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油正

代表銘柄:初日

三重県

MIE

1869年創業

株式会社油正(あぶしょう)は、三重県津市久居本町に蔵を構えていた1869年(明治2年)創業の酒造会社です。その前身は、江戸時代に久居城下で営業していた「油屋」という屋号にさかのぼります。

代表銘柄である「初日(はつひ)」の酒銘は、伊勢の名所として知られる二見が浦の夫婦岩から昇る初日の出の雄大さと美しさに由来すると伝えられています。酒造りにおいては、伝統の「伊勢仕込み技法」や但馬杜氏の卓越した技術を守り、三重県産の酒造好適米「神の穂」などの原材料を用いた酒造りを行っていました。

名古屋国税局酒類鑑評会で15回優等賞等、全国新酒鑑評会で金賞2回の実績があります。2021年に酒造業をやめました。法人は存続し、同年10月に本店を移転しています。

油正の歩み

油正は、三重県津市久居本町に蔵を構えていた酒造会社です。創業は1869年(明治2年)で、江戸時代に久居城下で店を構えていた「油屋」の屋号を引き継いだ酒造業「油正商店」にさかのぼります。蔵のあった久居・一志地方は古くから醸造業が盛んで、伊勢の酒所として知られた土地です。

1930年(昭和5年)に油正醸造合名会社を設立し、同じ年に醤油・味噌の醸造を始めました。1957年(昭和32年)に株式会社へ改組して油正醸造株式会社となり、1991年(平成3年)10月に株式会社油正と改称しています。酒のほか醤油・味噌の醸造と直販、他社の酒類や食料品の卸小売も手がけ、酒は季節商品や容器違いを含めて約250種類を数えました。

代表銘柄は「初日」です。伊勢の名所である二見浦の夫婦岩から昇る、紅に燃えた初日の出の雄大さと美しさになぞらえて命名されたと伝わっています。「飲むほどに土地の味がわかり、味わうほどに人々の人情が伝わる酒」を目指し、味わいはやや甘口で口当たりがよく、女性にも好評でした。毎年11月23日の勤労感謝の日には、1980年(昭和55年)から続く「初日 蔵開き」を開き、酒蔵見学や新酒のきき酒、しぼりたての「あらっぱしり」の販売、津市物産振興会の協力による地域物産の販売を行いました。

2013年ごろには、3,000人ほどが訪れる催しになっていました。蔵開きは2019年9月に休止が告知されました。

全国新酒鑑評会では、平成22酒造年度から平成26酒造年度まで5年続けて入賞し、うち金賞は平成23酒造年度(2012年の審査)と平成25酒造年度(2014年の審査)の2回です。平成22・24・26酒造年度は入賞でした。2012年の金賞は大吟醸「初日」によるもので、同社にとって二十数年ぶりの金賞となり、この年に三重県内で金賞を得たのは3社でした。平成25酒造年度の金賞に先立つ2014年3月には、三重県新酒品評会で三重県知事賞と三重県工業研究所所長賞を受けています。

名古屋国税局酒類鑑評会でも成績を重ねました。第52回(平成16年)と第53回(平成17年)は吟醸酒の部、平成18年の第55回は市販酒の純米酒の部、第56回(平成19年)と平成20年度の第57回は本醸造酒の部で選ばれています。平成22年度の第59回は吟醸酒・純米酒・本醸造酒の3部門すべてで優等賞に入り、平成23年度の第60回は純米酒と本醸造酒の2部門でした。

以後も平成24年度の第61回は吟醸酒の部、平成25年度の第62回は本醸造酒の部、平成26・27年度の第63・64回は純米酒と本醸造酒の2部門、平成28・29年度の第65・66回は本醸造酒の部、平成30年度の第67回は純米酒の部、令和元年度の第68回は純米酒と本醸造酒の2部門で優等賞を受けました。第52回から第68回までの17回のうち15回で入賞または優等賞に選ばれた計算です。

2021年1月16日には、「明治2年創業以来、152年間ご愛顧いただきました」との挨拶とともに最終の蔵出し商品を案内し、数量限定で2月19日まで出荷販売を行いました。中取り純米大吟醸、中取り大吟醸、純米大吟醸、大吟醸、特別純米酒が最後の商品でした。こうして油正は2021年に酒造業をやめ、約150年にわたる清酒造りに幕を下ろしました。株式会社としての法人は存続しており、2021年10月に本店を津市久居東鷹跡町へ移しています。

酒造りの特徴

仕込み水は、久居台地から湧き出る布引山系・雲出川の伏流水です。酒造りの仕込み水に適した水でした。米は、豊穣な一志平野で収穫される粘りのある一志米が高精白に向くことから、地元の米を主に使う酒造りを掲げていました。創業以来代々伝わる「伊勢仕込み技法」と、但馬(兵庫)杜氏の技術を拠りどころに、「地酒は地元の人に愛されるふるさとの酒を」をモットーにしていました。2012年の時点では、但馬杜氏の山本隆章が3年前から酒造りを担当していました。

仕込みは秋に始まりました。2012年は10月15日、2013年は10月18日に仕込みを始め、11月に「初しぼり」を行っています。当日は川併神社の宮司による神事で良い酒と安全な操業を祈り、杉玉(酒林)を店頭に掲げ、杜氏や蔵人が新酒の出来栄えを確かめました。

原料米は商品ごとに使い分けていました。「初日 辛くち」と「トクセン初日」は、麹米に酒造りに適した富山県産の五百万石を100%使っています。「初日 純米酒」は三重県産米を精米歩合65%で仕込み、「伊勢風土記」は国産米を精米歩合50%で仕込んだ吟醸酒です。吟醸酒の「初日 吟醸酒 神の穂」には、三重県産の酒造好適米「神の穂」を用いました。「初日 中取り大吟醸」は、搾りの中ほどで最も酒質の良い部分だけを取り分けて瓶詰めした大吟醸で、三重県産山田錦を100%使っています。

全国新酒鑑評会で入賞した酒と同じ造りの大吟醸を、もろみを一本ずつ布袋に入れ、袋どうしが押し合う優しい力で搾る袋吊りで仕上げ、数量限定で販売した年もありました。

冬の「あらっぱしり」は、しぼりたての新酒(原酒)をそのまま瓶詰めした商品です。無濾過のため瓶の底に「おり」が沈むことがあり、ひと冬に3回だけの予約限定販売でした。夏には、寒中に搾った新酒を生のまま低温貯蔵した生貯蔵酒「夕涼み」や、「夏祭り」の純米酒・特別本醸造などを季節商品として出しました。

代表銘柄

初日

「初日」は油正の代表銘柄で、二見浦の夫婦岩から昇る初日の出になぞらえて名付けられたと伝わっています。やや甘口で口当たりがよく、大吟醸から純米酒、本醸造酒、冬のしぼりたて「あらっぱしり」まで幅広く造られました。全国新酒鑑評会では平成23酒造年度と平成25酒造年度に金賞を受賞しています。2021年に油正が酒造業をやめたため、現在は新たに造られていません。

見学・購入

蔵見学
なし
補足
2021年に酒造業をやめており、酒蔵見学や蔵元での直売は行っていません。「初日 蔵開き」も2019年9月に休止が告知されていました。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
三重県津市久居本町1583
創業
1869年

出典

mie-sake.or.jp / exblog.jp / sakura.ne.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / sakeno.com / sakenomy.jp

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