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今代司酒造

代表銘柄:花柳界・今代司

新潟県

NIIGATA

1767年創業

今代司酒造は1767年に創業し、当初は酒の卸業や旅館業などを商いとしていましたが、明治中期に発酵食の町・新潟沼垂(ぬったり)の地で本格的に酒造りを開始しました。かつて酒を水で薄めた「金魚酒」が横行した時代にも薄めない酒を出荷していた逸話が残ります。2006年からは醸造アルコールを一切添加しない「全量純米仕込み」に切り替え、純米専門の酒蔵となりました。仕込み水には「菅名岳」の天然水を使用し、主に新潟県産の酒造好適米で丁寧に醸しています。

かつて繁栄した新潟の花街を表現した「甘口 純米吟醸 今代司 花柳界」や代表銘柄「今代司」のほか、約60年ぶりに復活させた木桶仕込みなど、伝統と革新を両立させた酒造りが特徴です。デザイン面での評価も高く、清酒「錦鯉」でグッドデザイン賞や国内外の各種デザイン賞を受賞しています。新潟駅から徒歩圏内という立地を生かした酒蔵見学などでも広く親しまれています。

今代司酒造の歩み

今代司酒造は、明和4年(1767年)に初代の但馬屋十左ェ門が新潟の地で創業しました。創業当初は酒の卸売業のほか、旅館業や飲食業も営んでいました。江戸時代後期から明治時代初期にかけて、新潟には北前船が盛んに寄港し、人口が江戸を上回るともいわれるほどのにぎわいを見せており、今代司酒造もその繁栄の恩恵を受けていました。

本格的に酒造りに取り組み始めたのは明治時代中期のことです。今代司酒造は、地盤がよく阿賀野川の伏流水に恵まれ、栗ノ木川による原料や製品の運搬にも便利な沼垂の地に蔵を構えました。沼垂には酒蔵や味噌蔵、醤油蔵が立ち並び発酵食の町として栄え、江戸や京都と並ぶ日本三大花街のひとつに数えられた新潟の花街の料亭で腕を磨いた職人たちにも育てられながら、味を追求してきました。

まだ酒が樽詰めで出荷されていた時代、酒屋が仕入れた酒に水を加えて量を増やす、いわゆる「金魚酒」が横行していましたが、今代司酒造は水で薄めない酒を出荷し続け、酒屋から厚い信頼を得て新潟の多くの店で扱われるようになりました。

戦後は米不足や他の酒類の流入によって日本酒離れが進み、新潟清酒の代名詞的存在であった今代司酒造も幾度となく経営の危機に直面し、造りの規模を縮小せざるを得ない時期が続きました。なお、現在の法人としての今代司酒造株式会社が設立されたのは1951年10月1日で、創業からは時間を経てのことです。こうした苦しい時期を酒造りに真剣に向き合う契機ととらえ、2006年からは醸造アルコールを一切添加しない全量純米仕込みへと切り替えました。これは酒どころ新潟において戦後初めての取り組みでした。

2011年には、新潟の企業グループであるNSGグループの和僑商店が増資を引き受けたことを機に経営体制が刷新され、酒蔵や商品ラベルのデザインが一新されました。

2015年に発売した清酒「錦鯉」は、国内のグッドデザイン賞のほか、ニューヨークの「THE ONE SHOW」で金賞、ロンドンの「D&AD Awards」で銀賞相当のGraphite Pencil、ドイツの「iF DESIGN AWARD」、香港発の「Design for Asia Awards」でブロンズ・アワード、フランスの「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」で銅賞、イタリアの「A’ Design Award」で最高賞のPlatinum、ベルギーの「Pentawards」で飲料部門最高賞のプラチナを受賞するなど、世界各国で10以上のデザイン賞を受けており、今代司酒造の名を世界に広めるきっかけとなりました。

1982年から続けてきた酒蔵見学にも力を入れており、新潟駅から徒歩圏内という立地を生かして、コロナ禍前には年間約3万6千人、2022年には年間推定約2万人の来訪者を迎えています。2017年度には旅行口コミサイトの新潟市観光ランキングで1位、外国人来訪者に聞いた新潟市の地域資源に関する認知度ランキングでも1位を獲得しています。

酒造りの特徴

今代司酒造は、純米大吟醸酒・純米吟醸酒・純米酒のみを醸す純米専門の酒蔵です。ほぼすべての酒で麹米・掛米ともに新潟県産の酒造好適米を100%使用し、純米らしい旨味とキレの良さを両立させることを大切にしています。仕込み水には、かつて使用していた阿賀野川の伏流水に代わり、環境の変化を経て探し出した「菅名岳」の天然水を用いており、現在は仕込み水のすべてにこの天然水を使用しています。

かつて日本酒造りで広く使われていた木桶仕込みは、全国に1,400社ほどある酒蔵のうち20数社ほどでしか行われていないとされる希少な技術です。今代司酒造は平成22年(2010年)、約60年ぶりに木桶仕込みの日本酒を復活させました。当初は生産量がごくわずかでしたが、木桶職人の後継者不足という課題にも向き合い、2018年末からのクラウドファンディングを通じて大型の木桶を2基新たに導入し、伝統技術を守りながら生産量を広げる取り組みを進めています。

この木桶仕込み純米酒「人と 木と ひととき」は、2021年に韓国のデザイン賞「K-DESIGN AWARD 2021」で最高位のGrand Prizeを受賞したほか、2022年にはフランスで開催された日本酒コンクール「Kura Master 2022」の純米酒部門で金賞を受賞しています。

全国新酒鑑評会では、平成15酒造年度と令和2酒造年度に入賞しています。関東信越国税局酒類鑑評会では、2015年発表の第86回で前年から2年連続となる優秀賞を受賞し、2019年の第90回では純米吟醸酒の部で優秀賞を受けています。

国内外の品評会でも評価を受けています。2016年には、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)SAKE部門で「錦鯉」が銀賞を、全国燗酒コンテスト2016のプレミアム酒部門で「純米吟醸 今代司」が金賞を受賞しました。

2019年には全国燗酒コンテスト2019のプレミアム燗酒部門で「ブラック今代司 極辛口純米酒」が金賞を受け、イタリアで初開催された「ミラノ酒チャレンジ」では「錦鯉」が純米大吟醸部門で金賞、「人と 木と ひととき」が純米部門で金賞とデザインプラチナ賞、「ブラック今代司 極辛口純米酒」がデザイン金賞を受賞しています。

牡蠣に合わせて開発した「IMA 牡蠣のための日本酒」は、2020年にスペインのコンクール「CINVE」でGoldを、2022年にはモナコSAKEアワードでマリアージュ賞(テーマ:キャビア)を、ミラノ酒チャレンジではベストデザイン賞を受賞しました。2023年には「錦鯉」がIWC SAKE部門でブロンズを、「純米吟醸 今代司」が全国燗酒コンテスト2023のプレミアム燗酒部門で金賞を、「IMA 牡蠣のための日本酒」がワイングラスでおいしい日本酒アワード2023のプレミアム純米部門で金賞を受賞しています。

代表銘柄

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花柳界

「花柳界」は、新潟古町にかつて栄えた日本三大花街のひとつ新潟花柳界の華やかさを表現した甘口の純米吟醸酒です。原料米には新潟県産の五百万石を100%使用し、精米歩合60%、アルコール分11度に仕上げています。とても甘い口当たりでありながら後味は純米吟醸酒らしいすっきりとした飲み口が続き、日本酒が苦手な方や若い方にも人気の1本です。軽い飲み口が好みの方は、氷を浮かべたロックでも楽しめます。

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今代司

「今代司」ブランドの定番酒「天然水仕込み純米酒 今代司」は、食中酒としての日本酒本来の姿を追求した1本です。原料米には新潟県産米を100%使用し、精米歩合65%、アルコール分15度に仕上げ、仕込み水には「菅名岳」の天然水を用いています。インターナショナル・ワイン・チャレンジ2015ではブロンズを受賞しました。「今代司」ブランドには、精米歩合や度数の異なる純米吟醸や純米大吟醸もそろい、1.8リットル、720ミリリットル、300ミリリットルの容量で展開されています。

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見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
明治中期の建物をリノベーションした直売店で、ここでしか買えない酒や酒蔵スイーツを販売しているほか、「地酒ガチャ」「おみやげガチャ」も楽しめます。カプセルの中のコインの色で1等から5等までハズレなく、酒や甘酒、オリジナルグッズが当たります。
補足
酒蔵見学は事前予約制の有料ツアーで、1〜9名の場合は1名200円(12歳以下は無料)です。英語ガイドの見学は土・日・祝を除く平日14時からの回のみで、1名550円です。2025年6月からは、見学と昭和5年築の日本建築での会席弁当を組み合わせた「今代司酒造堪能コース」(1名4,290円、完全予約制)も利用できます。テイスティングは予約不要で、見学に参加しなくても利用できます。無料コースのほか、10種類以上を試せるプレミアムコース(1名1,500円)があります。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
新潟県新潟市中央区鏡が岡1番1号
創業
1767年
公式サイト
imayotsukasa.co.jp

出典

jreast.co.jp / imayotsukasa.co.jp / nsg.gr.jp / nvcb.or.jp / wikipedia.org / arc3.co.jp / niigata-sake.or.jp / niigata-kankou.or.jp / imayotsukasa.com / sake-times.com / rakuten.co.jp / nrib.go.jp / makuake.com

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