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樋木酒造

代表銘柄:鶴の友

新潟県

NIIGATA

1832年創業

樋木酒造の建物
樋木酒造の建物(2021年撮影)「樋木酒造 2020.jpg」 — 写真:皓月旗 / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

樋木酒造は1832年(天保3年)に創業し、1855年に現在の新潟市西区内野町へ移転した酒蔵です。店舗兼主屋や東酒蔵、西酒蔵の3棟は国の登録有形文化財に登録されています。「地酒とは本来その土地で飲まれるもの」という信念を貫き、醸造されたお酒のほとんどが地元・新潟市内を中心に流通しています。淡麗辛口が主流である新潟清酒の中で、ふくよかで芳醇な旨味とやわらかな口当たりをもつ個性的かつ食に寄り添うお酒を手がけています。

2016年の第87回関東信越国税局酒類鑑評会では吟醸酒の部で最優秀賞を獲得したほか、2023年の新潟ガストロノミーアワード特産品部門でも特別優秀賞を受賞しています。

樋木酒造の歩み

樋木酒造は、新潟市西区内野町にある酒蔵です。創業は1832年(天保3年)で、1855年(安政2年)に拠点を内野に移し、以来この地で酒造りを続けています。造っている銘柄は「鶴の友」ただ一つです。名前は、良寛にゆかりのある分水町の阿部家で造られていた酒「明けの鶴」から一字を取って付けられました。

南北に長い敷地には、南向きに建つ店舗兼主屋の奥に、仕込蔵などの酒造施設が並んでいます。店舗兼主屋、東酒蔵、西酒蔵の3棟は、2000年(平成12年)4月に国の登録有形文化財に登録されました。西酒蔵は明治26年(1893年)の建築で、外壁は漆喰塗りと腰の縦板張り、内部は1階が貯蔵庫、2階が作業場という伝統的な酒造蔵です。東酒蔵は明治45年(1912年)の建築で、西酒蔵とほぼ同じ形式ながらひとまわり大きく、杉丸太の陸梁を用いたキングポストトラスを取り入れた、近代工法の大規模な酒造蔵です。

主屋は昭和30年(1955年)に新津市柄目木の民家を移築したもので、前面の右端に店舗を設けた大型の寄棟造の民家です。この地方の六間取りの平面がよく残されています。

蔵の信念は、地酒とは本来その土地で飲まれるものだという考えです。販売は地元の内野町を中心とした新潟市に絞られ、酒のほとんどが新潟市西区を中心に流通し、飲まれています。2013年の取材で、社長の樋木尚一郎さんは、新潟の酒が全国で買えるようになった今も、酒を醸している土地で飲まれ、販売されていてこそ地酒だという考えを貫いていると語っています。地元で売ることで、自分たちの酒がどう飲まれ、どう扱われているのかを知り、飲み方を伝えられるからです。

この姿勢は2023年(令和5年)の新潟ガストロノミーアワードで評価され、特産品部門の特別優秀賞に選ばれました。

同じ取材で、社長は「酒は適量を」を信条に挙げています。日本酒は世界で最も素晴らしい食中酒であり、どんな料理にも合う酒だからこそ、「少量有益、大量有害」の心得できちんと飲んでほしいという思いがあります。小さな蔵ながら、量は少なくとも全てに目の行き届く酒造りで知られ、地元の人が手に取りやすい価格で酒を出し続けています。

鑑評会でも実績を重ねています。関東信越国税局酒類鑑評会では、2016年(平成28年)の第87回で、吟醸酒の部(出品197点)の最優秀賞を獲得しました。平成8年春の鑑評会以来2度目の最優秀賞です。

優秀賞も第83回(平成24年)の吟醸酒の部と純米酒の部、第84回(平成25年)の純米酒の部、第85回(平成26年)の吟醸酒の部と純米酒の部、第88回(平成29年)の吟醸酒の部、第91回(令和2年)の吟醸酒の部、第92回(令和3年)の吟醸酒の部、第94回(令和5年)の吟醸酒の部と純米吟醸酒の部、第95回(令和6年)の吟醸酒の部、第96回(令和7年)の吟醸酒の部と純米吟醸酒の部で受けています。

全国新酒鑑評会では、平成15酒造年度以降に19回入賞し、うち金賞は平成15・16・22・25・26・27酒造年度と令和2・3酒造年度の8回です。平成25酒造年度から27酒造年度までは3年続けての金賞でした。

酒造りの特徴

新潟の日本酒は淡麗辛口という印象が強いなかで、鶴の友はふくよかな旨味とやわらかな口当たりを持ち味としています。ラインナップは、普通酒の上白、本醸造の別撰、特別本醸造の特撰、純米酒、大吟醸の上々の諸白の5種類です。上白は伝統の製法で昔から味わいを変えずに醸している普通酒で、創業以来変わらぬ売れ筋です。別撰は新潟県産米を使った本醸造で、スッキリとやや甘口、香りはほのかです。純米酒は五百万石を精米歩合59パーセントまで磨き、アルコール分は15度以上16度未満です。

鶴の友は、吟醸や大吟醸といった特定名称を表示せず、大吟醸には「上々の諸白」の名を付けています。2016年の第87回関東信越国税局酒類鑑評会で最優秀賞に輝いたのは、新潟県が開発した酒造好適米の越淡麗を39パーセントまで磨いた大吟醸でした。受賞当時の杜氏の樋口宗由さんは、平成11年に蔵へ入り、前任の杜氏のもとで4年修業して、平成15年に杜氏となりました。杜氏の肩書には、大吟醸を研究する部署の責任者という意味を込めて「諸白研究室長」を使っていました。

この大吟醸のために、樋口さんは受賞の3年前から麹米の使用量を大きく減らし、種麹も吟醸酒用とはまったく別のものに切り替えました。そのうえで造りの最後の工程に工夫を重ね、香りがよく、味がしっかりしていてキレのよい吟醸酒を目指したのです。平成27酒造年度の酒でほぼ完成の域に入り、樋口さんは、それが評価につながったと振り返っています。越淡麗は、栽培農家、酒蔵、県の醸造試験場が失敗も成功もオープンに情報交換をしながら使いこなしてきた酒米で、樋口さんは最優秀賞を県全体の取り組みの成果と受け止めました。

第88回(平成29年)までは樋口さんの名で受賞していましたが、その後樋口さんは蔵を離れました。令和2年(2020年)の第91回以降の関東信越国税局酒類鑑評会の受賞酒は、杜氏等の丸田康輔さんの名で出品されています。

代表銘柄

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鶴の友

鶴の友は樋木酒造が造る唯一の銘柄で、普通酒の上白、本醸造の別撰、特別本醸造の特撰、純米酒、大吟醸の上々の諸白の5種類があります。良寛にゆかりのある阿部家の酒「明けの鶴」から一字を取った名前で、淡麗辛口が主流の新潟にあって、ふくよかな旨味とやわらかな口当たりが持ち味です。上白は創業以来の売れ筋で、ぬる燗がおすすめです。

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見学・購入

蔵見学
なし
直売所
蔵での直売は行っていないとされ(2018年時点)、主に新潟市内の酒販店で購入できます。
補足
蔵見学は受け付けていません。最寄りはJR越後線の内野駅で、蔵までは徒歩約5分です。SNSやインターネット販売は行っていません(2024年時点)。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
新潟県新潟市西区内野町582番地
創業
1832年

出典

bunka.go.jp / niigata-sake.or.jp / wikipedia.org / niigata-gastronomy-award.jp / week.co.jp / ginzado.ne.jp / sakedata.jp / youtube.com / sake-times.com / bunka.nii.ac.jp / jp.sake-times.com / tjniigata.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / cushu.jp / saketime.jp / sakenomatsuzawa.com / matsuzaki-shop.jp / shop-kishimoto.com / niigata-sake.net / ponshukan.com

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