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津南醸造

代表銘柄:霧の塔・雪美人

新潟県

NIIGATA

1996年創業

津南醸造は1996年(平成8年)、地元の酒米農家や津南町、JA(農協)などの協力により「津南の農業を守り残したい」という想いから設立された酒蔵です。名だたる豪雪地帯として知られる新潟県津南町に位置し、標高2,000m級の苗場山系に降り積もった雪解け水(清冽な超軟水)を仕込み水として使用しています。原料米には、顔の見える地元農家が栽培した新潟県産の酒米「五百万石」などを中心に採用。自然豊かな環境と寒暖差のある気候を生かし、淡麗にしてふくらみのある味わいを目指した丁寧な手造りの酒造りを行っています。

代表銘柄の「霧の塔」や「雪美人」をはじめ、近年では「つなん」や「郷(GO)」シリーズなど多彩なラインナップを展開しています。全国新酒鑑評会での金賞受賞歴のほか、海外のコンクールでも最高金賞や金賞を重ねており、国内外で高い評価を受けています。2023年からは新体制のもと、発酵の科学的アプローチと海外展開を進めています。

津南醸造の歩み

津南醸造の酒造免許は、かつて新潟県の旧大潟町(現在の上越市)にあった藤縄酒造から引き継がれたものです。藤縄酒造は1953年(昭和28年)に創業しましたが、その酒造権を取得する形で、酒米「五百万石」を育てる地元農家や津南町農業協同組合(JA津南町)、津南町など計310の団体・個人が出資し、1996年(平成8年)1月に津南町大字秋成の地に小松原醸造株式会社が設立されました。翌1997年(平成9年)2月に製造を開始し、2004年(平成16年)に社名を津南醸造株式会社へ変更しています。

設立当初から経営基盤は必ずしも盤石ではなく、2011年(平成23年)11月に十日町市で酒類卸を営む越路商事株式会社の代表古澤有三が経営に加わり、外部から経営陣と資金を受け入れる形で立て直しが図られました。古澤は越路商事で培った海外取引の経験を生かしながら津南醸造の事業を牽引しました。

2018年(平成30年)には、東京都目黒区でミシュラン星付きレストランを営む村山太一が取締役に加わりました。2019年(令和元年)9月期には最終損益が赤字となり累積損失を抱えたため、資本金を減らして累損を解消したうえで第三者割当増資を実施し、微生物研究で知られる株式会社ユーグレナの共同創業者である鈴木健吾が個人でこれを引き受けました。同時に地域資源の活用を手がける株式会社FARM8と業務提携契約を結び、同社の樺沢敦が取締役に加わりました。

2020年(令和2年)12月には樺沢敦が代表取締役に就任し、「Brew for Future〜共生する未来を醸成する〜」を理念に掲げて事業を展開しました。

2023年(令和5年)12月3日の株主総会で役員人事が見直され、株式会社ユーグレナの執行役員CTOを務める鈴木健吾が新たに代表取締役に就任し、樺沢敦は取締役会長へ退きました。現在の代表取締役は鈴木健吾、取締役会長は樺沢敦です。

酒造りの特徴

津南醸造の酒造りは、主に雪が降り積もるシーズンに行われます。蔵は山のブナや杉の森を切り開いた場所に建てられており、雪が空気中の塵を絡めて落とすことで空気が澄み、雪に包まれることで低温多湿の環境が一定に保たれるため、微生物のコントロールがしやすく吟醸造りに適しています。仕込み水には標高2,000メートル級の苗場山系の山々に降り積もった雪解け水を用い、名水百選にも選ばれた清冽な超軟水で仕込んでいます。

原料米は、津南町内で栽培される酒造好適米「五百万石」を中心に用いています。津南の水田は標高300メートル前後にあり昼夜の寒暖差が大きいため、米の中心部にある心白が大きく、粒も大きく育つのが特徴です。津南醸造は顔の見える地元の生産者とともに、三段仕込みでゆっくりと醪を発酵させており、淡麗にしてふくらみのある旨みと、すっきりとした後味を目指しています。

酒造りを担う杜氏の滝沢昌哉は津南町生まれで、小松原醸造として蔵が設立された1996年の入社以来、先代杜氏の箕輪弘之のもとで技術を修得し、先代の引退にともなって杜氏に昇格して以来、蔵の酒造りを支え続けています。令和6酒造年度の越後流酒造技術選手権大会では、新潟県内外56の酒蔵が出品した155点の中から、津南醸造が出品した「つなん」が最高位の新潟県知事賞(第1位)に選ばれました。

近年は「Brew for Future〜共生する未来を醸成する〜」を理念に掲げ、酒粕を発酵ジェラートへ加工するなど資源循環に取り組むほか、三馬力社と共同で馬耕による米づくりから手がける「田人馬」など、地域の営みと結びついた酒造りにも力を入れています。

平成14酒造年度以降の全国新酒鑑評会には13回入賞し、うち7回金賞を受賞しています。平成22酒造年度から24酒造年度にかけては3年連続で金賞を受賞し、直近では令和6酒造年度に「つなん」が金賞に選ばれました。海外の品評会でも評価を得ており、ロンドン酒チャレンジでは「吟醸酒 ユキグニモノガタリ」が2012年から2015年にかけて4年連続で最高金賞を受賞しました。

「郷(GO)VINO」はミラノ酒チャレンジ2024でDouble Gold、「郷(GO)GRANDCLASS 魚沼コシヒカリEdition」は同2025でプラチナ賞のほか、Kura Master 2024で純米大吟醸酒部門の金賞を受賞しています。

「郷(GO)DINER」もIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2025で純米大吟醸の部のゴールドに選ばれ、2026年4月には「郷(GO)TERRACE」がTokyo Sake Challenge 2026の純米大吟醸部門で金賞を受賞するなど、輸出向けの「郷(GO)」シリーズが国際的な評価を高めています。

関東信越国税局酒類鑑評会でも1999年から2025年にかけて断続的に優秀賞を受賞しており、2021年には純米吟醸酒の部で「霧の塔」、2022年・2023年にはそれぞれ2部門で優秀賞に選ばれ、直近の2025年11月には吟醸酒の部で「つなん 藍」、純米酒の部で「郷(GO)VINO」がそろって優秀賞に選ばれました。現在は伝統銘柄「霧の塔」、地域テロワールを映す「つなん」、プレミアムかつ海外向けの「郷(GO)」という三つの柱でブランドを展開しています。

代表銘柄

霧の塔

津南醸造の伝統銘柄として、蔵を代表してきた一本です。地元の農家が育てた酒米「五百万石」と、苗場山系の雪解け水である超軟水を使い、三段仕込みでゆっくりと醸しています。純米大吟醸は精米歩合40%、純米吟醸は50%磨き、本醸造は60%と磨きの異なるラインナップを揃え、淡麗にしてふくらみのある味わいが特徴です。平成22酒造年度から24酒造年度にかけて全国新酒鑑評会で3年連続の金賞を受賞するなど、高い評価を積み重ねてきました。

雪美人

津南町産の酒米「五百万石」を精米歩合60%まで磨いた特別純米酒で、新潟県内限定で販売されています。名称は津南町特産のカサブランカ「雪美人」にちなんでおり、ほんのり辛口で酸味は穏やか、雪解け水を思わせる澄んだ味わいが特徴です。2025年9月には東京・品川インターシティで開かれた「にほんの夏フェス2025」で、津南町から届いたユリ「雪美人」の展示とともに試飲が行われました。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵直売店では蔵元ならではの豊富な銘柄が揃い、各種クレジットカードやPayPayなども利用できます。地方発送にも対応しています。
補足
見学は事前予約制で所要時間は約15分、無料です。3種類の定番酒の試飲のほか、有料で「郷(GO)GRANDCLASS 魚沼コシヒカリEdition」の試飲もできます。営業時間は平日・土曜日の9時から16時までですが、ゴールデンウィークや夏休み、秋山郷の紅葉時期(10月後半)には休日・祝日も営業する場合があります。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
新潟県中魚沼郡津南町大字秋成7141
創業
1996年
公式サイト
tsunan-sake.com

出典

town.tsunan.niigata.jp / tsunan-sake.com / niigata-sake.or.jp / stores.jp / ja.wikipedia.org / nikkei.com / prtimes.jp / nrib.go.jp

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