SAKE BREWERY — TOYAMA
若鶴酒造
紹介
富山県砺波市に位置する若鶴酒造は、文久2年(1862年)に創業した酒蔵です。代表銘柄には伝統ある「若鶴」のほか、濃厚な旨味とすっきりとした後味を兼ね備えた「苗加屋(のうかや)」などがあります。
仕込み水には庄川的伏流水を使用し、富山県産の「雄山錦」や兵庫県産の「山田錦」といった厳選した酒米で丁寧に仕込んでいます。かつては越後杜氏と南部杜氏の2つの流派がそれぞれ別の蔵で技を競い合った歴史を持ち、双方の良さを取り入れつつ「品質本位」の酒造りを続けています。また、1952年からは清酒造りのみならず、北陸唯一となるウイスキー造り(三郎丸蒸留所)をスタートさせたことでも知られています。
受賞歴としては、1952年の第一回全国清酒品評会における優等賞獲得をはじめ、全国新酒鑑評会など各種品評会において多数の金賞受賞歴を有しています。
歴史
若鶴酒造は文久2年(1862年)、砺波郡五位組三日市村(現在の高岡市福岡町)の豪農・久次郎が加賀藩の免許を受けて酒造業を営んでいたものを、三郎丸村の豪農・桜井宗一郎の分家である勇三郎が酒造権を譲り受けたことに始まります。明治43年(1910年)に初代稲垣小太郎が継承しました。
大正7年(1918年)10月には若鶴酒造株式会社として法人化され、資本金10万円で新たなスタートを切りました。初代稲垣小太郎が長男彦太郎(後の2代稲垣小太郎)を片腕に経営にあたり、大正11年(1922年)には清酒蔵「大正蔵」を新設しています。大正蔵は土蔵造りの建物として現在も残り、後年の改修を経て蔵の歴史を伝える見学施設として活用されています。
第二次世界大戦後、米不足という時代の制約の中で、若鶴酒造は昭和22年(1947年)に若鶴発酵研究所を設け、米以外の原料による酒造りを模索しました。昭和25年(1950年)11月に合成清酒の製造免許を取得し、昭和27年(1952年)にはウイスキーの製造免許を取得。翌昭和28年(1953年)に「サンシャインウイスキー」を発売しましたが、同年5月に火災が発生し工場が焼失するという苦難にも見舞われました。昭和29年(1954年)11月にはフランス製のアロスパス式蒸留器を導入して本社を復興し、昭和34年(1959年)10月には鉄筋コンクリート2階建ての清酒蔵(昭和蔵)を新設しています。
清酒造りにおいては、昭和34年(1959年)に昭和蔵を新設し、それまで蔵を任されていた越後杜氏に加え南部杜氏を招き、大正蔵(越後杜氏)と昭和蔵(南部杜氏)の2蔵で技を競わせる体制を取りました。南部杜氏は平成6年(1994年)に引退しましたが、その技術は現在の杜氏に受け継がれています。
一方のウイスキー事業は長く販売不振が続き、2000年代には製造が中断されていました。平成28年(2016年)、東京でIT関連の仕事をしていた5代目の稲垣貴彦が家業に戻り、同年秋に三郎丸蒸留所改修プロジェクトを立ち上げました。クラウドファンディングで約3800万円(うち75%が地元からの支援)を調達し、平成29年(2017年)7月にウイスキー製造を再開しました。令和元年(2019年)には高岡市の梵鐘メーカー老子製作所と共同開発した世界初の鋳造製ポットスチル「ZEMON」を導入し、令和3年(2021年)には日本初のボトラーズ事業者「T&T TOYAMA」を立ち上げるなど、清酒とウイスキーの両輪で事業を展開しています。
酒造り
若鶴酒造の仕込み水には、庄川水系の伏流水を用いています。庄川の流れが花崗岩層に磨かれて生まれる清冽な軟水で、雑味の少ない仕込みを可能にしています。
使用する酒米は、富山県が開発した酒造好適米「雄山錦」を中心に、「山田錦」、「五百万石」なども用いています。雄山錦は扱いに高い技術を要する米とされ、旨みを残しながらもキレのある酒質に仕上げる若鶴酒造の酒造りを支えています。
杜氏については、越後杜氏と南部杜氏という日本三大杜氏のうち2つの流派を受け継いでいる点が特徴です。現在の杜氏は両流派の技術を併せ持ち、南部流由来の濃醇な甘みと越後流由来のキレの良さを兼ね備えた酒質を追求しています。品質本位の姿勢を掲げ、選び抜いた米と麹、庄川の伏流水、杜氏の技を掛け合わせた酒造りを続けています。
蔵データ
代表銘柄
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若鶴:若鶴は若鶴酒造のフラッグシップブランドです。平成30年(2018年)に高級酒ラインとして刷新され、「瑤(よう)」を冠したサブブランドが発表されました。兵庫県三田産山田錦を精米歩合38%まで磨いた「瑤嶺」、富山県南砺産雄山錦で旨みとキレを追求した「瑤雫」があり、杜氏とマイスターの手造りにこだわった商品です。全国新酒鑑評会でも金賞受賞歴があります。
苗加屋:苗加屋は2000年に発売された、若鶴酒造の看板銘柄のひとつです。南部流の濃醇な甘みと越後流の淡麗な後味を融合させ、口に含むと甘さが広がった後、すっと切れる味わいが特徴です。富山県産雄山錦を用いた純米吟醸無濾過生原酒などがラインアップされています。純米吟醸 山田錦 無濾過生原酒は、ワイングラスでおいしい日本酒アワードで2023年に金賞を受賞しています。
見学・購入
あり(要事前確認)
敷地内の「大正蔵」内にショップがあり、若鶴の日本酒や三郎丸蒸留所のウイスキーをはじめ、ハリークレインズ商品やオリジナルグッズなどを販売しています。
見学は予約制で、個人は三郎丸蒸留所公式サイトから申し込みます(所要約1時間・参加費5,000円)。15名以上の団体はメールでの申し込みとなります。アクセスは北陸新幹線新高岡駅からJR城端線に乗り換え油田駅下車、車の場合は国道156号線沿いです。駐車場は普通車15台分あり、水曜定休です。併設の「竈flamme炭三郎」では竈炊きごはんと富山の食材を使った和洋折衷料理が楽しめます。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
japansake.or.jp / wakatsuru.co.jp / harrycranes.jp / mizutotakumi.jp / dragonroute.net / tonami.lg.jp / ginjyoshu.jp / ja.wikipedia.org / sakagura-press.com / nikkei.com / prtimes.jp / info-toyama.com
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