西岡河村酒造
代表銘柄:月丸・石田
福井県
FUKUI
1869年創業
福井県福井市甑谷町(旧清水町)に蔵を構える西岡河村酒造は、1869年(明治2年)に創業した酒蔵です。東京・八王子の西岡酒造と福井の蔵が一つになり、2003年に八王子の蔵を福井へ移しました。
代表銘柄には「月丸」などがあります。蔵が位置する清水地区は、酒米「五百万石」や、酒米の神力(平成8年に復活栽培し、それで醸すのが「天津神力」)を育む米どころです。仕込み水には、雪解け水が流れ込む清冽な地下水を地下15メートルから汲み上げて使用しています。
酒蔵はかつて「乙女谷」と呼ばれた自然豊かな谷あいに建ち、酒造りの大敵である温度変化が少ない恵まれた環境に位置します。地元の酒米と上質な水を用い、米本来の旨みを生かした切れの良い酒造りを行っています。「石田」は福井市内の居酒屋向けの専用ラベルの銘柄です。
西岡河村酒造の歩み
福井市の西部、旧丹生郡清水町にあたる甑谷町に蔵を構える西岡河村酒造は、甑谷の蔵が明治2年(1869年)の創業の酒蔵です。福井市街から西へ約13キロ、国定公園の越前海岸と山を隔てた谷あいにあり、旧清水町では唯一の酒蔵として酒造りを続けています。町名の「甑」は酒造りで米を蒸す道具のことで、古くから酒造りに縁の深い土地です。
現在の社名は、東京都八王子市の西岡酒造株式会社と福井の蔵が一つになってできたものです。西岡家は1781年(天明元年)に八王子に定住して醸造業を始め、清酒造りは1896年(明治29年)に八木町の地で始めました。1948年には西岡酒造株式会社を設立しています。代表銘柄の月丸は、1992年に八王子の西岡酒造が発売した酒で、八木町の蔵では酒蔵コンサート「音草紙 月丸」や新酒とちゃんこの会、酒蔵そばといった催しも開かれていました。
漫画『酒のほそ道』の作者ラズウェル細木さんが平成9酒造年度の酒造り中に蔵を訪れ、八代目が案内役を務めたことから、作中でも蔵が取り上げられています。
八王子で酒造りを続けるには周辺環境の変化が大きく、より良い酒を造るには蔵を移すのが最良と判断した西岡酒造は、2003年(平成15年)5月末に福井県へ移りました。以後は西岡河村酒造株式会社として、福井で月丸の醸造と販売を続けています。
福井では、明治・大正期に西日本一帯で栽培されていた酒米の神力を、蔵のある旧天津村地区の篤農家の尽力により平成8年に復活栽培し、これを全量使った「天津神力」を、月丸と並ぶもう一つの主力銘柄としています。2019年2月19日には、福井県内で唯一のスピリッツ製造免許を取得しています。現在の代表取締役は河村久子さん、製造責任者は西岡有理子さんで、公式サイトの運営は八代目と若女将が自ら行っています。
八王子の西岡酒造の時代には、1954年に日本酒造組合中央会東京支部の清酒品評会で優等賞を受け、その後も同賞を重ねました。全国新酒鑑評会でも、1980年代の終わりから1993年までに3度、金賞を受けています。福井に移ってからは、平成14酒造年度(結果の発表は平成15年5月28日)に、山田錦を主に使う第II部へ出品した月丸が金賞を受賞しました。平成14酒造年度以降の入賞は、この1回です。
酒造りの特徴
仕込みに使う水は、雪解け水が時間をかけてゆっくりと流れ込む清冽な地下水で、地下15メートルから汲み上げています。蔵の井戸のまわりにはワサビが自生し、夏にはたくさんのホタルが飛び交います。蔵はかつて「乙女谷」と呼ばれた谷あいにあり、酒が嫌う温度変化の少ない場所です。出来立てはもちろん、蔵の中でじっくり熟成させた酒が、味わいを深めていきます。
旧清水町は、酒造りに適した五百万石や天津神力を産する米どころです。月丸(大吟醸を除く)と天津神力の原料米は、すべて福井県内産の契約栽培米と自家栽培米です。月丸に使う米はほとんどが契約栽培・自社栽培の五百万石で、天津神力は契約栽培農家の米と自社の田で作付けした米だけで醸します。天津神力の純米吟醸は、その米を磨き、低温で長く熟成させた淡麗で華やかな酒です。
酒の容器には、環境への配慮からリターナブル瓶を積極的に採用し、王冠も塗料をできるだけ使わないものにしています。日本酒をベースにしたリキュールにも力を入れ、梅酒には福井県産の梅の品種「紅映」を使います。自然恵酒堂のシリーズは、天津神力100パーセントの酒をベースに、福井市木田地区の伝統野菜「木田ちりめんしそ」を使った赤紫蘇や、梅、梅紫蘇を仕立てたリキュールです。
酒粕を使った野菜の粕漬けも自社で作り、福井の海の幸やへしこ、越前そばなど、地元の食品も蔵元の目で選んで届けています。スピリッツ類やオリジナルラベルの酒の受託製造も手がけ、料飲店や個人、法人からの依頼に1本から応じています。2020年5月には高濃度エタノール製品の「エタノール70」も完成させました。
代表銘柄
月丸
月のように丸くきよらかな味わいを目指した、蔵の代表銘柄です。ラベルは夜空に浮かぶ月とたなびく雲をイメージして、佐藤晃一さんがデザインしました。大吟醸を除く月丸の原料米は福井県産で、ほとんどが契約栽培・自社栽培の五百万石です。精米歩合60パーセントの純米は、甘味と酸味を丸みのある味にまとめた力強い酒です。本醸造は柔らかな口当たりで切れの良い辛口です。
石田
福井駅西口にあるおでんが名物の居酒屋「石田屋」専用のラベルです。2024年秋の時点では、中身は同蔵の「一富士 辛口」でした。西岡河村酒造は、料飲店が自分の店のオリジナルラベルの酒を作りたいという依頼を、1本から引き受けています。福井市内の店で味わえる、地元の蔵の酒です。
見学・購入
- 直売所
- 蔵元直営の通販サイト「越前おはやし会」で、月丸や天津神力、リキュール、粕漬けなどを購入できます。
- 補足
- 蔵を訪ねるときは、事前に電話(0776-98-5166)で相談してください。所在地は福井市甑谷町で、福井駅から西へ約13キロの谷あいです。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 福井県福井市甑谷町1-1
- 創業
- 1869年
- 公式サイト
- tsukimaru.com
出典
sakenomy.jp / japansake.or.jp / tsukimaru.com / fukuisake.jp / saketime.jp / sake-labo.com / fukui-san.jp / ameblo.jp / web.archive.org / sakeno.com / nrib.go.jp
本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。