SAKE BREWERY — NIIGATA

越後鶴亀

新潟県新潟市西蒲区竹野町2580 1890年創業

紹介

1890年(明治23年)創業。新潟市西蒲区の角田山山麓に蔵を構えます。人々に喜ばれる美味しい酒を目指し、おめでたい商標として「越後鶴亀」と名付けられました。かつて皇室献上酒を醸した歴史を持ち、日本初の地ビール(越後ビール)を誕生させた酒蔵でもあります。酒造りでは小仕込みにこだわり、旨味と酸味が調和したフレッシュな酒質を追求。お酒をタンクで長期熟成させず、火入れ1回で全量瓶貯蔵することで、しぼった時に近いフレッシュな味わいを保つ工夫がなされています。伝統的な造りを守る一方、ワイン酵母を使用した清酒の開発や、国家資格を筆頭合格した杜氏が手掛ける特約店限定ブランド「越弌(こしいち)」など革新的な酒造りにも取り組んでいます。受賞歴として、「大吟醸 斗瓶囲い」が2009年モンドセレクション最高金賞を受賞したほか、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」でも最高金賞を獲得。さらに象形文字を用いたロゴやパッケージデザインが「日本パッケージデザイン大賞」金賞を受賞するなど、デザイン面でも高い評価を受けています。

歴史

越後鶴亀は1890年(明治23年)、初代上原武七によって創業されました。武七は十代の頃から近隣の酒造場で蔵人として働き、条件に合った土地を探し求めた末に角田山の麓に酒造場を設立しました。人々に喜ばれる美味しい酒を目指し、誰にでもわかりやすく縁起の良い商標をと考え、「鶴亀」の名を冠したと伝えられています。

蔵は長きにわたり皇室献上の実績を持つことでも知られています。当時の皇太子ご夫妻、すなわち現在の天皇皇后両陛下のご成婚に際しては祝賀酒として蔵にご用命があり、新潟県から選ばれた唯一の酒として献上され、宮中晩餐会でも供されたと伝えられています。

創業から2010年まで、蔵は「上原酒造」として経営が続けられてきましたが、2010年に民事再生法の適用を申請し、再建を経て2011年に社名を「越後鶴亀」へ改めました。

蔵の歴史の中でも特筆されるのが、地ビールへの先駆的な取り組みです。5代目の上原誠一郎はヨーロッパ滞在中に出会った地ビールを日本でも造りたいという思いを抱き、1994年に全国で初めて地ビールの醸造免許を取得し、翌年エチゴビールの醸造を開始しました。この取り組みは日本における地ビールブームの先駆けとなりました。また2006年には、江戸時代の宝暦年間に醸造されたとされる酒を古式きもと造りで再現した清酒「鶴亀諸白」を発売するなど、酒の歴史を掘り起こす試みも行っています。

2026年7月19日に本社工場が全焼する火災が発生し、製造再開に向けた検討が進められています。

酒造り

2026年7月の火災で工場が全焼し、現在は製造を休止していますが、火災前の酒造りには以下のような特徴がありました。酒造りを担ってきた杜氏は横田伸幸で、国家資格「1級酒造技能士」を首席で合格した経歴を持ち、蔵の酒質を支えてきました。越後鶴亀は伝統的に大規模な設備を持たない蔵であり、その分「こうじ箱」を用いた製麹など、手間暇をかけた伝統的な手造りを主体としてきました。低温発酵によって米を溶かしすぎない仕込みを行うことで、適度な酸味を残しながら米の特性を引き出した酒質を追求してきました。

酒質の設計では、最高の酒質を求めてあえて小仕込みにこだわり、米の選定から洗米条件、吸水条件まで細かく管理していました。特定名称酒は火入れを1回のみとし、上槽の翌日には瓶詰め・瓶火入れを行って瓶で貯蔵する方式を採用しており、瓶内の空隙を小さくしたうえで冷蔵管理を徹底することで、しぼりたてに近いフレッシュな味わいを保つ工夫をしていました。

使用してきた酒米は山田錦、五百万石、こしいぶきなど県内外の品種で、銘柄ごとに使い分けていました。伝統的な造りを守る一方で、ワイン酵母を用いた清酒開発にも取り組み、果実のような香りとやや低いアルコール度数に仕上げた商品群を展開していました。特約店限定ブランド「越弌」では、杜氏自身が栽培した五百万石を100%使用するなど、原料米づくりの段階から醸造家が関わる体制をとっていました。

蔵データ

所在地

新潟県新潟市西蒲区竹野町2580

創業

1890年(新潟県)

公式サイト

echigotsurukame.com

代表銘柄

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越後鶴亀:蔵の看板銘柄で、果実のような香りと軽快なキレを持つ純米大吟醸から、銘柄ごとに山田錦や五百万石などを使い分けた純米酒まで幅広く展開しています。「越後鶴亀 純米」はぽんしゅ館の利き酒人気ランキングで58か月連続1位を記録し殿堂入りしました。天皇皇后両陛下のご成婚に際しては新潟県から選ばれた祝賀酒として宮中晩餐会に供された実績も持ちます。

招福神:「福を招く神」の名と蔵名「越後鶴亀」が重なる縁起の良い一品として親しまれています。新潟県産米を100%使用した純米吟醸をはじめ、純米酒などを展開しています。純金箔を封入した商品も展開しており、贈答用としても選ばれています。

ラッキーキャッツ:招き猫をモチーフとした、招福神シリーズの派生商品です。「鶴亀」という縁起の良い蔵名の系譜に連なる、遊び心のあるネーミングが特徴です。

越弌:1級酒造技能士を首席で合格した杜氏横田伸幸が、自ら栽培した五百万石を100%使用して醸す特約店限定・数量限定の純米吟醸酒です。米の旨味を生かしつつ雑味を抑えたクリアな酒質が特徴で、県内の取扱店が10店に満たない中、毎回即完売する人気銘柄として知られてきました。IWC2019 SAKE部門 純米吟醸酒の部で新潟リージョナル・トロフィーとゴールドメダルを受賞しました。

見学・購入

蔵見学

なし

補足

新潟市中心部から車で約1時間、角田山の麓に蔵を構えます。アクセスはJR越後線「巻駅」より車で10分、または北陸自動車道「巻潟東IC」より車で30分です。火災前より酒蔵見学・直販は行っていません。なお2026年7月19日の火災で本社工場は全焼しており、訪問前に最新の稼働状況を公式サイト等で確認することをおすすめします。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

japansake.or.jp / echigotsurukame.com / sake-harasho.com / meimonshu.jp / ponshukan.com / niigata-kigyo-navi.jp / niigata-sake.or.jp / saketime.jp / sakenomatsuzawa.com / sake-niigata.com / sakagura-press.com / niigata-sake.net / sakenowa.com / niigata-nippo.co.jp / nikkei.com

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