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南部酒造場

代表銘柄:花垣・米しずく・越の雫

福井県

FUKUI

1733年創業

南部酒造場の建物
南部酒造場の建物(2021年撮影)「Nanbu Shuzojo 2021-07 ac.jpg」 — 写真:Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

享保18(1733)年に大野藩御用達の金物商「茶の木屋」として創業し、明治34(1901)年に酒造業へ転換した福井県大野市の酒蔵です。初めて醸した酒の華やかさが爛漫と咲く桜の垣根に例えられたことから代表銘柄「花垣」と名付けられました。「手造りに徹して目の届く量を丁寧に醸す」ことを理念に掲げ、名水百選の地域として知られる大野の湧水(七間清水)や、地元の酒造好適米「五百万石」「越の雫」などを原料に酒造りを行っています。

伝統的な純米酒造りに加え、熟成古酒の研究や地域の農家と連携した持続可能な循環型酒造りなど、挑戦的な取り組みも展開しています。国内外の品評会でも高く評価されており、「全国燗酒コンテスト」での金賞やフランスの「KURA MASTER」での受賞、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」金賞など多数の受賞実績があります。

南部酒造場の歩み

花垣を醸す南部酒造場は、享保18(1733)年に初代・七右衛門が越前大野の七間で創業しました。当時の屋号は「茶の木屋」といい、大野藩の御用商人として金物を扱う大店でした。城下町の七間通りには呉服商や薬舗、質屋、味噌・醤油の醸造元などが軒を連ね、とりわけ酒屋が立ち並んで「酒座」と呼ばれるにぎわいを見せていました。

明治34(1901)年、大野の市街地で度重なる大火を経て、金物商から酒造業へと業種を転換しました。試験醸造を重ねる中でできあがった酒は、ふくよかで華やかな味わいがまるで満開の桜並木のようだと評判になり、爛漫と咲き誇る桜の様子が花の垣根に例えられたことから「花垣」と名付けられました。大正期には7代目・修三が各地の名醸地を訪ねて酒造技術を磨き、品評会でも成果を挙げています。

戦中の苦しい酒造りを経て8代目・忠生が生産を立て直すと、昭和25(1950)年に法人化し「有限会社南部酒造場」として設立されました。昭和57(1982)年には9代目・隆保が家業を継ぎ、手造りの伝統を重んじながら酒造りの近代化にも取り組んできました。

平成28(2016)年には10代目・拓也が家業に加わり、翌平成29(2017)年には有限会社から株式会社へと商号を改めています。令和3(2021)年には店舗の座敷の床下から江戸時代の井戸が見つかり、整備が行われました。現在も9代目・隆保が代表取締役を務め、令和5酒造年度からは常務の拓也が杜氏として醸造の指揮を執っています。

酒造りの特徴

蔵の理念に「手造りに徹して目の届く量を丁寧に醸し、より高品位の酒を世に送り出す」を掲げ、純米酒を軸とした酒造りにこだわっています。平成9(1997)年には全量を特定名称酒とすることを達成し、現在はその3分の2ほどが純米酒です。大野盆地は名水百選に選ばれた「御清水」を擁する水の郷としても知られており、仕込み水には百名山・荒島岳のふもと、地下40メートルから湧き出る硬度42mg/Lの軟水を用い、蔵ではこの水を「山のダシ」と呼んで大切にしています。

主原料には酒造好適米「五百万石」を用いており、県内収穫量の9割を蔵のある奥越前地域が占めています。

平成2(1990)年からは長期熟成の古酒づくりにも取り組んでおり、貯蔵を始めてから30年余りが経ちました。貯蔵に適したトンネルや坑道が近くにない土地柄から、冷蔵ではなく土蔵造りの蔵で常温貯蔵する方法にたどり着きました。大野は冬に雪が積もり夏は盆地特有の暑さとなるため蔵の内部は季節によって気温差が大きく、その寒暖の中で酒を育てています。

令和5(2023)年には、品評会用に醸した大吟醸を10年・20年・30年熟成させた大吟醸古酒シリーズ「悠久の覚醒め」を発売したほか、熟成年数の異なる貴醸酒古酒「貴醸年譜」やブレンド古酒「BLEND in 純米古酒」も展開しています。代表の隆保は長期熟成酒研究会の幹事も務めています。

原料米ごとの個性を伝える「米の違いシリーズ」も手がけ、福井県で生まれた酒造好適米「越の雫」「九頭竜」など地元産の酒米を使った純米無濾過生原酒を、年4回ほど販売店を限定して出荷しています。地元の契約農家と提携した米づくりにも力を入れ、酒粕を肥料として活用する循環型の取り組みも進めています。

全国新酒鑑評会では平成16年・17年・19年・21年に金賞を受賞したほか、平成15年・18年・25年・26年にも入賞しています。金沢国税局酒類鑑評会では、平成29酒造年度に吟醸の部と金沢酵母吟醸の部でダブル受賞、平成30酒造年度と令和4酒造年度にも優等賞を受賞し、令和5酒造年度には吟醸の部で優等賞を受賞して杜氏交代後の新体制での初受賞となりました。

全国燗酒コンテストでは、2019年に「花垣 山廃純米」がプレミアム燗酒部門で県内唯一の最高金賞を受賞したほか、第10回記念大会(2018年)では過去10年間で8年以上入賞した蔵元15社の1社として「最優秀燗酒蔵」に選ばれています。看板商品「花垣 純米にごり」は、スローフードジャパン燗酒コンテスト2013のお値打ち燗酒ぬる燗部門で福井県唯一の最高金賞を受賞したのを皮切りに、全国燗酒コンテストでも2020年から2023年まで4年連続で金賞を、2026年にも金賞を受賞しました。

海外の品評会では、Kura Master 2021で純米酒部門・五百万石部門の2部門でプラチナ賞、2022年には生酛部門・古酒部門で金賞を獲得し、フェミナリーズ世界ワインコンクールでも日本酒部門で金賞を重ねています。国内のワイングラスでおいしい日本酒アワード2017では、スパークリングSAKE部門で「shu shu shu 微発泡純米にごり生原酒」が最高金賞を受賞しました。

代表銘柄

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花垣

花垣は、満開の桜並木を思わせる華やかな味わいから名付けられた蔵の看板銘柄です。純米酒を中心に、本醸造から大吟醸、貴醸酒、長期熟成の古酒まで幅広いラインナップをそろえ、地下深くから汲み上げる伏流水と地元産の酒米を用いて丁寧に醸されています。全国燗酒コンテストでの金賞をはじめ、Kura Masterやワイングラスでおいしい日本酒アワード、フェミナリーズ世界ワインコンクールなど国内外の品評会で高い評価を得ている銘柄です。

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米しずく

米しずくは、花垣が純米酒へのこだわりを「米のしずく」という言葉に込めた一本です。地元産の米を丹念に磨き上げて醸した純米酒で、濃醇な米のうまみとふくよかな酸味、しっかりとしたコクとキレが持ち味です。オンザロックから冷、常温、ぬる燗まで幅広い温度で楽しめ、大野の郷土料理である里芋の煮っころがしとの相性が良いお酒です。

越の雫

越の雫は、福井県で生まれた酒造好適米「越の雫」を100%用いた純米無濾過生原酒で、原料米ごとの個性を飲み比べてもらう「米の違いシリーズ」の第一弾として、販売店を限定して出荷されています。甘く優しい立ち香に、フレッシュな酸味とお米由来の柔らかな甘みが舌の上に心地よく広がり、爽やかな後味を見せる一本に仕上がっています。

見学・購入

蔵見学
なし
直売所
越前大野の七間通り中央に蔵と店舗を構え、酒蔵併設の「花垣小売店」ではこの店舗でしか手に入らない純米原酒などを取り扱っています。営業時間は9時から17時まで、定休日は毎週水曜日(祭日および10・11・12月を除く)と年末年始(12月31日から1月5日まで)です。令和8(2026)年9月からはモンベルクラブの優待が受けられる「モンベルフレンドショップ」にも登録されています。
補足
平成13(2001)年に、七間通りに面した店舗を含む酒蔵5棟が登録有形文化財に登録されています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
福井県大野市元町6-10
創業
1733年
公式サイト
www.hanagaki.co.jp

出典

ohnocci.or.jp / hanagaki.co.jp / sakenomy.jp / hanagaki-store.com / fuku-e.com / fukuisake.jp / prtimes.jp / sakagura-press.com / jizake.com / ono-kankou.jp / fuku-iro.jp / sakestreet.com / kobayashishouten.jp / nrib.go.jp

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