千代の光酒造
代表銘柄:天福・千代の光
新潟県
NIIGATA
1860年創業
1860年(万延元年)創業、新潟県妙高市に蔵を構える酒蔵です。豪雪地帯ならではの豊かな環境のもと、小規模ながら全ての製品において吟醸酒に準じたきめ細やかな酒造りを行っています。
造りの特徴として、昔ながらの「甑(こしき)の米置き・抜掛け」といった伝統手法を継承し、蒸し作業を丁寧に行う一方、洗米工程には新たな設備を導入するなど品質追求を進めています。代表銘柄には「千代の光」や、契約栽培された山田錦を用いた「天福」などがあります。
また近年では、自社原酒をブレンドして好みの味わいをつくる「アッサンブラージュ」事業や、8代目蔵元が手掛ける『K(KENICHIRO)』シリーズを展開するなど、伝統を守りつつ新しい日本酒の提案にも取り組んでいます。
千代の光酒造の歩み
千代の光酒造は、江戸時代末期の万延元年(1860年)に、現在の妙高市窪松原にあたる地で創業しました。小さな蔵ですが、全ての製品において吟醸酒に準じたきめ細やかな造りを続けており、淡麗さの中にやわらかさを併せ持つ独特の酒質を守り続けています。
蔵の近くには清流・矢代川が流れ、その伏流水を仕込み水として用いています。この伏流水は、半年以上にわたる雪解け期間を経て広葉樹帯に浸み込んだ軟水です。裏山にあたる大毛無山に降り積もる豪雪がもたらす井戸水源も、江戸時代から涸れたことがなく、四季を通じて安定した水質を保っています。発酵時の温度は7度から12度という穏やかで一定した範囲に保たれており、こうした環境が酒質を支えています。
先代の池田哲郎氏から、長男の池田剣一郎氏へと蔵は受け継がれてきました。剣一郎氏は大学卒業後、東京での勤務を経て2011年に家業に戻り、酒造りの現場に入りました。2015年には自身の名を冠した新ブランド「KENICHIRO(Kシリーズ)」を立ち上げ、五百万石や越淡麗を用いた新しい味わいづくりに挑戦を重ね、2023年には8代目として蔵を継承しています。
全国新酒鑑評会では、独立行政法人酒類総合研究所が公表している平成14酒造年度以降の記録において、千代の光酒造は10回の入賞を果たしています。うち金賞は平成23酒造年度、平成24酒造年度、平成27酒造年度、令和5酒造年度、令和7酒造年度の5回です。また、令和6年11月に発表された第95回関東信越国税局酒類鑑評会でも、吟醸酒の部の優秀賞を受賞しています。
酒造りの特徴
千代の光酒造は「酒造りは、米づくりから」という考えのもと、精米から貯蔵まで一貫して丁寧な工程を積み重ねています。精米には最新鋭の精米機を用い、水分保持や精米時間、低温での精米を高い水準で両立させています。洗米工程では、白米同士を擦り合わせる方式の洗米機を導入し、目標吸水率に対する誤差0.1という精度を実現しています。
蒸し工程では、甑(こしき)を使い、江戸時代から受け継がれてきた「抜け掛け法」を守っています。蒸気が抜けて浸漬米に透明感が出たところへ、さらに薄く浸漬米を重ねていく作業を繰り返し、米に圧力をかけずに立てて蒸すことで、サバケの良い理想的な蒸米に仕上げています。搾った原酒は0度でのビン貯蔵とし、空気との接触面積を出来る限り小さくすることで品質を保持しています。
令和2年度の新潟県卓越技能者「にいがたの名工」には、酒造りの原点である原料米を自らの田で栽培し、酒造好適米「越淡麗」の開発に貢献した片桐清司氏が選ばれています。その功績として、全国新酒鑑評会での金賞連続受賞などが挙げられており、小中学生への講演や酒造技能検定講習会の講師も務め、後継者の育成にも力を注いできました。原料米へのこだわりは今も蔵の柱で、上越市吉川区の契約栽培農家が育てる山田錦や、「Kシリーズ」向けに契約栽培された五百万石が使われています。
池田社長は、ワイナリーがブドウ畑に囲まれているように、蔵の周りの田んぼで酒米を育てて仕込みに使うことを理想として掲げています。
遠心分離機については、圧搾によらず遠心力で酒粕と酒を分離する上槽システムを10年以上前から取り入れており、全国でも導入例の多くない設備です。『淡月』シリーズを中心に使用してきたほか、『K 遠心分離 にごり酒 瓶火入れ』や、雪室で貯蔵する『千代の光 遠心にごり 雪中貯蔵酒』にも用いています。雪室ではほかに、越淡麗を使った原酒を熟成させる『千代の光 越淡麗 雪室熟成酒』も手がけています。
近年では、複数の原酒をお客様自身が組み合わせて味わいを仕立てる「アッサンブラージュ」にも取り組んでおり、比率を自由に調整しながら世界に一つだけの日本酒をつくる試みとして展開しています。さらに、天然乳酸で仕込む生酛造り「ちよKIMOTO」や、もろみ後半を密閉タンクで発酵させる新たな試みにも取り組んでおり、2026年3月には「純米吟醸 K 生酛仕込み」を発売しています。
代表銘柄
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天福
本醸造でありながら、大吟醸クラスによく使われる山田錦を用いた銘柄です。使用する山田錦は、平成元年(1989年)から契約を結ぶ新潟県上越市吉川区の農家が、肥料に頼らず自らの力で育てたもので、精米歩合は55%です。やや辛口に仕立てながら、ほのかな甘みが喉元を心地よく抜け、快い酸としっかりした味わいを併せ持つ一本に仕上がっています。
千代の光
蔵の名を冠した代表銘柄で、純米大吟醸から燗向けの純米酒まで幅広いラインナップを擁しています。矢代川の伏流水を仕込み水に、全ての製品を吟醸酒に準じたきめ細やかな工程で醸しており、淡麗さの中にやわらかさを併せ持つ酒質が特徴です。8代目蔵元の池田剣一郎氏が手掛ける「KENICHIRO」シリーズや、天然乳酸で仕込む生酛造りへの取り組みなど、伝統と新しい試みの両方がこの代表銘柄の系譜に連なっています。
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- 蔵見学
- なし
- 補足
- 蔵見学およびアッサンブラージュ体験は、当面の間休止しています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 新潟県妙高市窪松原656
- 創業
- 1860年
- 公式サイト
- chiyonohikari.com
出典
chiyonohikari.com / youtube.com / niigata-sake.or.jp / wikipedia.org / hachimanya.net / niigata-sake.com / pref.niigata.lg.jp / imadeya.co.jp / sake-niigata.com / saketime.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp
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