き込みすぎない辛口の酒質に、酸味とコクを重ねた食中酒としての飲み飽きしなさを追求しています。看板の純米大吟醸は静岡吟醸の基礎を築いた河村伝兵衛氏の流れをくむ技術によるもので、フランスのKura Masterで2018年度に金賞を受けています。山廃純米「天保十三年」も同コンクールで2018・2019年度にプラチナ賞を受けています。

楽天で商品を見る

八百萬

「八百萬(やおよろず)」は、静岡県生まれの酒米「誉富士」を精米歩合70%まで磨き、山廃酒母で仕込んだ純米酒です。八百萬の神々や自然への感謝といった意味合いを込めて名付けられており、低温でじっくりと熟成させることで、山廃仕込みでありながら個性が突出しすぎないキレイで柔らかな味わいに仕上げています。冷やでも燗でも楽しめ、山廃造りの酒を飲み慣れていない人にも親しみやすい一本です。

ふじほの香

見学・購入

蔵見学
なし
直売所
公式オンラインショップでの通信販売
補足
一般向けの蔵見学は原則行っておらず、飲食店やホテルなど業務関係者からの見学希望のみ個別に受け付けています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
静岡県藤枝市小石川町4丁目6-4
創業
1838年
公式サイト
suginishiki.com

出典

japansake.or.jp / suginishiki.com / shokuhin-oem.jp / sakagura-press.com / sakemuseum.com / japon-belleza.com / sugiisake.base.shop / shizuoka-sake.jp / saketime.jp / sipory.jp / sakenowa.com / sake-quest.jp / sake-shirube.193inc.jp / nrib.go.jp / kuramaster.com / kansake.jp / jp.sake-times.com

本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。