SAKE BREWERY — MIYAGI

角星

宮城県気仙沼市魚町2-1-17 1906年創業

紹介

1906年(明治39年)創業。酒造開始の醸造祈願の際、一升枡に御神鏡を通した明けの明星が映った吉事から屋号「角星」が誕生した。岩手県折壁村で醸造した酒を気仙沼で販売したことから、二つの国にまたがる酒として「両國」と名付けられ、明治41年に気仙沼へ工場を移転した。

創業以来「品質第一」を掲げ、気仙沼の新鮮な魚介類の持ち味を邪魔しない、淡麗で旨みがあり最初の一杯から最後の一滴まで飲み飽きない酒造りを追求している。東日本大震災での被災を経て、2021年には旧白山小学校跡地に「白山製造場」を新設。設備を一新し、日本酒のほかリキュールや清酒酵母を用いたワインの製造など新たな挑戦も続けている。

主な受賞歴として、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2026」で「水鳥記 純米吟醸酒 山田錦」や「水鳥記 純米大吟醸酒 蔵の華 四割四分」が金賞を獲得したほか、Kura Masterなどでも高い評価を受けている。

歴史

気仙沼で呉服商や食酢・麹の製造販売、塩問屋などを営んできた斉藤家の十四代目・斉藤作兵衛が、明治39年(1906年)、気仙沼から西へ約20キロの岩手県折壁村(現・一関市)で濁酒(どぶろく)の醸造を始めたのが角星の酒造りの始まりです。折壁で造った酒を気仙沼で売ったことから、陸中國(岩手県)で造り陸前國(宮城県)で売る酒という意味で「両國」と名付けられました。明治41年(1908年)には醸造の拠点を気仙沼港近くへ移し、屋号「角星」は室根神社へ初めて新酒を奉納した際、一升枡に映った明けの明星にちなむと伝えられています。

本社屋は昭和初期建築の土蔵風木造二階建てで、平成15年(2003年)1月に国の登録有形文化財に指定されました。しかし平成23年(2011年)3月の東日本大震災では高さ約10メートルの津波に襲われ、1階部分は流失し、2階部分も約30メートル後方の建物にぶつかって止まりました。地震直後に社員2名は海よりやや高い場所にあった醸造蔵へ避難して無事でしたが、水が引いた後の現場には2階前面に掲げられていた「両國」の看板がほぼ無傷で横たわっており、それが同じ場所での再起を決意する後押しになったといいます。土地のかさ上げを進めたのち、2階部分は部材を一度解体し、使えるものを組み直す形で元の位置に再建し、平成28年(2016年)11月に本社屋の修復が完了しました。現在は1階を直売店舗、2階を震災前の町並みや復旧過程を伝える展示室として公開しています。

築110年の醸造蔵は震災の揺れで損傷し、修理を重ねながら使い続けていましたが存続は困難になっていました。東京農業大学卒業後、修業を経て平成27年(2015年)春に気仙沼へ戻った長男・大介氏がゆず酒の商品化や水鳥記の販路拡大で成果を上げたことも後押しとなり、蔵元は新たな醸造蔵の建設を決断します。市内で適地を探した結果、平成27年(2015年)3月に廃校となった気仙沼市立白山小学校(上鹿折地区)の校舎と体育館を取得しました。全面改修のうえ令和3年(2021年)10月に「白山製造場」として竣工し、同年秋から酒造りを開始しています。総投資額は約7億5000万円で、震災関連の補助を受けつつも6割程度は自己負担だったといいます。

酒造り

創業以来「品質第一」を旨とし、気仙沼で水揚げされる新鮮な魚介類の持ち味を邪魔しない、端麗さの中に旨みを感じる酒質を追求しています。最初の一杯から最後の一滴まで飲み飽きない味わいを目指すのが角星の酒造りの方針です。長年、南部杜氏を招いて酒造りを行ってきましたが、働き手の確保が難しくなったことを背景に、令和2酒造年度(2020酒造年度)から蔵人全員が通年雇用の社員体制に移行し、杜氏も社員の鈴木肇氏が務めています。

白山製造場への移転にあたり取水する浄水場が変わり、新しい仕込み水はマグネシウムとカリウムの含有量が多く、発酵に適した水質であることが確認されました。新設した麹室には最新鋭の製麹機を導入して夜間作業をなくしたほか、搾り機・洗米機・甑・仕込みタンクも新調し、各室に空調を備えることで一年のうち11か月にわたり酒造りができる体制を整えています。

主要銘柄「水鳥記」では蔵の華・山田錦・雄町・愛山など複数の酒造好適米を使い分け、「両國」「別格」では飲み飽きしないキリっとした辛口の酒質を追求しています。近年は気仙沼産ゆずを使ったゆず酒などのリキュールに加え、清酒用酵母を用いたワイン「月の吟」も手がけるなど、清酒醸造の技術を生かした新分野への挑戦も続けています。

蔵データ

所在地

宮城県気仙沼市魚町2-1-17

創業

1906年(宮城県)

公式サイト

kakuboshi.co.jp

代表銘柄

別格:酒造用米を60%まで磨いた特別本醸造酒です。アルコール分15.5度、日本酒度+3、酸度1.3の淡麗辛口タイプで、南部杜氏から受け継いだ技でじっくりと仕込んだ定番酒です。冷やから燗まで幅広い温度帯で楽しめ、気仙沼の魚介料理に寄り添う食中酒として親しまれています。

蔵の華:宮城県産米「蔵の華」を使用した「水鳥記」シリーズの特別純米酒で、まろやかな口あたりとスッキリとした後味が特徴です。精米歩合四割四分まで磨いた純米大吟醸酒「水鳥記 蔵の華 四割四分」は、KURA MASTER主催「日本酒審査会2018」の純米大吟醸・純米吟醸部門で金賞を受賞しました。

亀鶴:山田錦を40%まで磨いた純米大吟醸酒で、南部杜氏が鑑評会用に丹精込めて仕込んだ原酒です。アルコール分16.5度、日本酒度+2、酸度1.3。芳醇旨口で、豊かな香りと成熟したまろやかな味わいが特徴です。肴を選ばずに楽しめる一本として位置づけられています。

喜祥:正式名称は「金紋両國 喜祥」。山田錦を40%まで磨いた大吟醸酒で、自家酵母で醸した鑑評会出品酒を基に時間をかけて熟成させています。アルコール分15.5度、淡麗旨口。酒類総合研究所主催「平成29酒造年度全国新酒鑑評会」で金賞を2年連続で受賞した実績を持ちます。

金紋両國:角星の酒造りの原点となった銘柄です。岩手県折壁村で造った酒を気仙沼で売ったことから「両國」と名付けられました。選りすぐりの酒造用米と伝統の技術で仕込んだ、飲み飽きしないキリっとした辛口の酒です。普及クラスの「金盃両國」も展開されています。

見学・購入

直売所

本社1階は直売所として営業しています。営業時間は月曜〜金曜8:30〜17:30です(詳細は要問い合わせ)。店舗は昭和初期建築の土蔵風木造二階建てで、2003年に国の登録有形文化財に指定され、東日本大震災からの被災を経て2016年11月に修復が完了しました。

補足

住所は宮城県気仙沼市魚町二丁目1-17、電話番号は0226-22-0007です。無料駐車場が店舗裏に4台分あります。白山製造場(白山小学校跡地)の一般見学受け入れの可否は公式情報で確認できませんでしたが、直売店舗2階は震災前の様子や復旧過程を伝える展示室として希望者が見学できます。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

同じ宮城県の酒蔵

出典

sakestreet.com / jetro.go.jp / miyagisake.jp / mystrikingly.com / japansake.or.jp / shop-pro.jp / nihonshu-tourism.com / kakuboshi.co.jp / kakuboshi.mystrikingly.com / ja.wikipedia.org / sake-marukei.com / item.rakuten.co.jp

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