桝田酒造店
代表銘柄:満寿泉・みゃあらくもん
富山県
TOYAMA
1893年創業
富山県富山市東岩瀬町に位置する桝田酒造店は、1893(明治26)年に創業した老舗酒蔵です。蔵元の姓である「桝田」に因み、めでたい「寿」が「満」ちる「泉」から代表銘柄「満寿泉(ますいずみ)」と名付けられました。昭和40年代より吟醸酒造りにいち早く挑戦し、「吟醸の満寿泉」としてその名を馳せた先駆者的な存在です。能登杜氏の伝統的な醸造技術を継承しながら、「美味求眞」を信条に、富山湾の海の幸をはじめとする豊かな食に寄り添う酒造りを行っています。
伝統を守りつつも、ワインのオーク樽を用いた熟成酒や、希少な酒米「富山錦」を使用した限定酒「みゃあらくもん」を手掛けるなど、革新的な取り組みも推進しています。品質面でも高く評価されており、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)では2020年から2022年まで3年連続で古酒部門の金賞を受け、2022年には同部門のトロフィーにも輝いています。また、かつて北前船で賑わった地元・東岩瀬の歴史的な街並み保存や活性化といったまちづくりにも深く貢献しています。
桝田酒造店の歩み
桝田酒造店は、1893年(明治26年)の創業です。その歴史をたどると、北前船の寄港地として栄えた富山市岩瀬の港町に行き着きます。明治初期、桝田家初代の兵三郎は長男亀次郎とともに岩瀬から北海道旭川へ渡り、「都松」の商標で酒造業を興しました。旭川での酒造りは順調に拡大し、明治30年頃には1,500石という、当時としては日本有数の規模にまで成長しています。
ところが明治35年、旭川は日本の観測史上最低となるマイナス41度の大寒波に見舞われました。極寒の地での暮らしに耐えかねた亀次郎の妻フデは、次第に故郷岩瀬への帰郷を望むようになります。妻の願いを受けた亀次郎は帰郷を決意し、明治38年より岩瀬の地で「岩泉」の銘柄により酒造りを再開しました。これが現在の桝田酒造店の直接の始まりです。昭和のはじめには、桝田の姓にちなみ「寿」が「満」ちる「泉」と当て字した「満寿泉」の名で売り出した酒が港町の芸者衆にも喜ばれて大きな評判を呼び、主力ブランドとなりました。
満寿泉が新たな転機を迎えたのは、昭和40年代半ばのことです。吟醸酒という個性がまだ一般の市場に受け入れられていない時代に、4代目の敬次郎は生き残りを賭けてあえて吟醸酒造りの道を選択しました。能登杜氏の中でも高い技術を持つことから「能登四天王」の一人に数えられた杜氏の三盃幸一とともに造りに取り組み、品の良いかろやかな味わいの大吟醸にたどり着くと、昭和47年頃からは鑑評会で金賞受賞の常連となり、やがて「吟醸の満寿泉」としてその名を馳せる先駆者的な存在になっていきました。
三盃はのちに杜氏の座を後進に譲りましたが、その技術は蔵人たちに確実に受け継がれています。
現在、桝田酒造店の5代目を務めるのは桝田隆一郎です。桝田は日本酒造りにとどまらず、酒蔵のある岩瀬の町並みの再生にも力を注いできました。北前船の廻船問屋街として栄えた岩瀬大町・新川町通りでは、ガラス作家や陶芸家、鍛冶職人といった若い作り手たちが移り住み、古い商家を改装した飲食店や工房が軒を連ねるようになっています。桝田酒造店もまた、この町の一員として世界の食通が集まる産地を目指し、酒造りを続けています。
酒造りの特徴
満寿泉の酒造りを貫くのは「美味求眞」という言葉です。美味しいものを食べている人でなければ美味しい酒は造れないという考えのもと、富山湾の海の幸をはじめとする豊かな食に寄り添う、味わい深い酒を目指しています。仕込み水には、北アルプス立山連峰を水源とする常願寺川系の伏流水を使用しています。酒造りは毎年10月中旬の大安の日に始まり、翌年の春まで続きます。
力を入れている技法のひとつが貴醸酒です。三段仕込みの最後の一段で、通常使う水の代わりに酒を加えて醸すことで、濃厚でとろりとした酒質を生み出します。この貴醸酒は、ブルゴーニュの白ワインの熟成に使われたオーク樽に貯蔵し、深く複雑な風味を持つ古酒に育てています。ほかにも、スコッチウイスキー「シーバスリーガル」の熟成に使われた樽には日本酒を貯蔵し、シャンパーニュ「アンリ・ジロー」の熟成に使われたオーク樽は空輸したうえで麹歩合を高めた濃いお酒を入れて熟成させるなど、樽ごとに個性の異なる酒質を育てています。
こうした取り組みは国内外で評価されています。全国新酒鑑評会では平成16酒造年度に金賞を受賞し、翌平成17酒造年度にも入賞しました。海外では、イギリスの国際的な品評会インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のSAKE部門で、オーク樽熟成の貴醸酒が2020年から2022年まで3年連続で古酒部門のゴールドメダルを受賞し、2020年と2022年には同部門のトロフィーにも輝いています。
2025年には、貴醸酒をさらに貴醸酒で仕込んだ「貴醸酒×貴醸酒」と、1995年を最初のヴィンテージとする「純米大吟醸SUPECIAL」が、熟成部門でゴールドメダルを受賞しました。
代表銘柄
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満寿泉
満寿泉は桝田酒造店の主力ブランドで、昭和のはじめに蔵元の姓「桝田」にちなみ「寿」が「満」ちる「泉」と当て字して名付けられました。昭和40年代半ばには吟醸酒造りにいち早く挑戦し、「吟醸の満寿泉」として名を馳せた先駆者です。近年は貴醸酒をワイン樽やウイスキー樽で熟成させる古酒造りに力を入れ、オーク樽熟成の貴醸酒はイギリスの品評会IWCで2020年から2022年まで3年連続金賞、2020年と2022年には古酒部門のトロフィーも獲得するなど、国内外で高く評価されています。
楽天で商品を見るみゃあらくもん
みゃあらくもんは、富山市内にある日本酒専門店・真酒亭のためだけに桝田酒造店が醸す限定酒で、一般には流通していません。富山市内で栽培される、今では希少な「富山錦」という米を用い、大吟醸の造りによる純米酒として仕込まれています。名前は仕事もせず自分の楽しみにふける人を指す富山の方言に由来しています。
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 蔵では清酒を直売しているほか、徒歩5分ほどの「沙石」では満寿泉を有料で唎酒できます。支払いはセルフサービスで、市中にあまり出回らない限定酒や古いヴィンテージも用意されています。
- 補足
- 蔵の営業時間は8時30分から17時までで、土曜・日曜・祝日は休業です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 富山県富山市東岩瀬町269
- 創業
- 1893年
- 公式サイト
- www.masuizumi.co.jp
出典
sakenomy.jp / japansake.or.jp / note.com / projectdesign.jp / maff.go.jp / nohara.jp / hatenablog.com / masushin.co.jp / masuizumi.co.jp / info-toyama.com / nrib.go.jp / jp.sake-times.com / sakagura-press.com / nihonmono.jp / tabelog.com / sakenowa.com / ki1.jp / oising.jp / daiwa-dp.co.jp
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