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吉田酒造

代表銘柄:白龍

福井県

FUKUI

1806年創業

吉田酒造の建物
吉田酒造の建物(2014年撮影)「Yoshida brewing limited company.jpg」 — 写真:藤谷良秀 / CC BY-SA 3.0縮小・WebP変換

江戸時代の文化3年(1806年)に福井県吉田郡永平寺町で創業した酒蔵です。代表銘柄「白龍」(2024年からは「永平寺白龍」)の名は、雨のあとに近くの九頭竜川から立ちのぼる白い蒸気が、天へ昇る白い龍のように見えたことに由来します。

「目が届く、手が届く、心が届く」を信条に、米作りと酒造りが一体となった「永平寺テロワール」の酒造りを推進しています。かつて福井県内で先駆けて酒米「山田錦」の自社栽培に成功し、現在は自社および地元の契約栽培米と、白山連峰の雪解け水の伏流水を使用して醸しています。全量手造りの麹など丁寧な手仕込みによって「濃醇できれいなお酒」を追求しています。先代の遺志を継いだ7代目当主の吉田由香里氏や、蔵元の次女で、24歳で杜氏に就任した真子氏を中心に家族経営で進化を続けています。

受賞歴としては、フランスで開催された「Kura Master」でのプラチナ賞受賞や「ロンドン酒チャレンジ」での金賞など、国内外で高い評価を獲得しています。

吉田酒造の歩み

吉田酒造は、文化3年(1806年)に上志比の庄で酒造りを始めた蔵で、現在は福井県吉田郡永平寺町北島に蔵があります。昭和23年3月に会社として設立されました。蔵の裏手を九頭竜川が流れ、遠くには霊峰白山を望む田園地帯に位置しています。代表銘柄の「白龍」は、蔵のそばを流れる九頭竜川沿いで、雨のあとに白い蒸気が一直線に天へ昇っていく様子を、伝説の白龍になぞらえて名づけられました。

かつての吉田酒造は、需要に生産が追いつかない他の蔵へ酒を売る桶売りが中心で、自社の名で売る酒は全体の1割ほどでした。取引先が大量生産の設備を導入し、契約を打ち切られるまでに与えられた猶予は5年でした。6代目蔵元の吉田智彦氏は、大吟醸を造らなければ蔵の道はないと考えましたが、山田錦の購入実績がないことを理由に米を売ってもらえません。そこで自分で育てることを決め、平成の初めに一部の田んぼで山田錦の栽培に着手します。当時の福井県は山田錦の栽培の北限とされていた地域で、1年目の収穫はわずか3俵でした。

土壌改良を重ね、福井県内で先駆けて自社栽培に成功しました。

2015年春に大学を卒業して入社した次女の真子氏は、それまで季節雇用の杜氏に任せていた酒造りに、1年目から蔵人として加わっていました。その造りの最中の同年12月に智彦氏が54歳で亡くなり、妻の吉田由香里氏が7代目蔵元を継ぎました。2017年2月に杜氏が蔵を離れると、真子氏が杜氏代理として2か月半の造りを担いました。同年5月からは北海道の上川大雪酒造の試験醸造に加わって川端慎治氏の指導を受け、2017年秋に24歳で杜氏に就任します。蔵元の家族から出た初めての杜氏であり、当時の最年少の女性杜氏でした。

同じ2017年には姉の祥子氏も夫の大貴氏とともに入社し、祥子氏は現在、営業部長を務めています。

2018年にはクラウドファンディングの支援を受けて搾りの工程まわりの空調を整え、造るお酒をすべて米と米麹だけの純米酒としました。2019年には原料米を全量永平寺町産とし、2020年には自社で苗の栽培も始めています。さらに2021年夏、香港の総合商社シンフォニー社から日本酒を世界へ広めようという提案を受け、2022年夏に海外輸出を主とする合弁会社シンフォニー吉田酒造株式会社を設立しました。

2022年12月には古民家のワークショップスペース「吉峯梅庵」が完成し、2023年1月に有限会社から株式会社へ商号を改め、2023年秋には、シンフォニー社との合弁で永平寺町吉峰に建てた新蔵「吉峯蔵」が竣工しました。2024年3月にはブランド名を「白龍」から「永平寺白龍」へ変えました。2026年6月から8月には、ANA国際線ビジネスクラスで提供される日本酒に「永平寺白龍 PEAK」が採用されました。

蔵のお酒には、白龍のほかに、純米大吟醸や純米吟醸を気軽に楽しんでもらう「游」、五百万石で醸す「DRAGON WATER」、若い女性にも飲みやすい低アルコールの発泡性清酒「DRAGON KISS」があります。

全国新酒鑑評会では、平成19酒造年度と平成24酒造年度に入賞し、令和3酒造年度から令和5酒造年度まで3年続けて金賞、令和6酒造年度は入賞、令和7酒造年度に再び金賞を受賞しています。令和3酒造年度の金賞は、自社栽培の永平寺町産山田錦で醸した純米大吟醸でした。金沢国税局酒類鑑評会では、令和4酒造年度から令和7酒造年度まで4年続けて優等賞を受賞し、令和4酒造年度から令和6酒造年度は金沢酵母吟醸の部と吟醸の部の2部門で、令和7酒造年度は金沢酵母吟醸の部で選ばれました。

フランスのKURA MASTERでは、2018年に「白龍 純米大吟醸 吉峯」が純米大吟醸&純米吟醸酒部門でプラチナ賞、2019年に「白龍 純米吟醸」、2021年に「白龍 特別純米」、2024年は純米酒部門、2025年は純米酒(51-65%)部門で「永平寺白龍 土てきてき」が金賞を受賞しました。同じKURA MASTERの2024年の梅酒コンクールでは「DRAGON WATER 紅映」が金賞です。イタリアの「5STAR SAKE JUDGES」の選出も2019年に受けています。

ロンドン酒チャレンジでは、2018年に純米大吟醸が銀賞、2019年に「白龍 純米大吟醸 三世」が金賞に選ばれています。2025年の「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」ではメイン部門で、2026年にはプレミアム大吟醸部門で、「永平寺白龍 純米大吟醸 吉峯」が金賞を受賞しました。

酒造りの特徴

吉田酒造の信条は「目が届く、手が届く、心が届く」で、酒造りは土づくりから始まります。稲刈りのあとの秋に肥料をすき込み、田植えまでの半年をかけて土をゆっくり熟成させます。肥料にはかつて牛糞堆肥を使っていましたが、米のたんぱく質が増えて酒の雑味になりやすいことから、現在は米ぬかと、鹿児島県奄美の鰹の肥料に切り替えています。田んぼは酒蔵から直径10km以内にあり、永平寺町内で自社栽培する約100枚、20町歩(山田錦15町歩、五百万石5町歩)に加えて契約農家の田んぼでも酒米を育てています。

田植えは部門を超えて社員と蔵人が総出で行い、山田錦は総日照時間を確保するため、最近では5月中旬から植えています。稲の生育調査や勉強会には契約農家も参加し、地域全体で米の品質をそろえることに取り組んでいます。収穫後の乾燥も、通常は50度で行うところを40度以下の熱風でゆっくり進めます。

仕込み水は、白山麓の雪どけ水が地中を流れる柔らかな水で、地下水は一年を通して16度です。洗米には、米が割れないよう7度まで冷やした水を使い、気泡で洗います。吸水率を細かく管理するため米は10kgずつに小分けし、洗米担当者が過去のデータをもとに秒単位で浸漬を調整します。蒸しは通常の蒸しを60分行ったうえで、最後に高温の乾燥した蒸気を当て、麹に使う米は外が硬く内が軟らかい状態を目指します。麹は全量を手造りで、室温約32度の麹室で、酒質に合わせて選んだ麹菌を振ります。

酒母は、目指す酒質に合わせて普通速醸、高温糖化、酸基醴酛などの造り方を使い分けています。仕込みは初添え、仲添え、留添えの3回に分ける三段仕込みで、総量750kg前後の小さなタンクを使い、杜氏が毎日朝夕2回、醪の品温を測って分析します。醪は20〜30日かけて発酵し、洗米からおよそ1か月半で搾ります。搾ったあとはすぐに瓶詰めをして1回だけ火入れを行います。搾ったあとにタンク貯蔵のための火入れと、瓶詰めの際の火入れを合わせて2回行うのが一般的ですが、搾りたての味わいをそのまま届けるため、1回だけにしています。

目指すのは「濃醇できれいなお酒」です。

貯蔵は、タンクではなく瓶貯蔵を基本としています。3〜5度の冷蔵倉庫が2つ、主に生酒や長期熟成酒を預けるマイナス5度の冷凍倉庫が1つあり、2020年からはお酒の一部を雪室でも貯蔵しています。2023年に完成した合弁の新蔵、吉峯蔵では主に輸出用の「永平寺白龍」を醸し、ここでも原料は永平寺町産の米と水だけの純米酒です。最上位の「永平寺白龍 PEAK」は、永平寺町産の山田錦を使い、生酛造りをもとに選抜した乳酸菌で酒母を仕立てています。

代表銘柄

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白龍

白龍は蔵を代表する銘柄で、2024年3月に「永平寺白龍」へ名称が改められました。原料米は自社栽培か契約栽培の永平寺町産で、山田錦と五百万石を使い、造るのは純米酒だけです。米・水・土をそれぞれ表現する「米てきてき」「水てきてき」「土てきてき」を軸に、山田錦を45%まで磨いた純米大吟醸「吉峯」と、最上位の「PEAK」が並びます。

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見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
吉峯蔵直営店「マルシェ智」(永平寺町吉峰5-5)は年中無休で、年末年始と法定点検日を除き、4月から12月は10時から17時、1月から3月は10時から16時の営業です。北島蔵直営店(永平寺町北島7-22)でもお酒を購入できます。
補足
北島蔵は少人数で酒造りを行っているため通常の見学は受け付けておらず、見学したい場合は吉峯蔵のツアーが案内されています。吉峯蔵では、永平寺白龍の歴史やこだわりの紹介、窓越しに仕込みを見学するツアー、3種の飲み比べを組み合わせたガイド付きツアー(所要約40分、完全予約制)を実施しています。外周の見学コースは無料で予約も不要ですが、酒蔵の場内には入れません。蔵人と一緒に約2か月かけて自分のお酒を造る蔵人体験もあります。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
福井県吉田郡永平寺町北島7-22
創業
1806年
公式サイト
www.jizakegura.com

出典

fukuisake.jp / jizakegura.com / tanoshiiosake.jp / sakagura-press.com / sakesen.com / fuku-iro.jp / sake-times.com / yoshida-brewery.jp / hakuryusake.com / kuramaster.com / nrib.go.jp / nta.go.jp / londonsakechallenge.com / finesakeawards.jp / sakestreet.com / saketime.jp

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