SAKE BREWERY — NIIGATA
玉川酒造
紹介
江戸初期の寛文13年(1673年)、守門村割元庄屋の目黒五郎助が藩主から清酒製造の御墨付きを受けたことに始まる老舗酒蔵です。日本屈指の豪雪地帯である新潟県魚沼市に位置し、雪解け伏流水を仕込み水に使用しています。大きな特徴として、年間を通して天然雪を活用した「雪中貯蔵庫(ゆきくら)」による低温熟成・貯蔵を行っており、蔵見学や各種試飲が楽しめる観光施設「越後ゆきくら館」も併設しています。代表銘柄には、創業時から愛され続ける「玉風味」や、伝統の「目黒五郎助」「越乃雪蔵」「守門の雪」のほか、強い酸味と甘味を備えた低アルコールの「イットキー(It's the key)」などがあります。「イットキー」が「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2017」で最高金賞を受賞したほか、「目黒五郎助」がKura Masterでプラチナ賞を受賞するなど、国内外の各種コンテストや酒類鑑評会で高い評価を得ています。
歴史
寛文13年(1673年)、新潟県魚沼市須原(当時の高田藩領)の豪農であった目黒家の六代目当主・目黒五郎助が、藩主から清酒製造の許可を得たことに始まります。目黒家はもともと守門村の割元庄屋を務めた家柄で、家督を継いだばかりの五郎助が酒造りの許しを求めて藩へ働きかけ、念願の御墨付きを授かったと伝えられています。
家業として続いた酒蔵は、1912年(大正元年)に転機を迎えます。風間敬治が酒造りの権利を引き継ぎ、「玉川屋酒店」として新たに創業しました。大正12年(1923年)12月には玉川醸造株式会社として法人化され、昭和28年(1953年)に現在の社名である玉川酒造株式会社へと改称しました。以来、蔵元は代を重ね、現在の代表取締役・風間勇人氏で十九代目にあたります。
蔵が位置する魚沼市須原は日本有数の豪雪地帯として知られ、例年でも蔵の周囲に4から5メートルの雪が積もります。この厳しい気候を逆手に取り、平成元年(1989年)には雪を断熱シートで覆って保存する雪中貯蔵庫を建設し、同じ頃には造り蔵や土蔵を見学コースとして開放する観光施設「越後ゆきくら館」も誕生しました。平成17年(2005年)に来場者100万人、平成24年(2012年)には150万人を達成するなど、酒蔵見学の先駆けとして地域の観光を支えてきました。現社長の風間勇人氏は「伝統とは創るもの」という考えのもと、雪中貯蔵という独自の熟成法を柱にしながら、化粧品など新分野への展開にも積極的に取り組んでいます。
酒造り
仕込み水には、豪雪地帯である魚沼の雪解けによる敷地内の湧き水を使用しています。硬度の低い超軟水で、蔵の前で実際に飲むこともでき、まろやかで雑味の少ない酒質づくりを支えています。
酒米は商品ごとに使い分けています。純米大吟醸「目黒五郎助」には、杜氏が全国から選び抜いた酒造好適米「華吹雪」を100パーセント使用しています。純米吟醸「越乃雪蔵」には五百万石とこしいぶきを精米歩合60パーセントまで磨いて使用し、日本酒度プラス2、酸度1.4というデータの通りやや辛口の酒質に仕上げています。看板銘柄「玉風味」の「吟醸 辛口赤玉風味」も精米歩合60パーセントで、低温でじっくり発酵させることで吟醸香を引き出し、辛口ながら滑らかな飲み口を実現しています。
最大の特徴は、天然の雪を活用した雪中貯蔵庫による低温熟成です。断熱シートで覆った雪の中は年間を通じて温度約2度、湿度90パーセント前後に保たれ、温度・湿度が一定で振動の少ない環境で瓶のまま眠らせることで、角の取れたまろやかな味わいへと育てます。「奇をてらうだけではダメで、100年先でも飲まれている商品を造らなければいけない」という蔵の姿勢のもと、伝統的な酒造りと新しい挑戦を両立させています。
蔵データ
代表銘柄
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- 目黒五郎助
- 越乃雪蔵
- 守門の雪
目黒五郎助:創業時の初代蔵主・目黒五郎助の名を冠した純米大吟醸です。仕込み水である雪解け伏流水に合う酒米を求め、杜氏が全国から選び抜いた酒造好適米「華吹雪」を100パーセント使用しています。Kura Master 2024の純米大吟醸酒部門でプラチナ賞を受賞したほか、ロンドンSAKEチャレンジやミラノSAKEチャレンジでも金賞を得ており、玉川酒造を代表する一本です。
越乃雪蔵:五百万石とこしいぶきを精米歩合60パーセントまで磨いた純米吟醸酒です。日本酒度プラス2、酸度1.4というデータの通りやや辛口に仕上がっており、蔵元は適度な酸味があってワイン感覚で食前から食後まで楽しめる飲みやすいタイプと紹介しています。アルコール度数は14.8度で、冷酒やオンザロックのほか、人肌燗でも楽しめます。
玉風味:創業の1673年から地元で飲み継がれてきた、玉川酒造を象徴する看板銘柄です。吟醸系の「吟醸 辛口赤玉風味」は精米歩合60パーセントまで磨き、低温でじっくり発酵させて吟醸香を引き出しながら、辛口でキレの良い味わいに仕上げています。雪深い魚沼の料理との相性を追求した本醸造の「魚沼玉風味」は、International Wine Challenge 2024の本醸造カテゴリーで新潟・本醸造トロフィーを獲得し、ゴールドメダルも受賞しました。
守門の雪:蔵のある魚沼市須原の旧守門村にちなんで名づけられた、甘口のにごり酒です。降り積もる雪を表現したというきめ細かくやわらかい澱が特徴で、上澄みだけを飲むほか、瓶を振って澱を混ぜてとろりとした口当たりを楽しむこともできます。サイダー割りや熱燗でも楽しめます。
イットキー:日本酒の新しいトビラをひらくカギをイメージし、英語のIt's the keyから名づけられた純米吟醸酒です。精米歩合60パーセント、アルコール度数12度と低めに仕上げ、酸度5.0、日本酒度マイナス40.0という数値の通り強い酸味と甘味を併せ持つワインのような飲み口が特徴です。2017年3月にできたばかりの無名の状態で出品されたワイングラスでおいしい日本酒アワード2017のメイン部門で最高金賞を受賞しました。
見学・購入
あり(要事前確認)
観光施設「越後ゆきくら館」内に売店があり、蔵元の日本酒に加えて吟醸酒の酒粕を使った食品なども販売しています。季節により内容は変わりますが、10種類ほどのお酒を無料で試飲できます。
見学は予約不要で1人から受け付けており、ガイド付きで所要30分ほどです。受付時間は9時から16時、見学の最終受付は15時30分までで、定休日は1月1日、12月から2月は臨時休業の場合があります。所在地は新潟県魚沼市須原1643です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
同じ新潟県の酒蔵
出典
niigata-sake.or.jp / yukikura.com / wikipedia.org / saketime.jp / nico.or.jp / ponshukan.com / kouhou.niigatakenjinkai.com / intojapanwaraku.com / niigata-sake.net / jp.sake-times.com
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