恩田酒造
代表銘柄:舞鶴
新潟県
NIIGATA
1875年創業
新潟県長岡市六日市町に位置する恩田酒造は、1875年(明治8年)に創業した酒蔵で、代表銘柄には「舞鶴」や「舞鶴鼓」などがあります。少人数体制のもと、蔵の裏手に広がる自社田にて酒米「一本〆」を栽培し、米作りから精米、仕込みまでを一貫して行う「半農半酒造」のスタイルを特徴としています。仕込み水には越後山脈の麓から引き上げた豊富な地下水を使用しています。
米本来の旨味や個性を生かす酒造りを追求しており、あえて12%しか米を削らない低精白米(精米歩合88%)で醸す定番の「舞鶴鼓88」に加え、伝統的な生酛系の技法を用いた「酸基醴酛(さんきあまざけもと)」による新ブランド「米の恩返し」を手掛けるなど、伝統と新しい技術を融合させた多様な日本酒を醸造しています。
恩田酒造の歩み
恩田酒造は、明治8年(1875年)に創業した新潟県長岡市の酒蔵です。創業の地は、現在の長岡市六日市町にあたります。この一帯は古くは古志郡の中心地で、昭和29年(1954年)に長岡市と合併しました。六日市町は金倉山と信濃川に挟まれ、田んぼと住宅街が広がる落ち着いた町です。
蔵が大切にしてきたのは、創業当時から変わらない旨口で少し甘い味わいです。淡白な料理からしっかりした味の料理まで寄り添い、冷やから燗酒までさまざまな温度で楽しめる晩酌酒を目指してきました。銘柄は「舞鶴」で、現在の主力ブランドは「舞鶴鼓」です。
現在の代表取締役社長の恩田紀男さんは五代目にあたります。蔵元で酒の設計もしていた父の影響と、祖父からの指示で東京農業大学の醸造科に進み、4年生のときには東京の醸造試験所で米や米麹の研究を手伝いました。卒業後は食品分析などを行う会社に勤め、その後蔵に戻って越後杜氏のもとで酒造りを始め、杜氏の引退後は蔵元杜氏として造りを担っています。
米づくりにも早くから踏み込みました。旨みが出やすい酒米「一本〆」を自分たちで育てることに挑戦し、この20〜30年ほどで蔵の田んぼはすべて酒米の田んぼになり、食べる米は購入しているほどです。取引先の酒販店から頼まれて約1年半かけて造った「鶴と油揚げ」のように、地域や料理から着想する酒も生まれています。
2025年には創業150周年を迎え、新ブランド「米の恩返し」を立ち上げました。「米を信じ、SAKEを醸す。」を新しいブランドコピーに掲げ、鶴と稲穂が円を描くロゴも作りました。クラウドファンディングのMakuakeでは初日に目標の30万円を超え、2026年1月までのプロジェクトで目標の4倍を超える応援購入を集めました。2026年4月には、出雲崎町産の米を使った新商品「出輝」も発売しています。
酒造りの特徴
蔵のすぐ裏に自社田があり、栽培する米はすべて酒造好適米の「一本〆」です。4月にトラクターでしろかきをし、5月には蔵人全員で田植えをして、9月に稲刈りをしたあとに酒造りが始まります。肥料や除草剤はできるだけ抑えており、精米も自社の精米機で行います。「一本〆」は五百万石と豊盃を交配して新潟県で開発された品種で、背が低く倒れにくいので、少人数で酒造りと米づくりを両立しやすい米です。酒造りに使う米全体では、自社田の一本〆はおよそ4割にあたり、ほかに契約栽培の五百万石も使っています。
蔵の看板は、精米歩合を88%にとどめた「舞鶴鼓 八割八分磨き」です。外側を12%だけ削った、食べる米に近い低精白米で醸し、骨太でふくらみのあるフルボディタイプに仕上げます。この酒は2025年時点で10年ほど前から造っており、アルコール分は18度、日本酒度は+10です。「88」は、米づくりに八十八の手間がかかることを表す「米」の字にちなんだ数字です。88%の米を使ったにごり酒や、麹米の一部に白麹を使った数量限定の酒も造っており、アメリカへも輸出しています。
酒母には長年、甘酒を仕込むことから始める高温糖化酒母を全量で用いてきました。創業150周年からは、その原型ともいわれる「酸基醴酛」に取り組んでいます。55℃で糖化した甘酒を25℃ほどまで冷まし、培養した乳酸菌を加えて乳酸発酵をさせてから、酵母を入れてアルコール発酵へ進む製法です。乳酸菌は新潟県醸造試験場で培養したものを使い、ヨーグルトのような乳酸発酵の香りが特徴です。
令和6酒造年度の「米の恩返し EP1」は五百万石100%・精米歩合68%・15度で、令和7酒造年度の「EP2」は自社栽培の一本〆100%・精米歩合88%・13度の原酒です。
仕込み水は、蔵の裏手にそびえる山のふもとの豊富な地下水です。酒造りは10月から4月ごろにかけて行い、総勢5名の少人数で米づくりから瓶詰め、営業までを担っています。「出輝」は出雲崎町産の特別栽培コシヒカリ「出雲崎の輝き」100%を精米歩合77%で仕込んだ14度の原酒で、上品な酸味とすっきりした後味が持ち味です。
代表銘柄
舞鶴
恩田酒造の「舞鶴」は、蔵の代表銘柄です。現在は「舞鶴鼓」の名で、自社田で育てた酒米「一本〆」を中心に、旨みと少しの甘みを感じさせつつ後味のすっきりした酒を醸しています。精米歩合88%の「八割八分磨き」を看板に、純米吟醸、大吟醸、純米大吟醸、本醸造まで幅広くそろえます。栃尾の油揚げに合わせた「鶴と油揚げ」や、夏の「トロピカル」といった個性派もそろえます。
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 長岡駅のぽんしゅ館長岡驛店(CoCoLo長岡2階)、ぽんしゅ館新潟驛店、新潟市西蒲区の岸本商店などで舞鶴鼓と米の恩返しを取り扱っています。「出輝」は出雲崎町の道の駅 越後出雲崎 天領の里などで買えます。公式のオンラインストアもあります。
- 補足
- 蔵見学は行っていません。にいがた酒の陣などのイベントへの出展や試飲販売会を通じて、造り手と直接話せる機会を設けています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 新潟県長岡市六日市町1330番地
- 創業
- 1875年
- 公式サイト
- www.maitsuru.com
出典
niigata-sake.or.jp / maitsuru.com / stores.jp / rakuten.co.jp / ponshukan.com / nkyod.org / sakagura-press.com / makuake.com / prtimes.jp / note.com / cushu.jp / sake-niigata.com
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