SAKE BREWERY — NIIGATA

菊水酒造

新潟県新発田市島潟750 1881年創業

紹介

1881(明治14)年に創業者・髙澤節五郎が新潟県新発田市で酒造りを開始した老舗酒蔵です。蔵名および代表銘柄の「菊水」は、能楽『菊慈童』に登場する不老長寿の菊の水に由来します。1972年には日本初となるアルミ缶入りの生原酒「ふなぐち菊水一番しぼり」を開発・発売し、酒造業界に革新をもたらしました。

また、越後民話に登場する山賊頭領の名から命名された秋冬限定のにごり酒「五郎八」や、全国新酒鑑評会の技術を結集させた「節五郎 出品酒」、江戸元禄期の濃厚で甘酸っぱい酒の味わいを再現した「節五郎 元禄酒」など、多種多様な銘柄を展開しています。

科学的データや「四季醸造」体制の導入によって年間を通じた高品質な酒造りを徹底する一方、敷地内には「菊水日本酒文化研究所」や体験型の「KIKUSUI 蔵 GARDEN」を構え、日本酒や発酵文化の魅力を発信する取り組みにも注力しています。

歴史

菊水酒造の歴史は1881年(明治14年)、創業者・髙澤節五郎が弱冠16歳で、本家筋にあたる叔父の髙澤正路から酒の製造権を譲り受け、造り酒屋として生計を立てる決意をして酒屋を興したことに始まります。当初は自然発酵に頼る不確実な製造方法の中で失敗のリスクを抱えながらも酒造りを続け、1896年(明治29年)に新潟県知事から正式に清酒製造免許の交付を受けました。1910年(明治43年)には「菊水」を商標登録しています。この名は能楽『菊慈童』に登場する、飲めば不老長寿になるという菊の水にちなむものです。

その後、1921年(大正10年)に製販分離を行い、1956年(昭和31年)には菊水酒造株式会社を設立して新蔵を建設しました。転機となったのは1967年の羽越水害で、蔵は大きな被害を受けます。廃業も検討されるほどの苦境でしたが、顧客からの励ましもあって移転再建を決断し、1969年(昭和44年)に現在地の新発田市島潟に新蔵を完成させました。この再建を機に、他の蔵に先駆けて旧来の杜氏制度を廃止し、酒造りの技術を社員全体で継承する体制へと転換しています。

1969年の新蔵稼働後、蔵を訪れた客から「こんなにうまい酒をなぜ売らないのか」という声が寄せられたことが、蔵でしか味わえなかったしぼりたての生原酒を商品化するきっかけになりました。生原酒を常温で流通させることは技術的に難しく、火落菌が入らない醸造法の確立や、日本酒が紫外線に弱い性質への対策としての遮光性アルミ缶容器の採用など、3年にわたる試行錯誤を経て、1972年に日本で初めてとなる缶入り生原酒「ふなぐち菊水一番しぼり」が誕生しました。発売当初は一升瓶が常識の業界でアルミ缶入りの酒を扱う販路が少なく、都会からのスキー客や温泉客が多いリゾート地での試飲販売から地道に浸透させていったといいます。同じ1972年には、秋冬限定のにごり酒「五郎八」も発売しており、名称は古くから伝わる越後民話に登場する山賊の頭領にちなんで名付けられました。

2004年(平成16年)には敷地内に菊水日本酒文化研究所を設立し、伝統的な麹造りから先進的な醸造まで挑戦的な酒造りを行う「節五郎蔵」を新設しました。2019年(平成31年)には本社敷地内のショップと日本庭園を公開し、現在は体験型施設「KIKUSUI蔵GARDEN」として発酵文化の発信拠点になっています。2021年(令和3年)に創業140周年を迎えました。

酒造り

菊水酒造の酒造りにおける最大の特徴は、1969年の新蔵再建を機に他の蔵に先駆けて旧来の杜氏制度を廃止したことです。特定の杜氏に酒造りの技術を依存するのではなく、生産部の社員全員が公開・共有できる体制を築き、「酒造りの要諦を教え込み、誰もが一定品質の酒を造れるようにシステム化」する方針を取っています。蔵人は年数を経るごとに、年間5,700キロリットルを製造する大規模な二王子蔵(にのうじぐら)と、その80分の1程度の規模で手造りにこだわる節五郎蔵の両方を経験し、機械化された醸造技術と、暖気樽(だきだる)など伝統的な手仕事の技術の双方を体得する仕組みになっています。

原料米については新潟県産米にこだわり、2017年の基幹商品リニューアルの際には原料米の規定に「新潟県産米100%」を明記し、ラベルにも表示するようにしました。入荷した原料米はすべてカドミウムの含有量を測定して国際基準以下であることを確認するほか、精米には集中コントロールシステムを導入し、原料米のトレーサビリティを確保しています。また、優れた酒造適性を持ちながら1945年に一度姿を消した幻の酒米「雄町」を親に持つ品種「菊水」を復活させ、純米大吟醸原酒に用いる取り組みも行っています。

蔵データ

所在地

新潟県新発田市島潟750

創業

1881年(新潟県)

公式サイト

www.kikusui-sake.com

代表銘柄

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菊水:蔵の中核をなす定番ブランドで、代表格の「菊水の辛口」は新潟県産米100%・精米歩合70%の本醸造生詰酒です。日本酒度+8、酸度1.3の淡麗辛口で、冴えた辛さの中にしっかりとした旨みが乗り、燗でも冷やでも楽しめる食中酒として位置づけられています。

節五郎 出品酒:創業者・髙澤節五郎の名を冠した大吟醸原酒で、全国新酒鑑評会への出品酒と同じ手法で「節五郎蔵」にて醸されています。精米歩合40%、アルコール度数17.5度、新潟県産米100%使用。華やかな香りとふくよかさ、綺麗で締まりのある味わいが特徴です。

節五郎 元禄酒:江戸元禄期の濃厚で甘酸っぱい酒の味わいを再現した純米酒です。精米歩合90%とほとんど米を磨かず、醸造アルコールを添加せずに麹歩合を高め、仕込み水を大きく減らして凝縮感を出しています。アルコール度数17%、酸度2.3、日本酒度-20という濃醇な数値です。

五郎八:1972年発売の秋冬限定にごり酒で、越後民話に登場する山賊の頭領の名にちなんで命名されました。米の旨みを丸ごと感じられる白く濁った濃醇な味わいで、アルコール度数は21度。つぶつぶとした米の食感とコクがあり、おでんや鍋など冬の料理によく合います。

見学・購入

蔵見学

あり(要事前確認)

直売所

本社敷地内の体験型施設「KIKUSUI蔵GARDEN」にラボ・ショップ(9:30〜16:30、月曜定休)とカフェ(平日11:00〜16:00、土日祝10:00〜16:00、月曜定休)を併設し、日本酒の販売や500円での利き酒体験ができます。

補足

蔵見学(節五郎蔵・菊水日本酒文化研究所)は所要約60分、料金は20歳以上500円・20歳未満無料で、1日4回(各回定員7名)実施されています。月曜休館(祝日の場合は営業し翌日休止)で、実施日前日16:00までに公式サイトから要予約です。所在地は新潟県新発田市島潟750。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

niigata-sake.or.jp / niigata-kigyo-navi.jp / kikusui-sake.com / compalyze.co.jp / cushu.jp / albirex.co.jp / niigata-sake.net / japansake.or.jp / kikusui-kamosudemitasu.com / kuramotokai.com / jp.sake-times.com / ja.wikipedia.org

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