大和蔵酒造
代表銘柄:雪の松島
宮城県
MIYAGI
1996年創業
大和蔵酒造は、宮城県黒川郡大和町に蔵を構え、平成8年(1996年)に創業した酒蔵です。社名は蔵が位置する大和町(たいわちょう)に由来しています。株式会社やまやのグループ企業として省力化・効率化を進めた近代的な醸造設備を備える一方で、伝統的な手作りの技も重視しており、麹造りなどにおいて手作業と機械の良さを組み合わせた酒造りを行っています。看板銘柄である「雪の松島」は、平成19年(2007年)に解散した宮城酒類から引き継いだものです。日本酒度+20の超辛口をはじめ、純米酒や吟醸酒など多彩なラインナップを展開しています。
主な受賞歴として、「SAKE COMPETITION 2023」純米酒部門にて「雪の松島 海KAI ひとめぼれ 純米原酒」が第1位を獲得したほか、フランスの日本酒品評会「Kura Master」においてもプラチナ賞や金賞を受賞しています。
大和蔵酒造の歩み
大和蔵酒造の前身は、寛政10年(1798年)に現在の山形県東置賜郡高畠町にあたる地で創業した酒蔵です。酒類販売チェーンを展開するやまや(仙台市)の傘下に入り、平成8年(1996年)、宮城県黒川郡大和町にある同社の物流拠点の一角に新しい醸造設備を整えた蔵を建て、大和蔵酒造として酒造りを始めました。地域に根ざした蔵でありたいという思いから、蔵のある大和町の名前を社名に冠しています。東北でも屈指の近代的な設備を導入し、工程の大部分を自動化することで、従来の半分以下の人員で高品質な酒を仕込む体制を整えました。
平成19年(2007年)に仙台市泉区の宮城酒類が解散すると、看板銘柄だった「雪の松島」の商標をやまやが譲り受け、子会社の大和蔵酒造が醸造と販売を引き継ぎました。ところが、当時使用していた全自動製麹機では、雪の松島の人気商品である日本酒度+20の超辛口を再現するのが難しいことが分かり、あえて人の手のかかる半自動製麹機に切り替え、さらに吟醸酒用には全て手作業でこなす麹室を新たに設けました。創業から蔵を支えた前杜氏の佐々木政利氏は、手作業と機械それぞれの良さを最大限に生かす試行錯誤を重ねてきたと振り返っています。
平成14年(2002年)にやまやの役員から大和蔵酒造の社長に就いた山内信雄氏は、自社の酒を飲んで宮城県内の他の蔵に比べて味が劣ると実感し、麹の質の底上げを最大の課題に掲げました。杜氏や蔵人と優先順位を付けながら毎年少しずつ改良を重ねた結果、2010年代に入る頃には宮城県内の他の蔵の水準に近づき、全国新酒鑑評会でも頻繁に金賞を受賞するようになりました。
平成26年(2014年)に東京農業大学を卒業した関谷海志氏が蔵に入り、南部杜氏の佐々木政利氏に師事しました。令和3年(2021年)8月、30歳で杜氏に抜擢されると南部杜氏試験にも合格し、麹の破精込み方を総破精から突き破精に変え、もろみを搾る際のアルコール度数を17〜18度から16度に引き下げるなど、酒質をより軽快にする改良を次々に打ち出しました。
蔵にはそれまで生酒を65℃前後まで加熱してから急冷する火入れ設備がなく、山内社長がやまやに掛け合って加熱と急冷の両方ができるパストライザーを導入したことで、令和4酒造年度からは関谷杜氏の名にちなむ新ブランド「雪の松島 KAI(海)」の醸造が始まりました。
雪の松島KAIシリーズのうち、大和町産ひとめぼれで仕込んだ純米原酒は、令和5年(2023年)に市販酒の品評会「SAKE COMPETITION」の純米酒部門で第1位を獲得し、関谷杜氏自身も40歳以下の杜氏を対象にしたダイナーズクラブ若手奨励賞を受賞しました。以降も国内外の品評会で受賞が続き、令和6年(2024年)には東北清酒鑑評会の吟醸酒の部で蔵として初めて優等賞を受けたほか、世界酒蔵ランキング2024で第18位に選ばれています。
酒造りの特徴
仕込みの規模は総米3トンと地方の酒蔵としては大きく、蒸米は甑を使うバッチ式ではなく連続蒸米機を用い、洗米も多量の米をまとめて行う効率重視の方式を採っています。近代的な設備で工程の大部分を自動化する一方、麹だけは半自動製麹機と吟醸用の完全手作業の麹室を使い分け、南部杜氏の技術を蔵人に受け継がせながら麹造りに手間を惜しまない姿勢を貫いています。
全国新酒鑑評会には平成19酒造年度から平成21酒造年度まで3年連続で入賞し、平成23酒造年度と平成24酒造年度は2年連続で金賞を受賞しました。平成25酒造年度と平成26酒造年度は入賞にとどまりましたが、平成27酒造年度から平成29酒造年度にかけては3年連続で金賞を受賞しています。令和5酒造年度と令和6酒造年度は入賞、令和7酒造年度に再び金賞を受賞しており、平成14酒造年度以降に限っても13回入賞し、うち6回が金賞です。
国内外の品評会でも受賞を重ねています。フランスの日本酒コンクール「Kura Master」では2022年に「雪の松島 山田錦の酒 純米吟醸」が金賞を、2024年には同じ「雪の松島 山田錦の酒 純米吟醸」と「雪の松島 海-KAI- AIR 純米原酒」がプラチナ賞を、「雪の松島 海-KAI- 純米大吟醸原酒」が金賞を受賞しました。
「インターナショナルワインチャレンジ(IWC)2025」では「雪の松島 KAI 純米大吟醸原酒」が純米大吟醸部門でGOLD(上位約10%)を受賞したほか、純米酒部門で「雪の松島 KAI 山田錦 純米原酒」がSILVER、「雪の松島 KAI ひとめぼれ 純米原酒」がBRONZEを、純米吟醸部門で「雪の松島 KAI 吟のいろは 純吟原酒」がBRONZEを受賞しています。
市販酒の品評会「SAKE COMPETITION 2025」でも純米酒部門の「雪の松島 KAI ひとめぼれ 純米原酒」と純米吟醸部門の「雪の松島 KAI 吟のいろは 純吟原酒」がそれぞれBRONZEを受賞しました。「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」では2019年に「雪の松島 旨辛純米酒」がメイン部門で、2021年に「伊達の都 純米大吟醸」がプレミアム大吟醸部門で金賞を受賞するなど、2019年以降ほぼ毎年金賞を重ねてきました。
2025年には「雪の松島 大吟醸」がプレミアム大吟醸部門で金賞を受賞し、2026年には「雪の松島 KAI ひとめぼれ 純米原酒」「雪の松島 山田錦の酒 純米吟醸」「雪の松島 KAI AIR 純米原酒」「雪の松島 純米吟醸 生酒」「雪の松島 大吟醸」「雪の松島 KAI 純米大吟醸原酒」「伊達之都 純米大吟醸」の7点が金賞を受賞し、蔵として過去最多の受賞となりました。「全米日本酒歓評会」でも2024年に「雪の松島 KAI 吟のいろは 純吟原酒」が吟醸部門でグランプリを獲得しました。
商品ラインナップは、日本酒度+20の「雪の松島 本醸造 入魂超辛+20」や「雪の松島 醸魂純米酒+20」といった超辛口から、日本酒度-20の「雪の松島 すっきり甘い純米酒」まで振れ幅が大きいのが特徴です。KAIシリーズは兵庫県産山田錦や大和町産ひとめぼれ、宮城県産の蔵の華・吟のいろはなど原料米ごとに造り分けており、伊達政宗の陣羽織をモチーフにした「伊達之都」シリーズも手掛けています。
代表銘柄
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雪の松島
雪の松島は、平成19年(2007年)に解散した宮城酒類から大和蔵酒造が引き継いだ銘柄です。日本酒度+20の超辛口から-20の甘口まで振れ幅の大きい酒質を特徴とし、山田錦やひとめぼれ、蔵の華など原料米違いで造り分けたKAIシリーズも展開しています。KAIシリーズの純米原酒は「SAKE COMPETITION 2023」の純米酒部門で第1位を獲得したほか、インターナショナルワインチャレンジやKura Master、ワイングラスでおいしい日本酒アワードでも金賞やプラチナ賞を重ねて受賞しています。
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- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- やまやグループの通信販売サイトで取り扱われています。
- 補足
- 蔵見学は事前予約制で、受付時間は平日9時から16時までです。蔵の状況によっては見学を断られる場合があります。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 宮城県黒川郡大和町松坂平8丁目1番
- 創業
- 1996年
- 公式サイト
- taiwagura.co.jp
出典
sakestreet.com / taiwagura.co.jp / sakenomy.jp / sakagura-press.com / miyagisake.jp / cocon-tohoku.jp / kuramaster.com / sake-times.com / sakeno.com / nrib.go.jp
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