妙高酒造
代表銘柄:越乃雪月花・妙高山
新潟県
NIIGATA
1815年創業
妙高酒造は、文化12年(1815年)に「信慶酒造場」として創業された新潟県上越市の老舗酒蔵です。1956年に妙高酒造株式会社として法人化されました。代表銘柄には「妙高山」や「越乃雪月花」があります。
酒造りにおいては「米」「水」「麹」を酒の味を決める要素と位置付け、仕込み水には妙高山系伏流水(中等度の軟水)を使用しています。自社活性培養酵母を活用した「二段酵母仕込み(1つの酒母に2つの酵母を使用する手法)」など、創意工夫に満ちた丁寧な酒造りを行っており、香りと味のバランスがとれ、深みのある味わいが特徴です。
その高い醸造技術は評価が高く、全国新酒鑑評会において令和7年(2025年)5月末時点で通算13回の金賞を受賞しているほか、海外の鑑評会でも受賞実績を持つなど、国内外で高く評価されています。
妙高酒造の歩み
妙高酒造の始まりは、文化12年(1815年)に現在の新潟県上越市南本町(旧・関町)で創業した「信慶酒造場」にさかのぼります。清酒のほか味醂や白酒も手がけ、明治32年には蔵を3つ構えて年間4,200石を醸造する有力な酒蔵に成長しました。当時の銘柄「日本軍正宗」は、日清戦争中に樽酒として中国大陸へ輸出されたことでも知られています。蔵元の高橋慶治郎は酒造業のほか薬種・雑穀商や羽二重を扱う事業も営み、明治35年には衆議院議員にも選ばれ、地元経済に貢献しました。
一方、明治3年(1870年)には柿崎町で引間邦次郎が「引間酒造場」を創業し、代表銘柄「亀の里」を掲げて越後柿崎の名商家となりました。家業を継いだ長男の引間正治は大正5年(1916年)に高田へ進出し、信慶酒造場を「引間酒造場・高田支店」として引き継ぎます。しかし正治は昭和4年(1929年)に32歳で亡くなり、戦時体制下の統制と資材難で酒造りは一時中断、販売専業を余儀なくされました。終戦後の昭和21年(1946年)に正治の子・引間邦治が復員しました。
昭和31年(1956年)11月2日、引間酒造場は『妙高酒造株式会社』として法人化され、現在の所在地へ移転しました。昭和40年代前半には現在も稼働する蔵が新設され、当時としては珍しい鉄筋3階建ての構造が話題となり、他の酒蔵から多くの視察が訪れました。
昭和52年(1977年)、新潟県頚城村(現・上越市)出身の平田正行が妙高酒造に入社しました。米作りと酒造りの両方に携わる環境で育ち、国税庁醸造試験所などで技術を深めたのち、平成元年(1989年)6月16日に38歳で杜氏に就任します。麹室の改革や就業体制の見直しを進めるとともに、自社で活性化させた酵母を2種類使う「二段酵母仕込」を確立しました。平成15年(2003年)9月には初めて海外への輸出を果たしています。
こうした功績が評価され、平成21年(2009年)に「にいがたの名工」、翌年に「酒造マイスター」の称号を受け、両方を持つ新潟県で最初の杜氏となりました。
令和4年(2022年)には木村浩二が社長に就任し、マーケティングの刷新や海外展開、DX推進など新しい取り組みを進めています。そして令和7年(2025年)、約36年にわたり蔵を率いてきた平田正行から、長田一郎へと杜氏が引き継がれました。長田は上越市出身で、平成21年(2009年)から季節社員として酒造りに携わり、令和6年(2024年)に副杜氏、翌年に杜氏となった人物です。平田は顧問として蔵に残り、これまで培ってきた技術と理念を長田たちの世代へとつないでいます。
酒造りの特徴
妙高酒造では酒の味を決める要素として「米」「水」「麹」を掲げ、それらを生かす蔵人の技があってはじめて理想の酒になるという考え方で酒造りに取り組んでいます。現在は杜氏の長田一郎を中心に、長年の経験を積んだ蔵人たちが力を合わせ、年によって変わる米や気候の変化を見極めながら仕込みを行っています。
仕込み水には、上越市内にある自社蔵の地下150メートルから汲み上げる妙高山系の伏流水を使用しています。中等度の軟水で、以前使用していた超軟水と比べ、気品を超えて風格を兼ね備えた「品格」を漂わせる水へと変わりました。原料米は地元・新潟県産の酒造好適米を中心に用いており、近年は蔵人自身が育てた米や、地元農家が有機栽培した米を使う仕込みにも力を入れています。
仕込みには自社で活性化させた「自社活性培養酵母」を採用しています。発酵力が強く扱いが難しい酵母ですが、1つの酒母に性質の異なる2種類の酵母を組み合わせる「二段酵母仕込」を約30年前から取り入れることで、香りにメリハリがありながら味わいにもしっかり溶け込んだ酒に仕上げています。出荷前の加熱処理には、瓶詰めした酒をお湯でゆっくりと温めて殺菌する「瓶燗火入れ」を用い、酒の鮮度と品質を保っています。
全国新酒鑑評会では平成14酒造年度以降だけで17回入賞し、うち平成14・15・16・20・23・30酒造年度と令和6酒造年度の7回で金賞を受賞しています。平田正行が杜氏を務めた期間の実績として、令和7年(2025年)5月末時点で全国新酒鑑評会の金賞は通算13回を数え、越後杜氏技術選手権でも1位を獲得しています。
海外の鑑評会でも実績を重ねており、インターナショナルワインチャレンジでは平成24年(2012年)と平成26年(2014年)の2度、本醸造部門でトロフィー(部門1位)を受けているほか、令和2年(2020年)には大吟醸部門で新潟トロフィーを受けています。ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは平成28年(2016年)に純米大吟醸 越乃雪月花、平成29年(2017年)に特別純米 妙高山がそれぞれ最高金賞を受賞し、全国燗酒コンテストでも平成29年(2017年)に無糖加 辛口 越後おやじが最高金賞を受けています。
令和5年(2023年)にはKura Masterの純米部門で蔵人栽培米仕込 純米吟醸 妙髙山 八十八がプラチナ賞、同年の関東信越国税局酒類鑑評会でも純米吟醸酒の部・純米酒の部の両方で優秀賞を受賞しました。
代表銘柄
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越乃雪月花
「越乃雪月花」は、大吟醸から本醸造まで幅広くそろう銘柄です。しぼりたて生や秋季限定のひやおろしなど季節ごとの商品もあり、平成28年のワイングラスでおいしい日本酒アワードでは純米大吟醸が大吟醸部門の最高金賞を受賞しました。新杜氏の長田一郎が手がけた純米酒も加わっていますが、会員店限定で販売されている銘柄です。
妙高山
代表銘柄「妙髙山」は、越後富士とも呼ばれる標高2,454メートルの妙高山にちなんで名付けられました。長く杜氏を務めた平田正行が確立した二段酵母仕込によって仕込まれ、香りと味のバランスを重んじた「飲める吟醸酒」を目指しています。大吟醸から本醸造まで幅広い商品があり、平成24年と平成26年のインターナショナルワインチャレンジで本醸造部門のトロフィーを受けるなど、国内外で高く評価されています。
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- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 公式オンラインショップと「妙高酒造 楽天市場店」で購入できるほか、全国の酒販店でも取り扱われています。
- 補足
- 蔵見学は事前予約制で、案内・試飲・売店を合わせて所要約80分です。試飲は有料で、車を運転する場合は利用できません。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 新潟県上越市南本町2-7-47
- 創業
- 1815年
- 公式サイト
- myokoshuzo.co.jp
出典
niigata-sake.or.jp / japansake.or.jp / joetsukankonavi.jp / niigata-sake.com / myokoshuzo.co.jp / j-monodb.jp / kuramotokai.com / note.com / sakenowa.com
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