SAKE BREWERY — NIIGATA
大洋酒造
紹介
新潟県村上市に蔵を構える大洋酒造は、1945(昭和20)年に地元の14の酒蔵が合併し「下越銘醸株式会社」として発足しました。母体となった酒蔵には寛永12(1635)年創業の古蔵も含まれます。1950年に「大洋酒造株式会社」へと社名を変更し、銘柄名も発足時の「越の魂」から一般公募で選ばれた「大洋盛」に改められました。
1972年には全国に先駆けて鑑評会出品向けの吟醸酒を市販化した歴史を持ちます。仕込み水には朝日連峰を水源とする三面川の伏流水を使用し、原料米には越淡麗をはじめとする新潟県産米を100%採用。蔵人や社員自らも酒米栽培に取り組んでいます。
代表銘柄には「大洋盛」のほか、特約店限定の「無想」、「北翔」などがあります。敷地内には酒造道具の展示や試飲を楽しめる常設展示場「和水蔵(なごみぐら)」を併設しています。関東信越国税局酒類鑑評会での最優秀賞をはじめ、各種鑑評会で多数の受賞歴を有しています。
歴史
大洋酒造株式会社は、地元・村上税務署管内にあった14の酒造業者が合併して発足した酒蔵です。1943年(昭和18年)に法令の指導を受けて合併準備が始まり、1945年(昭和20年)に「下越銘醸株式会社」として設立されました。資本金38万円、初代社長は村山良之丈で、酒名は「越の魂(こしのたま)」、初年度の製成量は237キロリットルでした。母体となった各蔵の歴史は古く、江戸時代の寛永12年(1635年)創業の蔵も含まれており、井原西鶴の「好色一代女」には、村上の富豪が京都の廓遊びの際に「京都の酒はまずい」と村上の酒を持ち込んだという逸話が記されています。
1950年(昭和25年)、社名を「大洋酒造株式会社」に、酒名を「大洋盛」に改めました。1970年(昭和45年)には国税庁の全国新酒鑑評会で初めて金賞を受賞し、1972年(昭和47年)には全国に先駆けて大吟醸酒「大吟醸大洋盛」を市販化しました。この一号以来、瓶一本ごとに通し番号を付け、購入者から感想とともに番号を記した愛用記録を送り返してもらう取り組みを続けており、シリアル番号は歴代社長が自ら手書きする慣習として今日まで受け継がれています。
1995年(平成7年)に会社創立50周年を迎え、2011年(平成23年)には酒造りの歴史や道具を紹介する常設展示場「和水蔵(なごみぐら)」を開場しました。同展示場は2020年、村上市の「歴史的風致形成建造物」の認定を受けています。2013年(平成25年)には杜氏が新潟県から「にいがたの名工」の認定を受けました。2025年(令和7年)5月12日には創立80周年を迎え、現在は9代目社長・中山芳則氏のもとで酒造りを続けています。
酒造り
仕込み水には、磐梯朝日国立公園内の朝日連峰に積もった雪解け水を水源とする三面川の伏流水を使用しています。数百年かけて自然にろ過されたクリアな軟水で、蔵元は「極上の仕込み水」になると説明しています。
原料米は新潟県産米を100%使用しています。大吟醸酒には長らく「山田錦」を用いてきましたが、2004年(平成16年)からは新潟県が開発した酒造好適米「越淡麗」に切り替え、蔵人自身が試験栽培の段階から田植えに参加してきました。2007年(平成19年)には、この越淡麗を使った大吟醸が、関東信越国税局酒類鑑評会において越淡麗を使った酒としては史上初めて新潟県総代(第一位)に選ばれました。
杜氏をはじめ蔵人は地元出身の酒造技能士で構成されています。杜氏は2008年に社団法人全国技能士会連合会から「全技連マイスター」の、2013年には新潟県から「にいがたの名工」の認定をそれぞれ受けました。2015年には製造の要となる麹室をリニューアルし、製麹装置を導入する一方で、あえて旧来型の搾り方式に対応するステンレス製の搾り機も新たに備えるなど、伝統と技術革新の両立を図っています。特定名称酒と普通酒の製造比率はおよそ6対4で、地元向けの普通酒造りも大切にしています。
蔵データ
代表銘柄
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- 越の魂
- 北翔
- 北照 うすにごり本生
越の魂:「越の魂」は、1945年の14蔵合併時に「下越銘醸株式会社」の酒名として誕生した、大洋酒造の原点となる銘柄です。1950年の社名・酒名変更後は表舞台から退いていましたが、1985年に吟醸タイプの高級酒「越の魂(こしのたましい)」として復活し、2005年には「純米吟醸 越の魂」も発売されました。蔵の歴史そのものを受け継ぐ銘柄です。
大洋盛:1950年の社名変更とともに誕生した、大洋酒造の看板銘柄です。淡麗辛口を基本としながら、純米大吟醸から特別本醸造、季節限定ラベルまで幅広いラインナップを展開しています。フラッグシップの「大吟醸 大洋盛」は、関東信越国税局酒類鑑評会で2001年以降4度、新潟県総代(第一位)に選ばれた出品酒をベースに醸されています。
北翔:江戸時代、乱獲で減少した三面川の鮭を回復させた村上藩士・青砥武平治にちなむ特約店限定シリーズです。武平治が考案した自然孵化増殖システム「種川の制」は1794年に完成し、明治維新で家禄を失った武士たちは鮭漁の収入を子弟の教育資金に充て、その資金で学び世に出た人々は村上で「鮭の子」と呼ばれました。定番酒はすっきりした中に腰のある味わいで、純米大吟醸は希少な「越淡麗」を贅沢に使い、まろやかな味わいに仕上げています。
無想:特約店限定の銘柄です。「無限の想い」を意味する名は、愛読していた飲酒詩選の中で出会った詩聖・杜甫の句「一酌散千憂(一杯で千の憂いも散る)」に着想を得て名付けられました。「何のために酒を醸すのか」という問いへの答えを込めた、蔵元の酒造り観を映す一本として位置づけられています。
見学・購入
あり(要事前確認)
敷地内の常設展示場「和水蔵(なごみぐら)」で、有料試飲と商品の購入ができ、ここでしか飲めない蔵出し原酒も味わえます。かつての仕込み蔵「益藤蔵」の見学は要予約で、展示見学・試飲・購入のみであれば予約は不要です。
所在地は新潟県村上市飯野1-4-31(大洋酒造敷地内)。営業時間は平日9:00〜12:00・13:00〜16:00、土曜・祝日10:00〜12:00・13:00〜16:00で、日曜と年末年始(12月31日〜1月3日)は休業です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
同じ新潟県の酒蔵
出典
taiyo-sake.co.jp / niigata-sake.or.jp / cushu.jp / sake3.com / ng-life.jp / sakedata.jp / asoview.com / city.murakami.lg.jp
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