寿喜娘酒造
代表銘柄:酒屋千流・寿喜娘
福井県
FUKUI
1864年創業
福井県越前市に所在した酒蔵です。1864年(元治元年)に創業し、代表銘柄の「寿喜娘」をはじめ「酒屋千流」「三田村」などの日本酒を展開していました。代表銘柄である「寿喜娘」の酒名は、和紙の産地である越前市今立地区において、真心を込めて紙を漉く「漉き娘」の姿を酒造りの理念に重ねて命名されました。仕込み水には白山山系の伏流水を用い、原料米には山田錦や五百万石などが使用されていました。また、地元特産の越前和紙を使用したオリジナルラベルの日本酒を展開していたことでも知られています。
その後、日本酒需要の低迷などによる経営難に伴い、2015年に自己破産を申請し倒産しました。
寿喜娘酒造の歩み
寿喜娘酒造は、福井県の越前和紙の産地として知られる今立の大滝に、元治元年(1864年)に創業した酒蔵です。創業の地は現在の越前市大滝町にあたり、蔵の名は、真心を込めて一枚一枚紙を漉き上げる清純な娘の姿を酒造りの理念に重ねた「寿喜娘(すきむすめ)」に由来します。作家の水上勉は「雪深く 弥陀も舞ふかや 寿喜娘」の句を詠みました。
蔵は三田村家の先祖が元治元年に構えたもので、三田村喜左衛門の代から受け継がれた酒の味を守り続けてきました。昭和62年(1987年)2月には、三田村酒造が経営難に陥ったことから寿喜娘酒造有限会社が設立され、事業が移されました。2004年時点の代表者は三田村百合子で、2009年には女性の九代目当主が蔵を率いていました。
蔵では、越前和紙に好きな言葉を書き入れる無料のオリジナルラベルや、子どもの誕生年に仕込んだ酒を20年間預かって成人式に届ける記念酒といった、和紙の里ならではのサービスにも力を入れていました。
しかし、日本酒需要の落ち込みから売上が低迷し、年商を大きく上回る金融債務を抱える状態が続きました。平成25年(2013年)頃には自前での醸造をやめ、一部の業務を外部に委ねながら営業を続けましたが、2015年2月末で事業を停止し、同年3月16日に福井地方裁判所へ自己破産を申請しました。負債総額は約16億5000万円でした。法人の登記記録は、2016年4月に清算の結了により閉鎖されています。
酒造りの特徴
仕込み水には、白山水系の伏流水を使っていました。蔵の周辺は越前和紙を1500年にわたって支えてきた水の湧く地で、蔵は、継体天皇の頃から和紙の漉き水に用いられてきた「不老のお清水」を仕込み水として構えられ、純米大吟醸原酒「純貫酒」にもこの水が使われていました。
原料米には、山田錦と五百万石を使っていました。古酒大吟醸「三田村喜左衛門」は山田錦を50%まで精米して3年間低温で貯蔵した酒で、「純米吟醸 五百万石」には五百万石を用いていました。蔵が掲げた酒造りの理念は、人・水・米の和を大切にすることで、2004年時点で15年以上の付き合いがある特約農家が無農薬・有機栽培で育てた米の中から酒に向くものを選んで醸していました。
2009年当時の生産量は300〜400石、販売は県内7割・県外3割で、福井産の五百万石を主に、石川県や富山県などの契約農家が無農薬・有機栽培で育てた米も使っていました。蔵は通気性のよい石造りで、麹室は清潔に保たれ、温度管理ができるサーマルタンクも備えていました。当時の杜氏は南部杜氏で、以前は福井の越前糠杜氏が担っていました。
主な商品は、大吟醸「極寒雪水造り」、純米大吟醸「酔って候」、純米大吟醸原酒「純貫酒」、純米大吟醸「般若経」などです。本醸造「八段仕込 夜光盃」は、純米酒と本醸造酒を搾ってすぐに合わせ、冷蔵貯蔵して味を整えた酒でした。ほかに、超甘口の「赤鬼」と、精米歩合60%の超辛口「青鬼」もそろえていました。店内ではサーマルタンクからしぼりたての吟醸生原酒「三田村」を注いで量り売りし、タンクごと販売する方法も採っていたのが、この蔵の特色でした。
代表銘柄
酒屋千流
「酒屋千流」は、寿喜娘酒造が「寿喜娘」「三田村」とともに展開した銘柄のひとつです。同社は越前和紙の産地である今立の大滝に蔵を構え、元治元年(1864年)から続いた老舗でした。2015年3月に福井地方裁判所へ自己破産を申請して事業を終え、法人の登記記録も2016年に閉鎖されたため、この銘柄を含む同社の酒を新たに購入することはできません。
寿喜娘
蔵の代表銘柄で、名は紙を漉く娘の姿にちなみます。上撰の「寿喜娘」は三田村喜左衛門の代から受け継がれたまろやかで芳醇な味わいで、地元では長く晩酌酒として親しまれました。白い果実のような甘く心地よい香りと、ややボディのあるふくよかな味わいが持ち味でした。ラベルには越前和紙が使われ、好みの言葉を書き入れたオリジナルラベルにも応じていました。
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 補足
- 蔵は2015年に事業を終えており、現在は見学も購入もできません。かつては蔵の店内でサーマルタンクからしぼりたての生原酒を量り売りしていました。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 福井県越前市大滝町25-23
- 創業
- 1864年
出典
navitime.co.jp / sakenomy.jp / fukeiki.com / kotobank.jp / leveragesma.jp / web.archive.org / allabout.co.jp / info.gbiz.go.jp / sakeno.com / tsr-net.co.jp
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