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宇野酒造場

代表銘柄:一乃谷

福井県

FUKUI

1620年創業

元和5年(1620年)に福井県大野市にて創業した、400年余りの歴史を誇る老舗酒蔵です。明治以前は屋号である「麦屋」として酒を販売していましたが、越前の酒盃「くまがい茶碗」と一ノ谷の合戦にちなむ短冊の一首をきっかけに、銘柄を「一乃谷」と命名しました。酒造りでは「品質第一」をモットーに掲げており、仕込み水には名水百選に選ばれる越前大野の湧水(地下水)を使用しています。原料米には最高級酒造好適米である「山田錦」や地元福井県産の「五百万石」を用い、能登杜氏による熟練の手造りで味と香りの素晴らしさを追求しています。

金沢国税局酒類鑑評会では平成24年の鑑評会まで福井県内で唯一となる19年連続の優等賞(金賞)を受賞したとされるほか、全国新酒鑑評会や能登杜氏の品評会などでも数々の賞を獲得しています。

宇野酒造場の歩み

白山連峰を屏風のように望む越前の城下町、大野で、元和5年(1620年)に創業した酒蔵です。約400年の歴史を持ち、明治時代より前は酒そのものに銘柄の名前がなく、屋号の「麦屋」の酒として売られていました。城下町の大野は、碁盤の目に道路が走る町並みが残り、「越前の奥座敷」として親しまれている土地です。

銘柄「一乃谷」の由来は、蔵に伝わる次の逸話にあります。かつて越前には「くまがい茶碗」と呼ばれる霜降り図柄の酒盃があり、人々はこの盃に酒を注いで立ち飲みを楽しんでいました。そこへ立ち寄った京都の俳人に、くまがい茶碗に「麦屋」の酒を注いで差し出したところ、たいそう喜ばれ、帰り際に短冊へ「麦屋の酒は一乃谷、くまがい(熊谷)で飲めばいつもよしつね(義経)」の一首が残されました。屋号の麦屋と茶碗の名をもじり、一ノ谷の合戦で名高い熊谷直実と義経を詠み込んだ句で、以来、酒名を「一乃谷」と改めて現在に至ります。

蔵は大火に遭いながらも、品質を第一に、お客様に信頼と納得をいただける酒を造り続けるという信念を貫いてきました。社名は株式会社宇野酒造場です。かつて在庫の数や種類が十分でない時期もありましたが、少しずつ品ぞろえを増やし、現在は大吟醸から本醸造、純米酒、季節商品まで幅広く揃えています。予約によるPB商品の開発にも取り組み、一乃谷の持ち味を生かした本物志向の酒造りを進めています。

全国新酒鑑評会では、平成15酒造年度から令和7酒造年度までの間に16回入賞しています。うち金賞は10回で、平成15・16・18・19・20・21・25・26酒造年度、令和3酒造年度、令和5酒造年度です。金賞に届かなかった入賞は、平成27・29酒造年度、令和元・2・4・7酒造年度です。令和元酒造年度は新型コロナウイルスの影響で金賞酒が選定されず、入賞酒のみが決まった年にあたります。令和3酒造年度と令和5酒造年度の金賞は、大吟醸「仁兵衛」での受賞です。

金沢国税局酒類鑑評会では、平成16酒造年度から平成23酒造年度まで8年続けて優等賞を受けています(蔵は優等賞を金賞とも表記しています)。平成24年の鑑評会までは福井県内で唯一となる19年連続の優等賞とされ、平成24酒造年度の受賞者一覧には名前がありません。平成25酒造年度は優等賞、平成26酒造年度は吟醸の部で優等賞と福井県第1位となり、この年に新設された金沢酵母の部でも優等賞を受けました。平成27酒造年度と平成29酒造年度は、吟醸の部と金沢酵母吟醸の部の両方で優等賞を受けています。

令和の酒造年度では、令和元酒造年度から令和7酒造年度まで7年続けて、吟醸の部または金沢酵母吟醸の部で優等賞を受けています。吟醸の部で福井県第1位として代表表彰を受けたのは令和2・3・7酒造年度、金沢酵母の部で福井県第1位となったのは令和4・6酒造年度です。能登杜氏自醸清酒品評会でも、平成22年に第3位、平成27年に石川県知事賞を受け、令和3年の第117回と令和4年の第118回は吟醸の部で2年続けて第2位となり、石川県知事賞を受けました。

令和7年の第121回は優秀賞と石川県杜氏振興協議会長賞(第5位)で4年連続の優秀賞となり、令和8年の第122回は最優秀賞にあたる金沢国税局長賞・能登杜氏名工賞に輝いています。

酒造りの特徴

酒造りの要となる水は、名水百選に選ばれた「お清水(おしょうず)」です。大野市には地下水の湧き出る場所が多く、蔵ではその水を30メートル以上の深さからくみ上げて仕込みに使っています。原料米には、大吟醸に適した最高級の酒造好適米・山田錦を30数年前から使い始めました。当時は福井県内で大吟醸を造る蔵が少なく、山田錦は入手が難しい上に価格も通常の倍でしたが、「この米なくして旨い酒は造れない」と考え、独自のルートで取引を始めました。

正式に仕入れられるようになった今も一俵の単価は高く、失敗の許されない貴重な原料として「味と香りの素晴らしさ」にこだわっています。

工程は基本を丁寧に積み重ねます。洗米では米が割れないよう優しく扱い、事前の吸水試験をもとに水温を調節して、時間を計りながら浸漬する限定吸水を行います。蒸米は約60分、蒸気温度は約105度で蒸し、べたつかずさばけのよい外硬内軟の仕上がりを理想としています。蒸した米は布の上に広げて放冷し、麹室へ引き込みます。「一、麹 二、もと 三、造り」といわれるように、酒の味わいは麹で決まるとして、麹造りを最も大切にしています。酒母は小さなタンクで水・麹・乳酸・酵母・蒸米を順に混ぜて造り、本仕込みは添・仲・留の三段仕込みです。

三段仕込みのあと、搾るまでのもろみ日数は約30日で、糖化と発酵のバランスを取りながら低温で発酵させます。

鑑評会用の大吟醸は、もろみを酒袋に入れてタンク内に隙間なく吊り下げる袋吊りで搾ります。重力でしたたり落ちるしずくは品のある香りがあり、斗瓶に取ったしずく酒は、その年の清酒鑑評会に出品する酒として保管されます。槽しぼりでは、低温発酵したもろみを槽(ふね)と呼ばれる圧搾機にかけ、時間をかけてゆっくり搾ります。蔵はこの昔ながらの槽しぼりが、大吟醸のきめ細かくすっきりした味と香りを生むとしています。

酵母は商品によって使い分けています。「限定大吟醸 二十代目 仁兵衛」と「大吟醸 薫」は自社酵母、「大吟醸 暁」は金沢酵母と協会18号の2種類、「純米酒 純」は金沢酵母、「大吟醸さかほまれ」は福井酵母を用います。製造責任者は21代目の宇野和仁さんで、能登杜氏自醸清酒品評会に自ら造った酒を出品しています。令和8年の第122回で最優秀賞の金沢国税局長賞・能登杜氏名工賞を受けたのは、福井県出身者として初めてです。

代表銘柄

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一乃谷

一乃谷は、屋号「麦屋」の酒に京都の俳人が一首を詠んだことから名づけられた、蔵を代表する銘柄です。山田錦を35%まで磨いて自社酵母で醸す袋吊りの「限定大吟醸 二十代目 仁兵衛」のほか、福井県産五百万石の純米酒、山廃仕込の特別純米酒、本醸造、にごり酒までそろいます。仁兵衛は令和3・5酒造年度の全国新酒鑑評会で金賞を受け、能登杜氏自醸清酒品評会でも石川県知事賞を受けています。

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見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵元直営の販売店「麦屋酒店」が蔵と同じ大野市本町3-4にあります。
補足
見学は事前予約制で、日時・人数・連絡先を添えて1週間前までに問い合わせフォーム、電話、FAXのいずれかで申し込みます。内容は作業場や設備の見学、工程と酒の説明、試飲で、所要は30分から1時間です。見学できる時間帯は10時から12時と13時から16時、料金は試飲代込みで300円、対象は5名から30名です。駐車場は5台分あり、中型・マイクロバスまで入れますが、大型バスは近くの市営駐車場を利用します。古い建物で段差や手すりのない階段があるため、小さなお子様や階段の上り下りが難しい方の見学は遠慮してもらっています。蔵に悪影響が出るおそれがあるため、当日は納豆を控えるようお願いしています。蔵内の写真撮影はできます。インターネット販売は行っておらず、購入は取扱店を通じて行います。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
福井県大野市本町3-4
創業
1620年
公式サイト
itinotani.co.jp

出典

itinotani.co.jp / fuku-e.com / sakeworld.jp / fukuisake.jp / ono-kankou.jp / maff.go.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / biz.chunichi.co.jp

本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。