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麒麟山酒造

代表銘柄:麒麟山

新潟県

NIIGATA

1843年創業

麒麟山酒造は、江戸時代後期の1843年(天保14年)に新潟県東蒲原郡の現在の阿賀町津川で創業した酒蔵です。酒名は地元のシンボルである名峰「麒麟山」に由来しています。五代目以来の「酒とは辛いもの」という信念を受け継ぎ、毎日の食卓に寄り添う酒造りを行っています。仕込み水には、御神楽岳のブナ林が育んだ常浪川の清冽な軟水を使用しています。また、地元農家と「奥阿賀酒米研究会」を発足させるなど原料米にもこだわり、地元・奥阿賀産米100%による酒造りを実施しています。

代表銘柄「麒麟山」の原点である「伝統辛口(愛称デンカラ)」は、すっきりとしたキレと飲み飽きしない味わいが特徴です。インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)では2018年に「伝統辛口」が普通酒部門でゴールドメダルを受賞するなど、海外でも評価されています。

麒麟山酒造の歩み

麒麟山酒造は、新潟県東蒲原郡阿賀町の津川にある酒蔵です。津川は阿賀野川と常浪川が合流する地で、かつては新潟と会津を結ぶ川港として栄えました。創業は1843年(天保14年)で、当時の齋藤家は林業と木炭づくりを営んでおり、その傍らで酒造りを始めました。創業期の銘柄は「福の井」でした。

1882年(明治15年)、三代目当主が詠んだ歌「金上乃城の跡なる麒麟山 今は紅葉乃名所なりけり」を前文として商標登録し、銘柄を「麒麟山」に改めました。麒麟山は阿賀野川と常浪川の合流点にそびえる標高195メートルの小さな山で、その名は中国の想像上の動物「麒麟」の姿に似ていることにちなみます。明治中期の1890年頃には林業と木炭業をやめて酒造業一本に絞り、1951年(昭和26年)には齋藤酒造場から法人化して麒麟山酒造株式会社となりました。

五代目当主の齋藤徳男は、寝るまで盃を傾けていたほどの酒好きで、飲み飽きしないすっきりした飲み口を何よりも好み、「酒とは辛いもの」という信念のもとで酒造りを行いました。この信念は今も蔵の原点であり、代表銘柄「伝統辛口」に受け継がれています。現在は七代目の齋藤俊太郎が代表取締役社長を務めています。津川で生まれ育ち、大学進学で東京へ出て広告代理店に5年間勤めたのち地元に戻り、2006年(平成18年)に社長に就任しました。

麒麟山酒造の大きな取り組みが、地元産米での酒造りです。かつて阿賀町産米は使用量の3割ほどでしたが、1995年(平成7年)、「地元産原料米で酒を造りたい」という思いに共感した15人の農家とともに「奥阿賀酒米研究会」を発足させました。初年度の収穫量は600俵で、必要量の約6%にとどまりました。2011年(平成23年)には社内に酒米栽培専門のアグリ事業部を置き、2018年(平成30年)に全量を阿賀町産米で仕込めるようになりました。

2023年には米づくりの担い手を育てる体験講座「麒麟山米づくり大学」を開き、2025年には米づくり30周年を記念した「真珠の稔」を発売しました。

近年も新しい取り組みが続いています。2021年3月には代表銘柄のラベルを全面的に変更し、レギュラー商品を15種から7種に絞りました。2023年の創業180周年には、五百万石、越淡麗、たかね錦それぞれの大吟醸を1843本ずつ限定で発売しました。2024年には次世代の蔵人が中心となる「麒麟山研究室」を立ち上げ、第一弾として江戸時代から行われてきた製法の「柱焼酎仕立て」を商品化しました。

2026年には日本酒業界で初めて国のDX認定を取得し、製造現場では泊まり番の廃止と、紙で管理していた記録のタブレットへの移行を行いました。杜氏の長谷川良昭は令和7年度の新潟県卓越技能者「にいがたの名工」に選ばれ、2026年にはそれを記念した「麒麟山 叶」が発売されました。

酒造りの特徴

酒造りの土台は、水も米も蔵の近くから得られることです。仕込み水は、ブナの原生林を有する御神楽山系から流れ出る常浪川の伏流水で、ミネラル分が極めて少ない超軟水です。この水を守るため、2010年から常浪川上流の山奥の荒地に約5,000本のブナと杉を植え、手入れを続けています。酒米は、五百万石、越淡麗、たかね錦の三品種を使います。五百万石は淡麗できれいな酒質に、越淡麗は贅沢で香り豊かな酒質に、たかね錦はシャープで爽やかな酒質に使い分けます。普通酒の掛米には、一般米のこしいぶきも使います。

越淡麗は新潟独自の酒米で、蔵は早くから酒造りに取り入れてきました。

酒米は蔵から半径10キロ以内の阿賀町内で育てられ、約55の地元農家と契約しているほか、蔵人も田植えから収穫まで田んぼに立ちます。収穫後すぐに仕込みを始めます。阿賀町でつくられる米の2割近くが酒造りに使われています。杜氏は専務取締役・製造部長を兼ねています。杜氏の長谷川良昭は、定番の普通酒である伝統辛口と超辛口を、数ある銘柄のなかでも特に造りが難しい酒に挙げています。すっきりした味わいにするために通常より低温に保って醸し、長い期間をかけます。

手間をかけた分、日本酒度と酸度、アミノ酸のバランスがとれ、すっきりとした中にもあとを引く旨味とキレが生まれます。

商品は、新潟・奥阿賀産米100%のレギュラー7本が中心です。基本の3本は、キレの良い伝統辛口、心地良い旨味から徐々に辛さがふくらむ超辛口、越淡麗を使った純米酒のやわらかです。ほかに、たかね錦の吟醸酒「遠雷」、越淡麗の純米吟醸酒「ユキノシタ」、五百万石の純米吟醸酒「金雲母」、五百万石の純米大吟醸酒「ながれぼし」があります。季節酒の「紅葉」は、低温貯蔵で3年以上熟成させた純米大吟醸原酒です。2023年には、歴代の杜氏三代が見守った延べ20年以上の熟成酒「紅葉〈金〉」が5年ぶりに特別蔵出しされました。

夏は、伝統辛口と強炭酸を1対1で割り、生レモンを入れる日本酒サワー「麒麟山サワー」を蔵が提案しており、新潟県をはじめ多くの飲食店で提供されています。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限っても20回入賞し、うち金賞は13回です。金賞は、平成18・19・20酒造年度の3年連続、平成23酒造年度、平成25酒造年度、平成27酒造年度から平成30酒造年度までの4年連続、令和2酒造年度、令和5酒造年度から令和7酒造年度までの3年連続です。入賞は平成16・21・22・26酒造年度と令和元・3・4酒造年度で、令和元酒造年度は金賞の選定がありませんでした。

関東信越国税局酒類鑑評会では、第88回(平成29年)と第91回(令和2年)の吟醸酒の部で特別賞を受賞し、第91回では新潟県総代に選ばれました。優秀賞は、吟醸酒の部で第84回(平成25年)、第85回(平成26年)、第86回(平成27年)、第87回(平成28年)、第89回(平成30年)、第90回(令和元年)、第92回(令和3年)、第94回(令和5年)、第95回(令和6年)、第96回(令和7年)、純米吟醸酒の部で第88回、第94回、第96回に受賞しています。

国際的な品評会のインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)では、2018年に伝統辛口が普通酒部門でゴールドメダルを受賞しました。伝統辛口は2017年に同部門でシルバーメダル、2019年にブロンズメダルも受賞しています。大吟醸酒では、2012年と2014年にブロンズメダルを受賞しています。

代表銘柄

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麒麟山

麒麟山酒造の代表銘柄で、原点となるのが「伝統辛口」です。愛称は「デンカラ」で、アルコール度数は15度、すっきりとしたキレの良さと飲み飽きしない味わいが持ち味です。新潟・奥阿賀産米100%で醸し、55度の燗から10度の冷やまで楽しめます。IWC 2018では普通酒部門でゴールドメダルを受賞しました。ほかに超辛口、純米酒のやわらか、吟醸の遠雷、純米吟醸のユキノシタや金雲母、純米大吟醸のながれぼしなどがそろいます。

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見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵直売所「FUMOTO」は本社内(阿賀町津川46)にあります。営業時間は8時30分から17時までで、土曜・日曜・祝日は定休です。公式オンラインショップでも購入できます。
補足
蔵見学は酒造りの閑散期にあたる6月から9月上旬に行い、完全予約制でインターネット予約のみです。案内は10時と14時の2回で、所要は約60分、料金は20歳以上1人1,000円(お土産付き)、定員は7名までです。見学場所は本社ではなく製造場の麒麟蔵(阿賀町津川3636)で、最寄り駅は津川駅です。蔵内は階段や段差が多く、車いすの方は事前の相談が必要です。当日は納豆・ヨーグルト・柑橘類の飲食を控える必要があります。見学のほか、酒米の田植え体験・稲刈り体験や、蔵見学と食事を組み合わせたペアリングランチツアーも開かれています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
新潟県東蒲原郡阿賀町津川46
創業
1843年
公式サイト
kirinzan.co.jp

出典

sake-map.jp / kirinzan.co.jp / niigata-sake.net / gozzo-line.com / sake-harasho.com / maff.go.jp / niigata-sake.or.jp / ponshukan.com / nrib.go.jp / nta.go.jp / ni-kenshuhan.co.jp

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