SAKE BREWERY — ISHIKAWA
福光屋
紹介
1625年(寛永2年)に創業した、金沢で最も長い歴史を持つ酒蔵です。仕込み水には、霊峰白山の麓から約百年の歳月をかけて湧き出る地下水「百年水」を使用しています。1960年から契機農家との酒米づくりに取り組み、2001年にはすべての日本酒を米と水のみで醸す「純米蔵」を実現しました。「福正宗」「加賀鳶」「黒帯」「風よ水よ人よ」「百々登勢」などのブランドを展開しています。また、長年培ってきた米発酵技術を生かし、糀甘酒などの発酵食品や調味料、化粧品(醗酵コスメ)の開発・販売、直営店の運営など多角的に展開しています。
歴史
福光屋の創業は寛永二年(1625年)にさかのぼります。富山県福光町から金沢に出た塩屋太助が、寛永二年創業の酒蔵を買い取ったのが始まりとされ、享和三年(1803年)頃に七代目が屋号を「福光屋」に改めました。以後、八代目太次良、九代目太平二、十代目福光太助と代を重ね、十代目の時代に造石数が1,000石に達して経営が軌道に乗りました。
明治十七年(1884年)生まれの十一代目福光松太郎は「中興の祖」と呼ばれ、基本石数を5,000石余りまで拡大し、蔵の増築や精米所・瓶詰工場の設置を進めて今日の福光屋の礎を築きました。昭和二十四年(1949年)には株式会社福光屋として法人化(資本金500万円)。滋賀県から養子に入った十二代目は京都大学農学部で学んだ知見を生かし、戦後の高度経済成長期にマーケティングの考え方を導入して新商品開発や広告展開を進め、「黒帯」を生み出したほか長期熟成酒の研究にも取り組みました。
昭和六十年(1985年)に十三代目福光松太郎が社長に就任すると、全商品の糖類無添加化を進め、酒造好適米の契約栽培化や社員による蔵人制度を導入しました。平成十三年(2001年)には、醸造アルコールを添加せず米と水のみで日本酒を醸す「純米蔵宣言」を発表し、全量を純米造りに転換しました。
令和七年(2025年)8月22日、創業400年の節目に十四代目として福光太一郎氏が代表取締役社長に就任し、十三代目松太郎氏は代表取締役会長となりました。新体制のスローガンは「米と水と発酵の未来へ」で、日本酒に加えて糀甘酒などの発酵食品、発酵技術を応用した化粧品の開発・販売にも事業を広げています。
酒造り
福光屋の仕込み水「百年水」は、石川・岐阜県境にそびえる霊峰白山の麓に降った雨や雪が、大桑層(おんまそう)と呼ばれる貝殻層を約100年かけて通り抜け、酒造りに適したカルシウムやマグネシウムなどのミネラルを蓄えながら地下150メートルまで達した水です。この水が百年前に降った雨雪であることは、1986年に金沢大学理学部(当時)が行った調査によって判明しました。仕込みの最盛期には一日あたり約150トンの水を使用し、米研ぎから道具の洗浄まで、上水道を使わずこの百年水でまかなっています。
酒米については昭和三十五年(1960年)に兵庫県多可郡中町(現・多可町)の農家と山田錦の契約栽培を開始したのを皮切りに、契約栽培米の使用を拡大してきました。平成二十年(2008年)からは有機栽培米の使用にも取り組んでいます。平成十三年(2001年)の純米蔵宣言により、福光屋は醸造アルコールを添加せず米と麹と水のみで醸す純米造りに全量を転換しました。
蔵元見学では、酒蔵物語の映像鑑賞や百年水の案内、蔵内見学と利き酒がセットになった「蔵内コース」(3,300円、約90分、11月〜3月の月・金・土曜開催)と、利き酒と解説を中心とした「利き酒プレミアムコース」(3,300円、45分、通年開催)を実施しており、いずれも公式予約サイトからの事前予約が必要です。
蔵データ
代表銘柄
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- 風よ水よ人よ
- 百々登勢
福正宗:福正宗は福光屋のハウスブランドで、地元・金沢では最も飲まれているブランドです。自然にふくらむ旨味とすっと消えるキレの良いあと味を特徴とし、料理を引き立てる日常の食中酒として造られています。昭和三十七年から六十三年にかけては「フクちゃん」というキャラクターを使ったテレビ広告で親しまれ、昭和六十三年(1988年)には伝統と現代性を両立させるコンセプトでブランドデザインを一新しました。原料米には契約栽培の「フクノハナ」や山田錦を使用しています。
黒帯:黒帯は昭和五十一年(1976年)に発売された銘柄で、命名者は英文学者の吉田健一です。山田錦と金紋錦を使い、個性の異なる酒をブレンドではなく組み合わせることで、コクとふくらみ、キレのバランスを追求しています。伝統の山廃もとで育てた酵母による鮮烈なキレ味と米の旨味が特徴で、熱燗からぬる燗まで燗をつけると味わいが一段と引き立つ「燗あがり」する酒として、金沢の料理店で長く支持されています。
加賀鳶:加賀鳶は平成四年(1992年)にマルチブランド政策のもとで発売されました。名前は江戸時代に加賀藩江戸屋敷に仕えた大名火消し集団「加賀鳶」に由来し、ロゴの雲と雷は彼らの心意気を象徴しています。兵庫県多可町の山田錦、長野県木島平の金紋錦、富山県福光の五百万石という三種の契約栽培米を用い、旨味を残しながらもキレのある辛口を追求しているのが特徴です。山廃仕込みの製品も揃えています。
風よ水よ人よ:風よ水よ人よは平成七年(1995年)に発売された銘柄で、名前には移りゆく「風」(時代)、百年かけて蔵に届く「水」、蔵人の技である「人」という三つの意味が込められています。令和五年(2023年)には福光屋独自の酵母「FS9」を初めて用いてリニューアルし、アルコール度数を従来の12%から9%へと引き下げました。すっきりと軽やかな口当たりとやさしい甘みの余韻が特徴で、洋食や中華など幅広い料理と合わせやすい設計になっています。
百々登勢:百々登勢は福光屋が手がける長期熟成純米酒のブランドです。醸造アルコールを添加しない純米酒だけが耐えられる長期熟成を生かし、金沢の四季の温度変化の中で酒を寝かせることで、色は黄金色から琥珀色、飴色へと変化し、味わいも複雑に深まっていきます。ブランド名は詩人・高橋睦郎が命名し、ビジュアルデザインにも携わりました。5年・10年・20年・30年など熟成年数の異なる商品があり、10年ものは「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2024」で金賞を受賞しています。
見学・購入
あり(要事前確認)
SAKE SHOP 福光屋 金沢店、福光屋ひがし、玉川店、東京ミッドタウン店など、金沢に2店舗・東京に2店舗の直営店を展開しています。
蔵元見学は「蔵内コース」(3,300円、約90分、11月〜3月の月・金・土曜開催)と「利き酒プレミアムコース」(3,300円、45分、通年開催)があり、いずれも公式サイトからの事前予約が必要です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
kuramotokai.com / ifa.or.jp / fukumitsuya.co.jp / ishikawa-sake.jp / made-in-japan.jp / japansake.or.jp / hot-ishikawa.jp / fukumitsuya.com
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