SAKE BREWERY — NIIGATA
朝日酒造
紹介
1830(天保元)年、新潟県長岡市朝日(旧・朝日村)にて屋号「久保田屋」として創業し、1920(大正9)年に朝日酒造株式会社として設立された酒蔵です。仕込み水には、敷地内を流れる清澄でやわらかな地下水脈の軟水を使用しています。
「酒造りは米づくり」との考えから、関連会社である農業生産法人「あさひ農研」や地域の契約農家とともに良質な酒米の研究・栽培に取り組んでいます。酒造りにおいては越路杜氏から継承される伝統の技や知恵を守りながら、データ分析や自社酵母の開発などの基礎研究・設備投資を融合させ、新潟産にこだわった品質本位の醸造を行っています。
1985年に誕生し淡麗辛口日本酒の代名詞となった看板銘柄「久保田」のほか、「朝日山」「洗心」「越州」「越乃かぎろひ」などを手がけています。関東信越国税局酒類鑑評会での優秀賞受賞など、受賞歴も有しています。
歴史
朝日酒造の創業は天保元年(1830年)にさかのぼります。平澤家四代目当主の由右衛門が酒造業を分割し、当時3歳だった次男の與三郎に事業をのれん分けした際、屋号を「久保田屋」と名付けたのが始まりとされています。折しも天保の飢饉で米が乏しい時代でしたが、先人たちは酒造りを生業として続けました。久保田屋で造られた酒は「久保田の酒」と呼ばれて売れ行きも順調でしたが、明治半ば頃からは創業地・朝日村にちなみ「朝日山」の名で販売されるようになりました。
1920年(大正9年)5月16日、朝日酒造株式会社として正式に設立されました。以来、地元新潟の水と米にこだわった酒造りを続け、1985年5月21日には看板銘柄「久保田」の「千寿」「百寿」を発売します。当時34歳だった4代目社長・平澤亨は、新潟県醸造試験場から嶋悌司を招き、都市生活者の食卓が重厚なものから軽やかなものへ変化していく時代の空気を読み取り、「淡麗辛口」という新たな方向性を打ち出しました。「久保田」の名称は、創業当時の屋号「久保田屋」に立ち返り、「創業の精神(初心)に立って良いものを造り届けていこう」という決意を込めて名付けられたものです。
近年では、2018年に本社敷地内の洋館「松籟閣」が国の重要文化財に指定されたほか、2024年には「越路蒸留所」が竣工し、日本酒以外の分野にも取り組みの幅を広げています。また1986年発足の「越路町ホタルの会」への協力をはじめ、地域の自然環境保全にも長年携わってきました。
酒造り
酒造りにおいては新潟県産米へのこだわりを徹底しており、1990年に設立した農業生産法人「あさひ農研」を中心とした契約栽培に取り組み、契約栽培米の比率は6割を超える水準まで高められています。仕込み水には、蔵の敷地内を流れる地下水脈から採れる軟水を使用し、雑味の少ない透明感のある味わいを支えています。
醸造工程では「一麹、二酛、三造り」という言葉が示す通り製麹を特に重視しており、麹米の表面だけでなく内部にも菌糸が食い込む「突きはぜ麹」を目指した麹造りを行っています。原料米は分析によって品質を精査したうえで、それぞれの米に合わせた精米プログラムを組み、杜氏や蔵人が五感を頼りに蒸米の状態や水分の吸収具合を確認しながら、工程ごとに丁寧な調整を重ねています。貯蔵段階ではタンクごとに0.1度単位で温度を管理し、穏やかな熟成を経てまるみのある味わいへと仕上げています。
ファン層との関わりにも力を入れており、2015年からは毎年夏(8月)に「貯蔵原酒100本のきき酒会」を開催しているほか、新潟市や東京で消費者向けの「あさひ日本酒塾」を実施しています。2017年にはアウトドア用品メーカーのスノーピークと共同で「久保田 雪峰」を開発するなど、新しい酒の楽しみ方の提案にも取り組んでいます。
蔵データ
代表銘柄
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- 越乃かぎろひ
久保田:「久保田」は1985年5月21日発売の看板銘柄で、名称は創業当時の屋号「久保田屋」に由来します。開発時の4代目社長・平澤亨が、都市生活者の食が重厚なものから軽やかなものへ変化していく様子を捉え、新潟県醸造試験場の嶋悌司とともに「淡麗辛口」という新しいスタイルを打ち出しました。新潟県産の米と水のみを用い、控えめな香りとキレのある辛口で飲み疲れしない味わいを追求しています。2019年にはブランドリニューアルを行い、「常に進化する美味しさ」を掲げています。
朝日山:「朝日山」は創業以来、新潟で親しまれてきた銘柄です。明治半ば頃、それまで「久保田の酒」と呼ばれていた酒が、創業地・朝日村にちなみ「朝日山」の名で販売されるようになったのが始まりとされます。伝統的な辛口を受け継ぐ「丸ラベル」、多彩な味わいを提案する「角ラベル」など複数のシリーズを展開し、日々の食卓から特別な日まで幅広く楽しめるラインナップとなっています。
洗心:「洗心」は純米大吟醸の銘柄で、名称は中国古典『易経』に由来し、「心を洗う」こと、すなわち期待や願望、固定観念を洗い流すという意味が込められています。神社仏閣の手水舎にも用いられる言葉で、心身を清めるという意味合いも持ちます。契約栽培の酒米「たかね錦」を用い、精米歩合28%まで磨き上げた原料で醸造しており、際立った透明感の中に上質な奥行きを備えた辛口の味わいが特徴です。大切な人への贈り物としても選ばれています。
越州:「越州」は「軽快柔口」を掲げる銘柄で、軽やかな飲み口の中に米の旨味によるふくらみを感じさせる味わいを特徴とします。かつて栽培されていた晩生品種を復活させた酒米「千秋楽」を使用し、創業以来涸れることのない弱軟水で仕込んでいます。「禄乃越州」「悟乃越州」(純米大吟醸)、「参乃越州」(純米吟醸)、「弐乃越州」(吟醸)、「壱乃越州」(特別本醸造)など複数のグレードを展開するほか、桜日和や夏ほのかといった季節限定商品も販売しています。
見学・購入
あり(要事前確認)
酒楽の里 あさひ山 本店(新潟県長岡市朝日584-3、朝日酒造の関連会社・朝日商事が運営)。定番銘柄や限定酒のほか、酒粕や麹を使った酒肴・スイーツなどを扱い、カウンターでの試飲も可能です。営業時間10:00〜18:00、定休日は1月1日およびメンテナンスによる不定休。
見学は2コース制です。20分見学コース(通年・予約不要、案内時間11:00/12:00/13:00/14:00、無料)はエントランスホールの案内や特別なお酒の試飲を含みます。60分の製造工程見学コース(12月〜4月下旬限定・予約必須、月・土・日・祝日の13:30開始、小学校高学年以上対象)では麹の香りや触感の体験、もろみの観察、搾りたて原酒の試飲ができます。いずれも第3土曜日と年末年始は休館です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
niigata-sake.or.jp / asahi-shuzo.co.jp / mynavi.jp / niigata-kigyo-navi.jp / koshiji-navi.jp / sakenomy.jp / companyinformation.jp / magazine.asahi-shuzo.co.jp / asahi-shouzi.co.jp
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