池浦酒造
代表銘柄:和楽互尊
新潟県
NIIGATA
1830年創業
池浦酒造は、天保元年(1830年)に新潟県長岡市(旧和島村)で創業した酒蔵です。蔵の地に良質な井戸水が湧出することから酒造りが始まりました。
代表銘柄「和楽互尊」の酒名は、昭和初期に先代が長岡の思想家である野本恭八郎(互尊)の「互尊精神」に共鳴し、漢学者・安岡正篤の助言を得て名付けられたもので、「お互いを尊び、和やかで楽しく」という想いが込められています。また、和島地区が僧侶・良寛ゆかりの地であることから、良寛自筆の書に由来する「天上大風」などの銘柄も手掛けています。
酒造りでは昔ながらの白壁の土蔵を用い、自社敷地に湧き出る軟水の井戸水と地元産の米を使用し、すっきりとして旨みのある「味のあるやや辛口」の飲み飽きしない酒を目指しています。
主な受賞歴には、平成21年(2009年)の全国新酒鑑評会における金賞受賞や、平成21年・22年の関東信越国税局酒類鑑評会での優秀賞受賞などがあります。
池浦酒造の歩み
創業は天保元年(1830年)です。蔵があるのは、現在の長岡市の旧和島村にあたる地域で、車で数分走れば日本海を望め、田んぼが広がるのどかな土地です。和島村は平成18年に長岡市と合併しました。庄屋の家系だった初代が、この地によい水が湧き出ることを知って酒造りを始めたのが、池浦酒造のはじまりです。当主は代々続き、現在の社長で七代目にあたります。
代々庄屋を務めた家には見事な日本庭園があり、風雅を愛する心が受け継がれてきました。中でも文化的な人物だったのが、六代目・隆氏の父にあたる隆右衛門氏です。若い頃から平等思想を重んじ、長岡の文人である野本互尊翁を尊敬して交流を深めました。当初の銘柄は「互尊」で、この名は野本翁の命名です。野本翁から「君は酒で民主主義を広めよ」と言われたと伝えられています。
「互尊」だけでは語呂が悪いと、「和楽」の語を添えたのは、当時中央で活躍していた漢学者の安岡正篤氏です。互尊なれば和楽に至る、という意味が重なり、昭和の初めに「和楽互尊」(わらくごそん)という酒名になりました。互いに尊びあえば和やかで楽しい、という願いを込めた名前で、酒造りを通じて広く世の中を平和に導こうという願望も託されています。隆右衛門氏は商売人というより思想の人で、気持ちよく酔って語らうには味の良さだけを追求すればよいと考え、宣伝にはあまり熱心ではありませんでした。
旧丸ラベルの「互尊」の書体が読みにくくても、まったく意に介しませんでした。
六代目の隆氏は、父の影響もあって、良寛終焉の地で生まれ育った者として、良寛の心や徳風を広めたいと考えるようになりました。そこで世に出したのが「心月輪」と「天上大風」です。いずれも良寛和尚の自筆の書をそのまま酒名として商標登録したもので、ラベルにも書がそのまま使われています。旧和島村には良寛の墓や良寛美術館があり、良寛ゆかりの地として知られています。現在は七代目の池浦隆太郎社長が蔵を率い、2005年から杜氏も務めています。
石高数百の小さな蔵ながら、自社の井戸水と地元の米で、地元の人に喜んでもらえる酒を造り続けています。
全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限っても、平成19酒造年度から平成24酒造年度まで6年続けて「和楽互尊」が入賞しています。このうち平成20酒造年度(平成21年開催)は金賞です。このほか令和2酒造年度と令和3酒造年度にも入賞しており、平成14酒造年度以降の入賞は8回、うち金賞は1回です。関東信越国税局酒類鑑評会では、平成21年に燗酒の部、平成22年に純米酒の部で優秀賞を受賞し、令和4年の第93回では吟醸酒の部で「和楽互尊」が優秀賞を受賞しました。
酒造りの特徴
仕込みに使う水は、蔵の敷地内に湧く井戸水をすべて使っています。井戸は8本あり、鉄分がとても少ない軟水で、酒造りに向いた水です。蔵は、厚さ50cmの白壁を持つ昔ながらの土蔵造りで、高い煙突が国道から田んぼ越しによく見えます。高い塔も見えますが、これはかつて焼酎を蒸留していた頃の蒸留塔で、今も蔵のシンボルになっています。古い白壁の土蔵の中で、ゆっくりと酒を醸しています。
米は、できるだけ新潟の酒造好適米である五百万石や越淡麗を使うようにし、少しでも高精白にしようと努めています。大吟醸は地元で栽培された越淡麗を40%まで磨いて仕込み、吟醸酒は越淡麗を55%に精米します。純米吟醸と特別純米酒には高嶺錦を使い、精米歩合はそれぞれ50%と55%です。本醸造などは麹米に五百万石、掛米にこしいぶきを使い、60%まで磨いています。地元和島の農家が作ったコシヒカリだけで醸した特別純米酒(精米歩合55%)もあります。
目指すのは、「味のあるやや辛口」で飲み飽きしない酒です。品質本位の手づくりを基本とし、一杯目より二杯目、二杯目より三杯目がおいしく感じられる酒を理想としています。工程は、洗米、蒸米、麹づくり、酒母づくり、もろみ仕込み、酒しぼりと進み、貯蔵は温度管理機能付きのタンクで低温に保っています。超辛口の本醸造は日本酒度+10という蔵の特製品で、しぼったあと一切加水しない原酒の特別本醸造は、アルコール度数19.3%の力強い味わいです。
加熱殺菌を一切しない生酒のシリーズもあり、しぼりたてをそのまま瓶詰めした「しぼりたて生」や、もろみそのままの風味を楽しめる活性本醸造のにごり生酒があります。季節の酒もあり、にごり生酒は、春は爽やかな発泡性、秋は熟成された味わいが楽しめます。秋には、熟成させたひやおろしも販売しています。清酒のほか、純良焼酎「文福」やスピリッツ「ブンプク」(アルコール度数43%)も造っています。生産量は少なく、全国流通はしておらず、地元を中心に親しまれています。
代表銘柄
和楽互尊
「和楽互尊」は、互いに尊びあえば和やかで楽しい、という願いを込めた銘柄です。昭和の初めに六代目の父・隆右衛門氏が野本互尊翁の互尊精神に共鳴し、安岡正篤氏の助言を得て名付けました。自社の井戸水と地元の米で造る、味のあるやや辛口の飲み飽きしない酒を目指しています。越淡麗を40%まで磨いた大吟醸から、晩酌向きの金印の普通酒、コシヒカリ100%の特別純米酒、超辛口の本醸造まで幅広くそろい、冷酒から燗まで楽しめます。
見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 近くに取扱店がない場合は、電話、FAX、メールフォームで注文できます。
- 補足
- 蔵見学は通年の受付で予約制、試飲もできます。受付時間は8時30分から16時で、日曜、祝日、一部の土曜は休みです。冬場は応じられない場合があります。訪問前に電話での確認をおすすめします。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 新潟県長岡市両高1538
- 創業
- 1830年
- 公式サイト
- ikeura-shuzo.com
出典
ikeura-shuzo.com / niigata-kankou.or.jp / nagaoka-navi.or.jp / ng-life.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / sakagura-press.com / cushu.jp
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