瀧自慢酒造
代表銘柄:瀧自慢
三重県
MIE
1868年創業
明治元年(1868年)に創業。「百人が一杯呑む酒より、一人が百杯呑みたくなる酒」をモットーに、少数精鋭による手造り・少量仕込みの酒造りを貫いている。仕込み水には「平成の名水百選」に選ばれた名勝・赤目四十八滝の清冽な伏流水を使用し、原料米には伊賀盆地の契約栽培米(山田錦など)を中心に厳選している。厳冬期における秒単位での米洗い、温度管理が行き届く小容量タンクでの仕込み、急冷熱殺菌や大型冷蔵庫での貯蔵など、隅々まで手を掛けた丁寧な酒造りが特徴である。
全国新酒鑑評会で数々の金賞を受賞しているほか、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)でもゴールドメダルを獲得。2016年の伊勢志摩サミットでは「純米大吟醸」が乾杯酒、「辛口純米 滝水流(はやせ)」が食中酒に採用されるなど、国内外で高い評価を受けている。
瀧自慢酒造の歩み
瀧自慢酒造の創業は1868年、明治元年です。初代の杉本杉松が伊賀の龍口から出て、現在の名張市赤目町柏原にあたる地で酒造りを始めました。蔵は近鉄大阪線の赤目口駅から約480メートル、日本の滝百選に選ばれた赤目四十八滝の渓谷に近い、奈良県との県境の伊賀盆地にあります。銘柄の瀧自慢は、赤目四十八滝に由来する名です。
蔵は二代目の英二、三代目の和三へと受け継がれ、1956年(昭和31年)に朝日酒造株式会社として法人になりました。1992年(平成4年)には現在の瀧自慢酒造株式会社へ社名を変え、四代目の杉本隆司さんが蔵元として酒造りを担っています。戦中から戦後にかけての十数年間は、米を主食に回すため政府が嗜好品である酒の製造を制限した影響で、酒造りを中断しました。得意先の多くを失い、先代はゼロから伊賀盆地の商圏を自分の足で回って、少しずつ得意先を取り戻していきました。
全国新酒鑑評会では、1992年、1993年、1996年、1999年、2000年に金賞を受賞しています。これらに続いて、2003年、2004年、2009年、2014年、2022年、2023年にも金賞を重ね、金賞の受賞は通算11回です。2012年、2013年、2015年、2019年、2020年、2025年、2026年には入賞しており、2003年以降に限ると、金賞6回を含めて入賞は13回です。ここに書いた年は、いずれも全国新酒鑑評会の開催年です。
名古屋国税局酒類鑑評会では、2002年度から2004年度まで3年続けて吟醸酒の部で入賞し、優等賞を2005年度と2007年度(純米酒の部)、2012年度(純米酒の部と本醸造酒の部)、2014年度(吟醸酒の部)、2015年度(本醸造酒の部)に受けています。
海外の品評会でも評価を受けています。IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)では、純米大吟醸が2014年、2018年、2019年、2022年、2025年にゴールドメダルを受賞しました。このほか、シルバーメダルは2012年、2020年、2023年、2024年、2025年、ブロンズメダルは2013年、2016年、2017年、2024年に受賞しています。2018年にはブリュッセル国際コンクール日本酒部門のSAKE selection 2018で、辛口純米の滝水流が純米酒部門のゴールド賞に選ばれました。
Kura Masterでは、2018年度(純米大吟醸&純米吟醸酒部門)、2021年度(純米大吟醸酒部門)、2024年度(純米大吟醸酒部門の匠35と純米酒部門のReBrew)、2025年度(クラシック酛部門の純米大吟醸 山廃)に金賞を受賞しています。雄町を使った酒は、2009年の第1回、2012年の第4回、2013年の第5回の雄町サミットで優等賞を受けました。
2016年の伊勢志摩サミットでは、純米大吟醸がワーキングランチの乾杯酒、辛口純米の滝水流が晩餐会の食中酒として振る舞われました。2020年には、バンダイナムコの日本酒擬人化プロジェクト「神酒ノ尊」で瀧自慢がキャラクターになり、オリジナルラベルの酒が発売されました。2024年6月21日には志摩観光ホテルでメーカーズディナーが開かれました。
酒造りの特徴
仕込み水は、蔵の近くを流れる赤目四十八滝の伏流水です。平成の名水百選に選ばれた水で、やわらかな軟水です。米は伊賀盆地で契約栽培された三重県産の山田錦を中心に使い、純米大吟醸の匠35は伊賀産の山田錦を35パーセントまで磨いています。純米吟醸の瀧自慢と名張乙女では、麹米に三重県産の山田錦、掛米に三重県の酒造好適米である神の穂を合わせます。このほか、雄町(岡山県産)、愛山(兵庫県産)、亀の尾(岩手県産)、北雫と吟風(北海道産)、八反錦(広島県産)といった酒米の個性を引き出す限定酒も造っています。
造りの特徴は、小さな蔵だからこそできる手のかけ方です。玄米の削り具合によって洗米や浸漬の時間が微妙に変わるため、これらの作業を秒単位で丁寧に行います。仕込みタンクは管理の目が届くよう小さめのものを使い、温度管理ができるサーマルタンクも備えています。麹の品温は電子温度計で測り、蔵元杜氏の杉本さんのスマートフォンに随時表示されます。夜中にも麹ともろみの様子を見に起きる日が続きます。造りは毎年10月に始まり、新酒ができる12月ごろまで、生活のペースを酒造りに合わせます。
2016年の取材時点で年間の製造量は約500石でした。造り手は蔵元を中心に総勢9名の少数精鋭です。
もろみのほとんどは、酒袋に詰めて圧力をかける「やぶた」で搾ります。特別な酒は、圧力をかけずに滴り落ちる酒を集める袋吊りで搾ることもあります。火入れをする酒でも、生酒に近いフレッシュな風味を保つため、急冷熱殺菌で瓶詰めします。春先までに搾った酒は、大型冷蔵庫で瓶のまま低温貯蔵して熟成させ、飲み頃を待ちます。目指すのは、料理の脇役として食事と一緒に何杯でも飲める、クセの強すぎない酒です。蔵が掲げる言葉は「百人が一杯飲む酒より、一人が百杯飲みたくなる酒」です。
近年は新しい酒質にも挑んでいます。伝統的な丹波流の山廃仕込みを参考にした純米大吟醸と純米酒は、瀧自慢らしい透明感を残しつつ、山廃ならではの酸味と複雑さを加えた味わいです。2024年10月に発売したReBrewは、仕込み水の代わりに純米大吟醸の匠35を使って低温熟成させた、日本酒度マイナス30の極甘口の貴醸酒です。アルコール分は14度と低めで、蜜のような甘みと軽やかな後味を持ちます。
代表銘柄
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瀧自慢
蔵名と同じ瀧自慢は、蔵を代表する銘柄です。山田錦を使い、伊勢志摩サミットのワーキングランチで乾杯酒となった純米大吟醸が看板で、IWCでは5回ゴールドメダルを受賞しました。辛口純米の滝水流は晩餐会の食中酒に選ばれ、名張乙女は田山花袋の小説「名張少女」にちなんだ純米吟醸です。赤目四十八滝の水で、何杯でも飲み飽きない酒を目指しています。
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- 直売所
- 蔵に直売所があり、火曜から金曜は13時から18時、土曜と日曜は10時から18時に営業しています。月曜は定休日です。祝祭日は火曜から金曜と同じく13時から18時の営業です。作業の都合で臨時休業することがあります。最寄りは近鉄大阪線の赤目口駅で、蔵まで約480メートルです。
- 補足
- 蔵の二階には、酒の貯蔵に使った木樽や仕込み用の桶、酒を搾る装置など、創業以来の道具を並べた展示場があります。車では、国道165号の赤目口交差点から赤目四十八滝の方向へ約1.2キロ進むと蔵に着きます。名阪国道の針インターチェンジから約35分、上野インターチェンジから約45分です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 三重県名張市赤目町柏原141
- 創業
- 1868年
- 公式サイト
- www.takijiman.jp
出典
gi-mie.jp / takijiman.jp / japansake.or.jp / vercel.app / iga-younet.co.jp / nipponnosake.com / nabarichouju.com / otonamie.jp / igasyu.com / kuramaster.com / jp.sake-times.com / sakecompetition.com / pref.mie.lg.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp
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