丸一酒造
代表銘柄:ほしいずみ
愛知県
AICHI
1917年創業
丸一酒造は、知多半島の中央部に位置する愛知県阿久比町で1917年(大正6年)に創業した酒蔵です。代表銘柄「ほしいずみ」の名は、仕込み水の湧き出る井戸の水面に夜空の星が映る様子に由来しています。
醸造には阿久比の米をはじめ知多半島で育つ愛知県産の酒米と、蔵の敷地内の井戸から湧き出る鉄分や有機物の少ない極めてやわらかい軟水の地下水を使用しています。長年招いていた新潟の杜氏から受け継いだ越後流の伝統技術を生かし、手仕事による丁寧な酒造りを徹底しています。醸される酒はほのかな吟醸香とすっきりとした軽やかな味わい、キレの良い後味が特徴です。
技術力の高さは数々の品評会で証明されており、全国新酒鑑評会では平成21年(2009年)から平成29年(2017年)まで9年連続で金賞を受賞したほか、令和元年や令和3年にも金賞を獲得しています。また、越後流酒造技術選手権大会でも首位や上位に輝くなど、伝統技法を守りながら高品質な酒造りを続けています。
丸一酒造の歩み
丸一酒造は1917年(大正6年)に、知多半島のほぼ中央、現在の阿久比町にあたる地で、初代当主の新美一郎によって創業された蔵です。阿久比町は古くから良質な米の産地として知られ、「阿久比米」の名で評判をとってきました。また蛍の里とも呼ばれ、夏の夜には蛍の群舞が見られるほど、豊富で清らかな地下水に恵まれた土地です。知多半島は酒、味噌たまり、酢など醸造業のさかんな土地で、丸一酒造もこの風土のなかで、代々小さいながらも一生懸命に酒造りに励んできました。現在は4代目蔵元主人の新美尚史さんが蔵を率いています。
蔵の看板銘柄は「ほしいずみ」と「冠勲」です。「冠勲」は、冠や勲章を与えられるような立派な酒になるようにとの願いを込めた名前です。「ほしいずみ」は、仕込み水に使う井戸の水面に映った星にちなんで「星泉」と書き、「ほしいずみ」と読みます。お客様からの褒め言葉を一番の勲章と考えて酒造りに励むのが、蔵の姿勢です。
全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限っても16回入賞し、そのうち金賞は12回です。金賞は平成18酒造年度、平成20酒造年度から平成28酒造年度までの9年連続、平成30酒造年度、令和2酒造年度で、令和元酒造年度は金賞の選定がなく入賞、令和3酒造年度と令和4酒造年度も入賞でした。蔵は開催年でいう平成21年から29年を9年連続金賞としており、酒造年度では平成20年度から28年度にあたります。令和元年と令和3年の金賞も開催年での呼び方で、酒造年度では平成30年度と令和2年度です。
これらの金賞はいずれも銘柄「ほしいずみ」での受賞です。それ以前にも、平成3年と平成12年(平成11酒造年度)に開催された全国新酒鑑評会で金賞を受けています。
名古屋国税局酒類鑑評会では、平成15年の第51回に吟醸酒の部で「冠勲」が入賞し、平成17年の第53回から令和4年度の第71回まで19回連続で優等賞を受けています。純米酒の部は第53回から平成26年度の第63回まで11回連続です。第53回は純米酒の部の「冠勲」、第54回は吟醸酒の部と純米酒の部の「冠勲」、第55回から平成20年度の第57回までは純米酒の部の「ほしいずみ」と本醸造酒の部の「冠勲」、平成21年度は吟醸酒の部と純米酒の部の「ほしいずみ」が優等賞でした。
平成22年度から25年度は吟醸酒の部と純米酒の部の「ほしいずみ」、本醸造酒の部の「冠勲」の3部門すべてで、平成26年度は純米酒の部の「ほしいずみ」と本醸造酒の部の「冠勲」、平成27年度と28年度は吟醸酒の部の「ほしいずみ」と本醸造酒の部の「冠勲」、平成29年度は吟醸酒の部と純米酒の部の「ほしいずみ」、本醸造酒の部の「冠勲」の3部門すべてで優等賞です。平成30年度は純米酒の部の「ほしいずみ」と本醸造酒の部の「冠勲」、令和元年度は吟醸酒の部と純米酒の部の「ほしいずみ」と本醸造酒の部の「冠勲」が優等賞です。
令和2年度は吟醸酒の部の「ほしいずみ」、純米酒の部の「ほしいずみ 夢吟香」、燗酒の部の「ほしいずみ 純米酒」と「ほしいずみ 純米辛口」が優等賞に選ばれました。令和3年度は吟醸酒の部の「ほしいずみ」、純米吟醸酒の部の「ほしいずみ 夢吟香」、燗酒の部の「ほしいずみ 純米酒」、令和4年度は純米吟醸酒の部の「ほしいずみ 滔々」が優等賞です。
愛知県の品評会では、平成25年と26年に純米吟醸の部、平成29年に純米の部で第1位となり、平成31年と令和3年には吟醸の部で第1位の愛知県知事賞を受けました。本醸造酒の部でも、愛知県知事賞の首位を3度受けています。新潟県では、平成6年に総裁賞(新潟県知事賞)を受け、平成21年には新潟県自醸酒品評会で1位となりました。越後流酒造技術選手権大会では、平成24年に第1位の新潟県知事賞、平成26年と27年に3位、平成29年に2位でした。
2020年11月に常滑市の澤田酒造で麹室から火災が起きた際には、依頼を受けて同年12月8日から12日にかけて、若水で麹を2回造りました。
酒造りの特徴
酒造りに使う水は、蔵の敷地内で掘り抜いた井戸水で、創業時から伝わるものです。阿久比の地下水は有機物と鉄分が少なく、硬度は10から20mg/L程度と、かなりやわらかい軟水です。蔵では酒造りの3要素を水、米、人と考えており、米と人は変えることがあっても、水は変えられないものだと位置づけています。
蔵は阿久比の良質な米と名水を生かす酒造りを掲げてきました。実際の米は、知多半島の農家が育てる愛知県の酒造好適米で、若水、夢吟香、山田錦を使います。とくに阿久比町の隣の常滑市の農家が多くを占めます。ほかに、純米酒の掛米には祭り晴、純米大吟醸の「五百万石」には五百万石を使います。2019年には半田市の農家に山田錦の栽培を依頼し、知多半島産の山田錦で造る酒を目指しました。
精米歩合は、大吟醸と純米大吟醸の「滔々」で山田錦を40%、夢吟香の純米大吟醸が40%と50%、純米吟醸が若水60%、純米酒が麹米の若水と掛米の祭り晴で60%、本醸造「冠勲」が70%です。
蔵では長年、新潟県から杜氏を招いて越後流の酒造りを続けてきました。その杜氏が引退したあとは、技術を受け継いだ社員が越後流の杜氏として蔵を率いています。2021年の時点では、杜氏は37歳で、蔵人も30代が中心でした。工程の細部までを杜氏と蔵人の手仕事で行い、洗米は蔵で決めた回数で行い、麹造りは50時間を費やすこともあり、寝ずに麹を造ることもあります。もろみでは泡がさをかけるなどの手間を惜しまず、低温でゆっくり発酵させます。
上槽のあとの濾過は、風味を損なわないよう濾過しすぎないことを心がけ、出荷後の製品まで温度管理を大切にしています。他の蔵元が訪れると「蔵が清潔ですね」と言われるほど、清潔に保つことを大事にしています。
酒質は、新潟系の「きれいな酒」に、芳醇でフルーティーな飲み口を加えた味わいです。ほのかな吟醸香と軽くすっきりした味わい、切れのよい後味が特徴で、日本酒に慣れていない人にも飲みやすい酒を目指しています。山田錦40%の大吟醸から、純米吟醸、純米酒、本醸造「冠勲」まで商品がそろい、無濾過生原酒や夏酒の限定酒もあります。純米辛口は日本酒度+8.0、本醸造「冠勲」は+3.5です。
代表銘柄
ほしいずみ
仕込み水の井戸の水面に映る星にちなんだ、丸一酒造の看板銘柄です。新潟系のきれいな酒質に、芳醇でフルーティーな飲み口を加えた味わいが身上で、日本酒に慣れていない人にも飲みやすいことを目指しています。山田錦40%の大吟醸、純米大吟醸の「滔々」から純米吟醸、純米、辛口まで幅広く、全国新酒鑑評会の金賞は平成14酒造年度以降で12回を数え、平成20〜28酒造年度は9年連続です。
見学・購入
- 直売所
- 蔵と同じ所在地(阿久比町大字植大字西廻間11番地)に「丸一酒店」があり、蔵元の酒を購入できます。営業は9時から18時で、定休日は不定休です。ほかに阿久比町、半田市、名古屋市の酒販店でも取り扱っています。
- 補足
- ご注文は電話(0569-48-0003)で受け付けており、土日祝日も対応しています。最寄りは名鉄河和線の植大駅で、徒歩約15分です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 愛知県知多郡阿久比町大字植大字西廻間11番地
- 創業
- 1917年
- 公式サイト
- sake01.co.jp
出典
sakedata.jp / sake01.co.jp / sakenagoya.com / sakagura-press.com / waterserver-mizu.com / nta.go.jp / nrib.go.jp
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