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丹生酒造

代表銘柄:飛鳥井

福井県

FUKUI

1716年創業

福井県丹生郡越前町に位置する丹生酒造は、1716(享保元)年に創業した福井県内でも古い歴史を持つ酒蔵です。蔵の前に鎮座する八坂神社へ御神酒を奉納したことから酒造りが始まりました。代表銘柄「飛鳥井」の名称は、飛鳥井氏ゆかりの「飛鳥井桜」にちなんでいます。仕込み水には八坂神社境内に湧き出る名水「延命の水(御前水)」を使用し、仕込み米には地元・福井県産(越前町産など)の米にこだわっています。

近年では伝統的な生酛(きもと)づくりに取り組むほか、農薬や化学肥料を使わない農法で育てた飯米を用いた日本酒の開発など、地域の素材と歴史を活かした挑戦を続けています。

丹生酒造の歩み

丹生酒造は、福井県丹生郡越前町天王に蔵を構える酒蔵で、福井県内でも古い歴史を持つ酒蔵です。越前の田中の郷にあたる現在の越前町天王は、祇園天皇宮、いまの八坂神社が鎮座する地であることから天王と名付けられたとされます。蔵の祖先の道誓は、この神社の宮司家から分家して髙橋重兵衛と名乗り、神苑の前に居を構えました。そして三代目の勘右エ門が家業として酒造りを始めたのが、享保元年(1716年)です。神社にお神酒を奉納したことが酒造りの始まりと伝わっています。

享保5年(1720年)には、福井市の大嶋屋から酒株を譲り受けて本格的な醸造家となりました。八坂神社の神苑には清水が湧き、古くから霊水として里に知られており、三代目はこの霊水の流れを承ることを約束して酒造りを始めたとされます。以来、境内の湧き水が蔵の仕込み水として使われ続けています。

銘柄「飛鳥井」の名は、この地とゆかりの深い飛鳥井氏と、一本の桜に由来します。田中の郷は、和歌と蹴鞠の師範を家業とした飛鳥井氏が十代にわたって領有した土地で、六代の権中納言雅縁はこの地で生まれ育ったと伝えられています。応永34年(1427年)、54歳の雅縁は祇園天皇宮への参拝を記念して蹴鞠を奉納し、宮の背の山腹に桜を一本手植えしたと伝わります。そのときの蹴鞠は、今も宮司家に保管されています。花が薄紅色に墨色を帯びていることから「薄墨桜」、また「飛鳥井桜」とも呼ばれました。

飛鳥井桜は樹齢450年を超える雄姿となり、毎年見事に咲き誇りました。神苑の近くに居を構えながら、蔵は花のもっとも見えない家にあたり、そのことを嘆かわしく思った先人が、老桜から若芽を採って蔵に近い台地に移植しました。若芽は勢いよく育ち、老桜にも似た姿になりました。明治新政になり、その桜が威勢よく成長しているところから、ゆかり深い飛鳥井桜にちなんで清酒の銘を「飛鳥井」と名付けたのです。やがて親木の飛鳥井桜は樹齢500年を待たずに枯れましたが、蔵の桜は毎年満開を見せ、醸造や火入れの作業に励む蔵人たちを和ませました。

その桜も室戸台風で折れてしまい、翌年の春、失われた桜の根元から数本の若芽が生まれ、三世の飛鳥井桜が誕生したと伝わります。2019年の時点で、境内には桜があったことを示す石碑が残るのみでした。

社名は、蔵の醸造の伝統が武生税務署管内で最も古く、郡内第一を誇ることから、丹生郡の郡名をとって「丹生酒造株式会社」と決められました。あわせて銘柄は飛鳥井一筋に絞って精進することになり、企業理念は「和醸良酒」です。平成17酒造年度の金沢国税局酒類鑑評会では、北陸三県の72製造者が出品した吟醸酒の審査で、優等賞の28製造者に選ばれ、製造責任者は髙橋滋さんでした。2015年12月、蔵元杜氏だった髙橋滋さんが亡くなり、蔵を閉じるか続けるかを迫られました。創業300年の仕込みの冬のことでした。

300年を伝えてきた重みを考え、蔵を続ける道を選び、髙橋裕子さんが社長を継ぎ、2019年の時点で妹の嶋田明美さんが企画・営業・広報を担い、再建を進めていました。再建後初の酒が蔵の店頭に並んだのは2017年の春です。酒造りは、大野市在住の南部杜氏・井尾光洋さんが手掛けています。2019年の時点では、他の蔵での仕込みを終えた年明けから春までの期間を丹生酒造で担当していました。

酒造りの特徴

仕込み水は、蔵の前に鎮座する八坂神社の境内に湧く清水で、御前水、別名「延命の水」と呼ばれます。夏は汗が引くほど冷たく、冬は温泉のように温かいと伝えられ、疫病平癒にも効くとして古くから霊水として里に知られてきました。近年は北陸名水百選に選ばれており、現在も枯れることなく湧き出て、蔵の仕込み水に使われています。

米は、原料の生産から醸造まですべて越前町産を目指す方針で、越前町糸生地区と宮崎地区の米農家と契約栽培を行っています。主に五百万石と山田錦を栽培しています。純米大吟醸は越前町織田地区産の山田錦を40%まで磨き、純米吟醸は糸生地区産の五百万石を50%、本醸造は福井県産の五百万石を60%まで磨いています。純米酒は糸生地区産の五百万石を含む福井県産の酒米で、精米歩合は65%です。新酒のしぼりたては永平寺町産の五百万石を65%まで磨き、7号酵母で仕込む無濾過の生原酒です。

大吟醸は、福井県が2010年から開発を進めてきた酒米「さかほまれ」を100%使い、福井で開発された酵母FK801で醸す、オール福井の酒です。

季節商品の生もとづくり純米原酒は、杜氏自らが栽培して蔵に持ち込んだ酒米の九頭竜を使い、昔ながらの生酛づくりで醸します。乳酸菌も酵母も蔵の中から取り込む製法で、酵母は蔵付き酵母です。約半年、蔵内のタンクで貯蔵して熟成させ、旨みをのせたひやおろしとして出されます。原料米は福井県永平寺町産の九頭竜100%で、令和7酒造年度の仕込みは精米歩合65%、日本酒度は+10です。精米歩合を80%とした辛口の純米原酒もあり、酵母の働きを自然にまかせて醸し、年月の経過を楽しめる酒としています。

2019年には、蔵元姉妹が新商品「さくら鞠子」の開発資金をクラウドファンディングで募りました。公開5日目に目標の120万円を超え、ネクストゴールの270万円も達成し、最終的な支援総額は339万9,000円、支援者は187人に上りました。純米大吟醸のこの酒は、農薬や化学肥料を使わない農法で越前町の井上高宏さん(田んぼの天使)が育てた飯米のハナエチゼンを100%使い、精米歩合は40%(しぼりたての無濾過生原酒は45%)、酵母はFK501です。

名は、桜を植えた飛鳥井雅縁に恋をした桜の精霊をイメージしたもので、ラベルは福井市のデザイナー・水野美紀さんが手掛けました。売り上げの一部を八坂神社に寄付して桜の苗木を植える構想も掲げられました。酒はしぼりたての無濾過生原酒と火入れ酒として出されてきました。

代表銘柄

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飛鳥井

蔵の前の八坂神社に湧く「延命の水」で仕込む、蔵の銘柄です。純米大吟醸は越前町織田地区産の山田錦を40%精米、純米吟醸は糸生地区産の五百万石を50%精米、本醸造は福井県産五百万石の60%精米でお燗向きです。福井県の酒米さかほまれと福井酵母FK801の大吟醸、永平寺町産九頭竜の生酛純米原酒、ハナエチゼンのさくら鞠子も造られてきました。

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見学・購入

蔵見学
なし
直売所
蔵と同じ所在地(越前町天王18-3)にある直売所「飛鳥井直売所」(髙橋酒店)で購入できます。
補足
蔵見学は行っておらず、試飲は無料でできます。JR鯖江駅からタクシーで約25分、福井鉄道福武線の神明駅から福井鉄道バス福浦線に乗り「朝日」で降りて徒歩約10分です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
福井県丹生郡越前町天王18-3
創業
1716年
公式サイト
www.asukai1716.com

出典

town-echizen.jp / asukai1716.com / fuku-iro.jp / fisc.jp / unbois.shop / readyfor.jp / nanbutoji.jp / fukuisake.jp / hyakuyoko.com / nta.go.jp / nrib.go.jp

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